2026年8月6日
労務・人事ニュース
建設業の採用担当者が確認したい2025年度の紛争実態、調停20件が全申請の80%を占める結果
建設工事紛争取扱状況(令和7年度)(国交省)
2026年7月、2025年度に取り扱われた建設工事を巡る紛争の処理状況が明らかになりました。新たな申請は25件で、前年度の32件から7件減少しました。前年度からの繰越分を含めた取扱件数は52件となり、前年度より21件少ない結果でした。
申請された25件を手続別に見ると、当事者間の合意形成を目指す調停が20件で全体の80%を占めました。あっせんは3件で12%、判断を求める仲裁は2件で8%となり、調停が申請の大半を占めています。
前年度と比べると、あっせんと調停はいずれも1件減少し、仲裁は5件少なくなりました。前年度から繰り越された27件を新規申請の25件に加えたことで、2025年度に取り扱われた事件は合計52件となっています。
工事の種類別では、建築工事に関する申請が12件で最も多く、全体の48%を占めました。土木工事と設備工事はそれぞれ6件で24%、電気工事は1件で4%という内訳になっています。
前年度との比較では、建築工事が7件減少し、設備工事は1件、電気工事は2件少なくなりました。一方、土木工事は3件増えており、新規申請全体が減少する中でも工事の種類によって異なる動きが見られました。
申請した側と相手側の関係では、下請負人から元請負人に対する申請が7件で最も多く、全体の28%でした。個人の発注者から請負人、法人の発注者から請負人への申請は、それぞれ6件で24%を占めています。
請負人から法人の発注者に対する申請は4件で16%、元請負人から下請負人への申請は2件で8%でした。元請負人と下請負人の区分には、1次下請負人と2次下請負人などの関係も含まれています。
紛争の内容を見ると、工事の瑕疵、工事代金の争い、下請代金の争いがそれぞれ6件で、いずれも全体の24%でした。契約解除は3件で12%、工事遅延は1件で4%、その他の紛争は3件で12%となっています。
前年度と比べ、工事の瑕疵は1件、工事遅延は2件、工事代金の争いは4件、下請代金の争いは1件減少しました。これに対し、契約解除に関する申請は2件増加する結果となりました。
申請事件の請求金額では、1,000万円を超えて5,000万円以下の区分が9件で最も多く、全体の36%を占めました。1億円を超える高額な申請は5件あり、100万円以下の少額申請も合計5件確認されています。
内訳は、請求額0円が3件、100万円以下が2件、500万円以下が3件、1,000万円以下が1件でした。5,000万円以下は9件、1億円以下は2件、10億円以下は5件となり、請求額には幅が見られます。
過去5年度分の申請を合計すると、1,000万円を超えて5,000万円以下の区分が52件で最も多く、全体の32%でした。10億円以下は28件で17%、100億円以下の申請も5件あり、全体の3%を占めています。
2025年度に終了した事件は、あっせんが5件、調停が20件、仲裁が4件の合計29件でした。このうち、あっせんと調停を合わせた終了件数は25件で、前年度より11件減少しています。
終了したあっせんと調停のうち、当事者間で成立したものは14件で、成立割合は56%でした。成立以外では打切りが8件、取下げが2件、あっせんまたは調停を行わなかったものが1件となっています。
仲裁の終了件数は4件で、前年度より6件少なくなりました。処理結果は仲裁判断が2件、当事者間の解決を反映した和解的仲裁判断が2件となり、それぞれ50%を占める結果でした。
過去5年間の平均では、あっせんと調停の成立割合は46%、仲裁における和解的仲裁判断と期日内和解の割合は77%でした。2025年度単年では、あっせんと調停が56%、仲裁による和解は50%となっています。
年度末時点で次年度へ繰り越された事件は、あっせん1件、調停15件、仲裁7件の合計23件でした。2025年度に新たに申請された25件と近い規模の事件が、次年度にも引き続き取り扱われることになります。
過去5年間の終了事件では、あっせんは3か月から4か月、審理1回で終わる事例が多く見られました。調停は1年から1年半、審理3回から4回、仲裁は1年半から2年、審理7回から9回の事件が多い傾向でした。
平均値では、あっせんの所要期間が9.7か月、審理回数が3.4回となっています。調停は11.4か月と4.5回、仲裁は24.4か月と9.0回で、手続が進むほど期間と審理回数が増える結果が示されました。
2025年度の新規申請は前年度より減少したものの、下請代金や工事代金、工事の瑕疵など、契約や施工に直接関わる紛争が引き続き申請の中心でした。建設業務に携わる企業には、契約内容や工事記録を明確に管理する重要性を示す結果となっています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


