2026年5月21日
労務・人事ニュース
群馬県2026年3月有効求人倍率1.23倍と求人減少局面で進める採用改革
- 「週4日以下」非常勤・病院・クリニックの看護師/シフト
最終更新: 2026年5月21日 01:04
- 「土日祝休み」訪問看護業務および付帯する業務
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- 注目の在宅医療未経験者も歓迎しております/残業なし
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- 訪問看護ステーションでの訪問看護師業務/シフト
最終更新: 2026年5月21日 01:04
有効求人倍率1.23倍で進めたい群馬県企業の定着重視採用戦略
2026年3月の群馬県の有効求人倍率は1.23倍となり、前月の1.24倍から0.01ポイント低下し、3か月連続の減少となった。全国順位は15位で、全国平均1.18倍を上回る水準を維持しているものの、求人市場にはこれまでとは異なる変化が見え始めている。 求人が求職を上回る状況は続いているが、求人側の勢いにはやや鈍化が見られ、採用環境は単純な人手不足局面ではなく、企業の採用戦略が問われる局面へと移行していると考えられる。
有効求人数は33,283人で前年同月比6.5%減となり、37か月連続で前年を下回った。一方、有効求職者数は26,189人で前年同月比横ばいとなっている。求人数が減少している一方で求職者数が大きく減っていないことは、採用市場における競争構造に変化が生じていることを示す。企業側が「人がいない」と考えるだけでは十分ではなく、「求職者に選ばれる企業になれているか」を問い直す局面に入っている。
特に中小企業の採用担当者が重視すべきなのは、有効求人倍率1.23倍という数字を採用難の象徴ではなく、採用手法を見直す判断材料として見ることだ。この倍率は、求職者1人に対して1件を超える求人が存在する状態であり、依然として売り手市場の要素を持つ。しかし、過熱した売り手市場とは異なり、工夫次第で採用成果に差が生まれやすい市場でもある。このような局面では、条件面だけでなく採用設計そのものの質が成果を左右する。
新規求人倍率は1.99倍で前月1.76倍から上昇した。新規求人数は11,587人で前年同月比2.1%減となり9か月連続で減少しているが、前月比では14.3%増となった。これは企業の採用意欲が完全に失速しているわけではなく、慎重な採用継続の動きがあることを示している。中小企業にとって重要なのは、このような局面では応募を待つ採用ではなく、積極的に候補者へ働きかける採用に切り替える必要があるという点だ。
正社員有効求人倍率は1.05倍となり前年同月の1.13倍を下回った。この数字は正社員採用の需給が徐々に均衡方向へ近づいていることを意味するが、決して採用が容易になったわけではない。むしろ条件競争だけで人材を獲得する手法が限界に近づきつつあり、中小企業ほど独自性ある採用戦略が必要になっている。
業種別に見ると特徴はより明確だ。製造業は1,912人で前年同月比10.5%増、医療・福祉は2,951人で6.3%増となった一方、卸売・小売業は29.0%減、情報通信業は41.7%減、サービス業は12.9%減となっている。業界ごとの採用難易度が異なる中で、採用担当者は自社業界の市況だけでなく競合業界の動きも見る必要がある。特に製造業の求人増は群馬県らしい特徴でもあり、地域内での人材獲得競争は今後さらに強まる可能性が高い。
ここで中小企業の採用担当者が持つべき独自視点は、有効求人倍率が高い時ほど「採用活動」と「採用広報」を分けて考えないことだ。従来は求人票を出せば応募が来る発想でも一定成果が出たが、今は企業理解を促進する情報発信まで含めて採用活動と捉える必要がある。仕事内容、育成環境、働き方、社員の定着状況、地域での役割まで伝えられる企業ほど選ばれやすい。
特に群馬県のように製造業比率が高い地域では、給与だけで差別化する採用は難しい。そこで重要になるのが育成前提採用の考え方である。即戦力偏重では応募母集団が縮小しやすく、採用難が深刻化しやすい。未経験人材やポテンシャル採用を広げることは、中小企業にとって有効な打ち手となる。教育制度が弱いから難しいと考えるのではなく、教育制度を採用競争力に変える発想が重要になる。
さらに就職件数は1,875件で前年同月比2.0%増となっている点も見逃せない。求人は減っていても就職件数が増えていることは、マッチングの質が高まっている兆候とも読める。これは採用担当者にとって、応募数を追うだけでなくマッチング精度を高める採用へ転換する重要性を示している。採用成功とは人数確保だけではなく、定着し戦力化する人材を採ることにある。
中小企業にとって今後重要になるのは、求人倍率の変化を見ながら採用チャネルを多様化することだ。ハローワーク、求人媒体だけに依存するのではなく、社員紹介、地域ネットワーク、学校連携、SNS採用など接点を広げる必要がある。特に地方企業は都市部企業より認知で不利になりやすいが、地域密着性や働き方の柔軟さを魅力として打ち出しやすい強みもある。
採用活動を進めるうえで、2026年3月時点の有効求人倍率1.23倍は「待ちの採用から攻めの採用へ移るべき水準」と見ることができる。倍率が極端に高い局面では条件競争が過熱しやすいが、今は戦略次第で成果差が出やすい。だからこそ採用担当者の企画力が重要になる。
もう1つ注目すべきは、新規求職者数が6,147人で前年同月比7.0%増となっている点だ。人材流動性が高まっていることは、中途採用市場に新たな可能性があることを意味する。転職希望者が動く市場では、採用スピードが成果を左右しやすい。応募から面接、内定提示までの時間を短縮できる企業ほど競争優位を持ちやすい。中小企業は意思決定の速さを強みにできるため、この点は大きな武器になる。
また29人以下の小規模事業所も地域雇用の担い手として存在感が高く、知名度より職場の魅力が採用成果を左右しやすい。中小企業は大企業と同じ土俵で戦う必要はない。裁量ある仕事、経営者との距離の近さ、地域への貢献実感など、大企業では打ち出しにくい価値を採用競争力へ変えるべきだ。
今後の採用では、求人倍率を見ながら人材確保だけでなく定着設計も同時に考える必要がある。採用難の本質は採れないことだけではなく、採っても定着しないことにある。だからこそ採用担当者は、入社前の訴求と入社後の活躍支援を一体で考える必要がある。これは特に人員余力が限られる中小企業ほど重要になる。
群馬県の2026年3月有効求人倍率1.23倍という数字は、決して悲観材料ではない。むしろ採用を経営課題として再設計する好機と捉えることができる。求人減少局面でも選ばれる企業は採用できている。その差は条件ではなく、採用の考え方にある。採用担当者が統計を読む力を持ち、自社に合う採用戦略へ落とし込めるかどうかが、今後の人材確保を左右していく。
特に2026年は、求人市場の変化に対応できる企業と従来型採用に留まる企業で差が開きやすい年になる可能性がある。有効求人倍率1.23倍、新規求人倍率1.99倍、正社員有効求人倍率1.05倍という数字は、それぞれ採用市場の異なる側面を示している。これらを単なる統計として見るのではなく、自社採用戦略を考える経営データとして活用することが、中小企業の採用担当者に求められている。
⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ


