労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和8年6月北海道景気調査で判明、求人数約2割減でも企業の採用意欲は高水準を維持

2026年7月30日

労務・人事ニュース

令和8年6月北海道景気調査で判明、求人数約2割減でも企業の採用意欲は高水準を維持

Sponsored by 求人ボックス
広告

景気ウォッチャー調査(令和8年6月調査)― 北海道(現状)―(内閣府)

令和8年6月に実施された北海道の景気ウォッチャー調査では、地域経済は一部で持ち直しの動きがみられる一方、物価高や人手不足、観光需要の変化など複数の課題が混在する状況となりました。観光関連や建設分野では比較的前向きな声が寄せられたものの、小売や住宅、製造業などでは慎重な見方も目立ち、北海道経済は業種によって景況感に大きな差が生じています。

観光分野では、例年であれば閑散期となる6月にもかかわらず、幅広い年代の旅行客が北海道を訪れたことが明るい材料となりました。特に年配層による個人旅行や10人を超える小規模団体旅行の増加が土産店の売上や客単価の押し上げにつながっています。また、地域全体で開催されている人気アニメとの連携イベントも集客効果を生み、高級レストランではゴールデンウィーク後も来店客数を維持するなど、観光需要の底堅さが確認されました。

旅行業界でも国内線利用者数は前年を上回る水準で推移し、夏の繁忙期に向けた期待感が高まっています。地域によっては国際会議や展示会などの需要が発生し、海外直行便の運航再開予定も観光需要を後押しする要因として挙げられています。フェリー利用では観光シーズンの到来とともに旅客と車両の輸送量が増加し、インバウンド利用も引き続き堅調に推移しています。

一方で、観光業全体が順調というわけではありません。国際航空運賃の高騰により訪日外国人旅行者の増加ペースには鈍化がみられ、アジア圏からの旅行者が減少する一方で欧米圏からの旅行者が増えるなど、観光客の構成にも変化が現れています。欧米では土産文化が日本ほど根付いていないことから、土産品の販売が伸び悩むケースも報告されています。また、宿泊料金や旅行費用の上昇を背景に、国内旅行では旅行回数を減らしたり宿泊を伴う旅行から日帰り旅行へ切り替えたりする動きもみられています。

小売業では改善の兆しと厳しい状況が入り混じっています。スーパーでは米価格の低下によって関連商品の販売が伸びるなど、一部商品の需要回復が確認されました。セールの効果によってコンビニの買上点数も回復傾向を示しています。しかし、生活必需品を中心とした物価高が家計を圧迫しており、節約志向は依然として強い状態です。価格上昇の影響から買物回数を減らし、週末にまとめ買いを行う家庭も増えており、消費全体の力強い回復には至っていません。

衣料品販売では外出用衣料ほど節約志向の影響を受けやすくなっており、話題性のある商品がなければ売上が伸びにくい状況が続いています。自動車販売でも新型車発売による需要増加がみられる一方、車両価格の高止まりから購入を慎重に判断する消費者が増えており、新車・中古車ともに販売環境は決して楽観できる状況ではありません。

住宅関連ではさらに厳しい声が聞かれました。建築資材価格の高止まりや住宅ローン金利の上昇を背景に、住宅購入を控える動きが続いています。住宅販売会社からは一般住宅の販売が非常に厳しい状況にあるとの意見もあり、今後は工務店の経営環境にも影響が及ぶ可能性が懸念されています。

企業活動では建設業や物流業が比較的好調を維持しています。建設業では前年度からの繰越工事に加え、新年度受注案件も本格的に稼働していることから、前年を上回るペースで工事が進んでいます。建設機械リース業でも公共投資や民間設備投資が堅調に推移しており、高い需要が続いています。ただし、資機材価格の上昇や人手不足は今後の課題として認識されています。

物流分野では乳製品や飲料容器、紙製品などの輸送量が増加しており、倉庫利用も引き続き高い水準を維持しています。広告業界でも売上は順調に推移しており、企業の販促活動は一定の活発さを保っています。一方で製造業では住宅着工件数の減少や販売数量の低下が続き、価格改定によって売上を維持しているものの、販売数量そのものは減少傾向との声も聞かれています。

企業経営では中東情勢や円安、資材価格の高騰が引き続き大きなリスクとなっています。建設資材や原材料の調達遅れ、価格上昇が利益を圧迫し、企業によっては設備投資や事業計画の見直しを迫られるケースも出ています。それでも補助金を活用しながら前向きな設備投資を進める企業もあり、企業間で対応力の差が徐々に広がっている様子もうかがえます。

雇用情勢では、人材確保の難しさが引き続き企業共通の課題となっています。人材派遣会社からは、3か月前と比較して求人数が約2割減少した一方で、企業側からは優秀な人材を確保したいという声は依然として強く、人材需要そのものは衰えていないとの見方が示されました。しかし、人材紹介会社からの提案内容や企業との条件が一致しないケースが増えており、求人企業、人材会社、求職者の間でミスマッチが目立つ状況となっています。

別の人材派遣会社では求人数は増加しているものの、求職者数は時期的な影響もあり減少しているとの声もありました。また、求人時給がやや低下する傾向もみられ、採用市場全体が力強く改善しているとは言い切れない状況です。求人情報誌を扱う事業者からは求人件数が減少傾向にある一方、企業説明会や合同就職イベントなど対面で企業を知る機会への関心が高まり、リアルイベントへの参加企業と求職者が増加していることも報告されています。

職業安定機関では、5月の新規求職申込件数が前年同期比5.5%減となる一方、月間有効求職者数は前年同期比0.8%増となりました。また、新規求人数は前年を下回る状況が続いていますが、減少幅には月ごとの変動があり、直ちに景気悪化だけが要因とは判断できないとしています。有効求人倍率はやや弱含みとなっているものの、大学の就職担当者からは新卒採用への企業意欲は依然として高く、人手不足を背景に採用予定人数を維持または拡大する企業が多いとの声も寄せられています。その一方で、採用人数よりも採用の質を重視する企業が増えており、企業はより自社に適した人材の確保へと採用戦略を転換しつつあります。

北海道経済は観光需要や公共投資が地域経済を支える一方で、物価高や資材価格の上昇、人手不足などの課題が幅広い業種へ影響を及ぼしています。採用市場でも求人数や有効求人倍率に変化がみられるものの、人材確保への意欲は依然として高く、企業は採用手法や人材定着策の見直しを進める必要性が高まっています。今後は夏の観光需要や企業活動の動向に加え、物価や国際情勢の変化が北海道経済と雇用環境にどのような影響を与えるのかが注目されます。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム