2026年6月16日
労務・人事ニュース
2026年5月発表、日本語指導が必要な児童生徒が84,759人に急増し全国12,668校で受け入れが進む教育現場
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「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和7年度)」の結果について(文科省)
文部科学省は2026年5月25日、2025年度に実施した「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」の結果を公表しました。今回の調査では、公立学校に加えて国立学校や私立学校も新たに対象に含まれており、日本語指導を必要とする子どもたちの実態がより広い範囲で明らかになっています。
調査によると、公立学校で日本語指導が必要とされた児童生徒は84,759人となり、前回調査から15,636人増加しました。増加率は22.6%に達しており、学校現場における支援体制の整備が一段と重要になっています。外国籍の児童生徒は73,313人で、前回から15,595人増えました。一方、日本国籍を持ちながら日本語指導を必要とする児童生徒は11,446人で、前回より41人増加しています。国立学校と私立学校を含めた総数は88,045人となりました。
日本語指導が必要な児童生徒が在籍する公立学校は12,668校にのぼり、全公立学校の39.4%を占めています。前回調査では11,123校だったことから、1,545校増えた計算です。さらに、5人以上が在籍する学校は4,329校、100人以上が在籍する学校は28校となり、日本語指導を必要とする児童生徒が特定地域や一部学校だけでなく、全国的に広がっている状況がうかがえます。
外国籍の児童生徒を言語別に見ると、中国語が24.3%で最も多く、次いでポルトガル語が16.3%となりました。国立学校や私立学校を含めた場合でも、中国語が25.2%、ポルトガル語が15.7%と高い割合を占めています。また、日本国籍の児童生徒では、日本語を家庭内言語としていないケースなどを背景に、日本語が27.7%、英語が18.4%という結果になりました。学校現場では、多様な言語環境に応じた支援が求められています。
学校で特別な配慮に基づく日本語指導を受けている児童生徒は75,060人で、全体の88.6%を占めました。一方で、9,699人は必要性があるにもかかわらず十分な指導を受けていない状況となっています。前回調査より2,630人増加しており、支援を必要とする子どもたちへの対応が追いついていない課題も浮き彫りになりました。
義務教育段階では、「特別の教育課程」による日本語指導を受けている児童生徒が52,725人となり、前回調査から8,416人増加しました。割合は76.4%となっています。高等学校段階でも制度導入後の活用が進み、947人が特別の教育課程による指導を受けていました。前回は245人だったことから、702人増加しています。高等学校で制度を導入する学校も103校に拡大しており、前回から57校増えました。
進路状況では、日本語指導が必要な中学生などの高校進学率は91.5%となり、前回の90.3%を上回りました。しかし、全中学生の進学率98.9%と比較すると依然として差があります。さらに、日本語指導が必要な高校生などの大学進学率は41.2%にとどまり、全高校生の75.0%を大きく下回りました。進学も就職もしていない割合は13.0%となっており、教育機会や就労支援の課題も残されています。
就職状況では、就職者のうち非正規雇用となった割合が49.6%に達しました。全高校生等の6.5%と比べて大きな差があり、日本語能力や進路支援の不足が将来の雇用形態にも影響を与えている可能性があります。また、中退率は6.4%で、前回の7.7%から改善したものの、継続的な支援体制の強化が必要な状況です。
支援体制では、日本語指導補助者が8,706人となり、前回より869人増加しました。母語支援員も7,301人となり、1,035人増えています。母語支援員は、児童生徒本人への支援だけでなく、保護者への説明や文書翻訳なども担っており、多文化共生を支える重要な役割を果たしています。
ICTの活用も広がっています。学校での日本語指導にICT端末などを活用している地方公共団体は758となり、前回から101増加しました。割合では66.0%に達しています。また、現在は活用していないものの、具体的な導入方法を検討している自治体も88あり、前回から32増えました。教育現場では、翻訳機能やオンライン教材などを活用しながら、多様な学習支援を進める動きが加速しています。
文部科学省は今後も定期的に調査を行い、実態把握を進める方針です。また、「帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」などを通じて、自治体による教育支援の取り組みを後押しするとしています。さらに、各地方公共団体の事例を公表し、全国へ共有することで、支援体制の底上げにつなげたい考えです。
⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ


