2026年4月15日
労務・人事ニュース
技能者不足が深刻化する中で2026年に新指針、労務費確保を目的とした見積書改革
労務費等を内訳明示した見積書で、新たな商習慣の定着へ! ~「建設工事の見積書様式例 徹底 書き方ガイド(運用編)」を公表~
国土交通省は2026年3月26日、建設工事における見積書の透明性向上と適正な価格交渉の促進を目的に、「建設工事の見積書様式例 徹底書き方ガイド(運用編)」を公表した。労務費などの内訳を明示した見積書の普及を進め、新たな商習慣の定着を図る狙いがある。
今回のガイドは、実際の見積書作成や価格交渉を想定したモデル事業の結果を踏まえ、現場で明らかになった課題や対応策を整理したものとなっている。実務に即した内容として、見積書作成時に直面しやすい疑問点や課題について、具体的に理解できるよう工夫された構成となっている。
建設業界では、技能者の高齢化や若年層の入職者減少が続いており、将来にわたる担い手確保が大きな課題となっている。一方で、工事契約の多くが総価一式で行われる慣行の中で、労務費の内訳が見えにくく、適正な賃金が下請事業者まで十分に行き渡らない状況も指摘されてきた。
こうした課題に対応するため、2025年12月に改正された建設業法に基づき、労務費の確保を目的とした基準が整備された。この基準では、建設事業者に対して労務費や材料費、法定福利費、安全衛生経費などの内訳を明示した見積書の作成が求められている。また、発注者側にも見積書の内容を十分に考慮し尊重する姿勢が求められている。
今回の「書き方ガイド(運用編)」は、従来の様式例や基本的なガイドに加え、実務上の運用面に焦点を当てた点が特徴となっている。モデル事業を通じて把握された課題や現場の意見を反映し、より実践的に活用できる内容へと発展させたものとなっている。
これにより、専門工事業者をはじめとする事業者が適切に見積書を作成し、価格交渉を円滑に進めるための基盤整備が進むことが期待されている。見積書の透明性を高めることは、技能者の適正な処遇確保にもつながる重要な取り組みと位置付けられている。
今回の公表を通じて、建設業界全体における取引の適正化と持続可能な人材確保に向けた動きがさらに加速する見通しとなっている。今後は、関係資料とあわせた活用を通じて、新たな商習慣の定着が進むかが注目される。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


