2026年8月2日
労務・人事ニュース
2026年6月先行き 中国の雇用市場、新規求人数減少でも有効求人倍率を支える慢性的な人材不足を詳しく紹介
景気ウォッチャー調査(令和8年6月調査)― 中国(先行き)―(内閣府)
企業活動では、製造業や建設業、物流業などを中心に受注環境は一定の水準を維持しているものの、原材料価格やエネルギー価格、人件費の上昇が収益を圧迫しています。価格転嫁が進む企業もある一方で、競争環境から十分な転嫁が難しい企業も多く、利益確保は容易ではありません。中小企業では設備投資や事業拡大に慎重な姿勢が続いており、景気回復への期待と経営コストの増加が同時に存在する状況となっています。
建設関連では公共工事や民間設備投資への期待があるものの、資材価格の高止まりや人材不足によって工事の進行や利益確保に課題が残っています。物流業界でも燃料価格や輸送コストの上昇が続いており、荷動きが改善しても収益の改善には時間がかかるとの見方が示されています。こうしたコスト増加は地域経済全体へ影響を与え、企業経営の慎重姿勢につながっています。
雇用情勢では、人手不足が続いていることから企業の採用意欲そのものは維持されていますが、物価高や人件費の上昇への警戒感から、新規求人を積極的に増やすまでには至っていません。新卒採用市場では企業の動向に大きな変化はみられず、将来を見据えた採用活動を継続する企業が多い一方で、急激な採用拡大を行う動きは限定的となっています。
職業安定機関では、物価高騰などのマイナス要因がありながらも、企業の求人は一定の水準を維持していると分析しています。しかし、新規求人数は前年を下回る傾向が続いており、景気の先行きに対する慎重な姿勢が採用活動にも表れています。一方で、医療、福祉、運輸、建設などの分野では慢性的な人手不足が続いており、有効求人倍率を下支えする要因となっています。
民間の人材紹介会社では、人材不足を背景に企業の採用方針にも変化がみられています。これまで地元出身者や地域とのつながりを重視していた企業でも、人材確保を優先するため、IターンやJターン、Uターン人材を積極的に採用する動きが広がっています。採用対象を全国へ広げることで人材確保を進める企業が増えているものの、地方では自動車の運転が業務に欠かせない職場も多く、運転免許や通勤環境が採用の課題になるケースも少なくありません。
人材紹介業界では求職者からの問い合わせ件数はおおむね横ばいで推移しています。しかし、求人検索サイトの運営方針変更によって有料掲載が必要となるケースが増え、人材紹介会社や派遣会社では求人広告費の負担が拡大しています。採用コストの上昇は中小企業にとって大きな負担となり、採用活動を慎重に進める一因にもなっています。
企業の採用担当者にとっては、人材不足が続くなかで求職者から選ばれる企業になることが重要性を増しています。給与や賞与だけではなく、柔軟な働き方や教育制度、福利厚生、キャリア形成支援などを充実させることが採用競争力の向上につながります。慢性的な人材不足が続く業界では採用後の定着率向上も重要な課題となっており、働きやすい職場づくりが企業経営全体にも大きく影響すると考えられます。
今回の中国地域の景気ウォッチャー調査では、お盆需要や夏本番に向けた季節消費、新型車効果など景気を押し上げる要素がある一方で、物価高や人件費の上昇、企業コストの増加が地域経済へ引き続き影響を与える見通しが示されました。求人市場では新規求人数が前年を下回る動きがみられるものの、人手不足そのものは依然として解消されておらず、有効求人倍率を支える要因となっています。今後は景気動向を見極めながら、生産性向上と人材確保を両立させる経営戦略が、地域企業の持続的な成長に向けた重要なポイントになると考えられます。
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