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2026年7月27日

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令和8年5月の大阪府有効求人倍率1.11倍から考える中小企業の採用戦略

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大阪府の令和8年5月有効求人倍率1.11倍と職業別求人倍率から見る採用対策

令和8年6月29日、大阪労働局は令和8年5月分の大阪労働市場ニュースを公表しました。大阪府の現下の雇用失業情勢については、改善の動きが弱まっているとされています。令和8年5月の有効求人倍率は受理地別の季節調整値で1.11倍となり、前月から0.01ポイント低下しました。2か月ぶりの低下であり、全国の有効求人倍率1.17倍を0.06ポイント下回っています。近畿の有効求人倍率は1.08倍で前月と同水準だったため、大阪府は近畿平均を上回るものの、全国平均には届かない位置にあります。就業地別の有効求人倍率は0.95倍で前月と同水準でした。受理地別では1倍を上回る一方、就業地別では1倍を下回っているため、大阪府内で実際に働く求人需要を見る際には、数字の意味を丁寧に分けて考える必要があります。中小企業の採用担当者は、この1.11倍という数字を「求人が求職を上回っているから採用が難しい」とだけ捉えるのではなく、求職者も増え、求人の動きには弱さが出ている市場として、採用活動の設計を見直すべき局面にあります。

令和8年5月の有効求人数は季節調整値で177,585人となり、前月より0.9%増加しました。2か月連続の増加です。一方、有効求職者数は159,447人で、前月より1.0%増加し、こちらも2か月連続で増えています。求人も求職者も増えたものの、求職者の増加率が求人の増加率をわずかに上回ったため、有効求人倍率は低下しました。原数値では、月間有効求人数は172,062人で前年同月比7.4%減少し、月間有効求職者数は166,096人で1.3%増加しています。前年同月と比べると、求人は減り、求職者は増えているため、採用環境は少し落ち着いて見えるかもしれません。しかし、採用現場では、応募者が希望する職種、賃金、勤務地、勤務時間、雇用形態と、企業側の条件が合わなければ採用にはつながりません。求人倍率だけで採用しやすさを判断するのではなく、自社が募集する職種の需給や、求職者が重視する条件を細かく見ることが重要です。

新規求人倍率は季節調整値で2.22倍となり、前月から0.04ポイント低下しました。2か月連続の低下です。新規求人数は60,765人で前月より1.1%減少し、2か月連続の減少となりました。一方、新規求職申込件数は27,392件で前月より0.6%増加し、3か月連続で増えています。直近で新たに出された求人が減り、新たに求職活動を始めた人が増えたため、新規求人倍率は低下しました。ただし、2.22倍という水準は、新たな求職者1人に対して求人が2件を超える状態を示しています。中小企業が採用を始める場合、応募者は複数の求人を比較しながら動いていると考えるべきです。初回連絡が遅い、面接日程の候補が少ない、選考結果の連絡が曖昧といった対応は、候補者が他社に流れる原因になります。求人票を出す前に、応募受付後の連絡担当、面接日程の調整方法、選考結果の通知期限まで決めておくことが、採用成功に直結します。

原数値では、令和8年5月の新規求人数は55,697人で前年同月比8.6%減少し、11か月連続で前年同月を下回りました。新規求職申込件数は27,471件で前年同月比1.6%減となり、6か月ぶりに減少しました。求人の減少が長く続いていることは、企業側が採用に慎重になっていることを示しています。物価上昇、人件費、仕入れ価格、事業の先行き、業務量の変動などを踏まえ、採用人数や募集時期を絞る企業が増えている可能性があります。しかし、求人が減っているからといって人材不足が解消したわけではありません。必要な人材を厳選して採用したい企業が多いほど、求職者に対して自社の魅力と仕事内容を正確に伝える力が問われます。中小企業は、求人を出す量だけでなく、求人情報の質を高める方向へ採用活動を切り替える必要があります。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は生活関連サービス業、娯楽業のみが前年同月比で増加し、2,539人、28.2%増となりました。一方、建設業は3,709人で13.0%減、製造業は3,870人で10.3%減、情報通信業は2,169人で20.2%減、運輸業、郵便業は3,206人で17.6%減、卸売業、小売業は4,712人で14.5%減、学術研究、専門・技術サービス業は1,556人で17.2%減、宿泊業、飲食サービス業は4,950人で12.1%減、教育、学習支援業は964人で12.2%減、医療、福祉は17,986人で1.9%減、サービス業は7,473人で12.4%減となりました。多くの主要産業で求人が減っており、採用市場全体に弱さが出ています。ただし、医療、福祉は減少しているとはいえ17,986人という大きな求人規模を持っており、サービス業や卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業でも一定の求人需要は残っています。採用担当者は、業界全体の増減だけでなく、自社が募集する職種の採用難易度を個別に判断する必要があります。

