2026年6月11日
労務・人事ニュース
2034年度までに化石エネルギー11.8%削減へ、家庭用給湯器の新制度を2026年5月公表
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家庭用給湯器の省エネ・非化石エネルギー転換に向けた新しい制度に関する報告書を取りまとめました(経産省)
経済産業省は2026年5月22日、家庭用給湯器の省エネ化と非化石エネルギーへの転換を進める新たな制度に関する報告書を取りまとめました。資源エネルギー庁では、2034年度までに家庭用給湯器の化石エネルギー消費量削減を進めるため、製造事業者が自ら目標を設定し、公表した上で達成を目指す新制度を導入します。
今回の制度は、家庭用給湯器を対象に、エネルギー種を横断して化石エネルギー消費量を削減することを目的としています。製造事業者などが自社の実情に応じた目標基準値を設定し、国が示す目安を踏まえながら、省エネ性能向上や高効率給湯器の普及を進める仕組みです。
報告書では、2034年度を目標年度として、高効率給湯器の導入拡大を想定しています。対象となる高効率給湯器には、ヒートポンプ給湯器や家庭用燃料電池、ハイブリッド給湯器などが含まれています。また、高効率給湯器に次いで、潜熱回収型ガス給湯器の普及も進める方針です。
今回示された想定では、2034年度における高効率給湯器の国内導入割合は39.3%となり、2023年度実績の22%から大幅に増加する見通しです。さらに、潜熱回収型給湯器についても、2023年度の29%から42.5%へ上昇することを想定しています。
一方で、従来型などその他給湯器の割合は、2023年度の49%から18.1%まで低下する見込みとなっています。給湯器全体の構成を高効率型へ転換することで、家庭部門におけるエネルギー消費削減を進める狙いがあります。
こうした導入割合を前提に化石エネルギー消費量を算出した場合、2034年度には2023年度実績と比較して約11.8%の削減効果を見込んでいます。定量目安としては、1台・1人当たりの化石エネルギー消費量を5,605MJと設定しました。
制度の対象となるのは、ガスや電気を使用する家庭用給湯器です。ただし、石油給湯器や暖房専用機器、業務用給湯器などは対象外とされています。
化石エネルギー消費量の算出では、年間のガス消費量や電力消費量をもとに算定します。ガス消費量には0.99の化石エネルギー係数を、電力消費量には0.41の係数と火力平均係数9.40MJ/kWhを用いて計算する仕組みとなっています。
また、国は高効率給湯器の導入が適している住宅環境についても整理しました。高効率給湯器の性能が十分に発揮できる地域特性や、設置スペースを確保しやすい戸建住宅、新築集合住宅などが対象として想定されています。
さらに、潜熱回収型ガス給湯器についても、住宅条件などによって導入制約が少ない環境では、高効率型または同等水準以上の給湯器出荷を求める方針です。
製造事業者などは、2034年度へ向けた給湯器出荷に関する取組方針を策定し、2027年度末までに公表する必要があります。また、自社の目標基準値についても同時期までに策定・公表し、2034年度以降は継続的な達成を目指すことになります。
国は、事業者が設定した目標基準値に対し、目標年度の実績値が達成しているかを判定します。取組方針や目標基準値が適切でない場合や、目標未達となった場合には、省エネ性能向上を求める勧告などを行う可能性もあるとしています。
表示制度についても検討が進められています。消費者にとって分かりやすい表現や、誤解を招かない補足説明の必要性を踏まえながら、化石エネルギー消費量をベースとした表示内容を検討していく方針です。制度の見直しについては2031年度末までに整理するとしています。
また、高効率給湯器の普及には、製造事業者だけでなく、流通事業者や販売事業者の協力も重要になるとしています。最終消費者がより効率的な給湯器を選択しやすくするため、流通段階で必要となる取組についても今後検討を進める考えです。
家庭部門の省エネ化は、脱炭素社会実現に向けた重要課題の1つとなっています。今回の制度によって、高効率給湯器への転換が進み、家庭でのエネルギー消費削減や非化石エネルギー活用拡大につながるかが注目されます。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