製造業では新規求人数が10.3%減少し、11か月連続で前年同月を下回りました。大阪府内の中小製造業が採用を進める場合、「工場作業」「製造スタッフ」といった表現だけでは、求職者に仕事の実態が伝わりにくくなります。扱う製品、担当する工程、機械操作の有無、必要な資格、未経験者への研修、安全教育、交替勤務の有無、残業時間の目安を具体的に記載することが大切です。経験者採用が難しい時期には、最初から即戦力だけを求めるのではなく、未経験者を育成できる業務と、経験者に任せる業務を分ける視点が必要です。業務を細かく分解すれば、若手、シニア、短時間勤務希望者、異業種からの転職者にも採用対象を広げられます。

宿泊業、飲食サービス業は4,950人で前年同月比12.1%減となり、7か月連続で減少しました。大阪府は観光、商業、外食、イベント関連の需要が大きい地域ですが、この分野では人件費や原材料費、光熱費、店舗運営コストの影響を受けやすく、採用計画に慎重さが出やすいと考えられます。求人が減っている場合でも、現場では人手不足が続いている企業も多いはずです。飲食や宿泊の求人では、時給や月給だけでなく、シフトの柔軟性、土日勤務の頻度、繁忙期の働き方、接客範囲、まかないや研修制度、急な休みへの対応を具体的に示すことが応募につながります。求職者は「働けるかどうか」だけでなく、「続けられるかどうか」を見ています。職場の実態を隠さず、安心材料を丁寧に伝えることが、定着を見据えた採用につながります。

医療、福祉は新規求人数が17,986人で、主要産業の中で最も大きな規模となりました。前年同月比では1.9%減少していますが、介護関連の職業の有効求人倍率は4.15倍となっており、採用競争は依然として強い状態です。職業別では、保安が3.94倍、建設・採掘が4.97倍、介護関連が4.15倍と、いずれも3倍を上回っています。一方、事務は0.32倍、管理は0.63倍、運搬・清掃等は0.65倍であり、職種によって求職者とのバランスは大きく異なります。採用担当者が大阪府全体の1.11倍だけで判断すると、職種ごとの難しさを見誤ります。事務職では応募が集まりやすい可能性があるため、選考基準を明確にし、対応遅れを防ぐことが重要です。反対に、介護、建設、保安、サービス、輸送関連では、求職者に選ばれる理由を求人票で具体的に示し、応募後の対応を早める必要があります。

正社員採用については、令和8年5月の正社員有効求人倍率が0.86倍となり、前年同月から0.06ポイント低下しました。正社員有効求人数は86,655人で前年同月比5.0%減、正社員有効求職者数は101,197人で2.1%増となっています。正社員求人は求職者を下回っているため、数字上は採用しやすいように見えるかもしれません。しかし、求職者は正社員という雇用形態だけで応募を決めるわけではありません。給与、昇給、賞与、休日、残業時間、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。中小企業が正社員を募集する場合、安定雇用を示すだけでなく、入社後にどの仕事を任せるのか、研修期間はどの程度か、どのように評価されるのか、将来的にどのような役割を期待しているのかを明確に伝える必要があります。

求職者側の状況では、令和8年5月の新規求職申込件数は27,471件で前年同月比1.6%減少しました。態様別では、在職者が4,777件で7.0%減、離職者が19,696件で0.7%減、無業者が2,900件で1.7%増となっています。離職者のうち、事業主都合離職者は5,209件で16.1%増となり、7か月連続で増加しました。一方、自己都合離職者は12,945件で5.9%減となっています。在職中に転職活動を始める人が減っていることは、経験者採用を目指す企業にとって大きな課題です。在職者は現在の職場と比較しながら応募先を選ぶため、給与だけでなく、残業の少なさ、休日の取りやすさ、通勤のしやすさ、仕事の裁量、職場の雰囲気、地域で長く働ける安心感を具体的に伝えることが欠かせません。

令和8年5月の大阪府の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.11倍は求人が求職を上回る状態を示していますが、全国平均を下回り、就業地別では0.95倍となっています。一方で、新規求人倍率は2.22倍であり、直近で採用を始める企業にとっては、求職者との接点づくりが引き続き重要です。新規求人数は11か月連続で前年同月を下回り、正社員有効求人倍率も0.86倍まで低下しています。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を整理することが大切です。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は速やかに連絡することが採用成功につながります。人手不足が続く中、求人募集では掲載媒体の選定だけでなく、応募者管理や採用業務の効率化も重要になっています。採用活動をより円滑に進めたい企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までご相談ください。

⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ

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