2026年6月20日
労務・人事ニュース
令和7年度の住宅宿泊管理業者立入検査で44業者を調査、35業者に是正指導を実施し全社で改善を確認
住宅宿泊管理業者への全国立入検査結果(令和7年度) について ~法令遵守の徹底に向けて実施した立入検査の結果を公表します~(国交省)
国土交通省は5月29日、令和7年度に実施した住宅宿泊管理業者への全国立入検査の結果を公表しました。住宅宿泊事業法に基づく適正な業務運営を確保するため実施されたもので、全国44業者を対象に検査を行った結果、35業者に対して是正指導が行われました。なお、是正指導を受けた全35業者については、その後に是正などの対応が完了したことが確認されています。
住宅宿泊事業法は2018年6月に施行され、住宅を活用した宿泊サービスの適正な運営を目的としています。2026年3月時点における住宅宿泊管理業者の登録数は4,095業者となっており、住宅宿泊事業を支える重要な役割を担っています。こうした中、法令を遵守し適切な管理業務を行うことが求められており、国土交通省は住宅宿泊管理業の適正化を推進するため、2023年度から全国立入検査を実施しています。
令和7年度の検査では、各地方整備局などが住宅宿泊管理業者の事務所へ立ち入り、法令の遵守状況を確認しました。検査対象となった44業者は前年度の39業者を上回っており、法令違反が認められた35業者に対して是正指導が実施されています。前年度の是正指導対象は32業者だったことから、指導件数は増加しました。
是正指導の内容を見ると、最も多かったのは「帳簿の備付け等義務違反」で18件でした。続いて「証明書の携帯等義務違反」と「住宅宿泊事業者への定期報告義務違反」がそれぞれ16件、「管理受託契約の締結前の書面交付義務違反」と「標識の掲示義務違反」がそれぞれ14件となっています。住宅宿泊事業の適正な運営に必要な基本的な手続きや管理体制に関する違反が多く確認されました。
さらに、「管理受託契約の締結時の書面交付義務違反」は11件、「変更の届出等義務違反」は8件、「住宅宿泊管理業務の実施義務違反」は6件となりました。また、「再委託の禁止」に関する違反は2件、「周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明」に関する違反も2件確認されています。
前年度との比較では、一部の項目で改善がみられた一方、新たに確認された違反もありました。例えば、「再委託の禁止」や「周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関する説明」に関する違反は前年度には確認されていませんでしたが、令和7年度はそれぞれ2件発生しています。住宅宿泊管理業務が多様化する中で、法令遵守の重要性が改めて浮き彫りとなった形です。
国土交通省は、違反が確認された事業者に対して是正指導を行い、すべての対象業者で改善が行われたことを確認しています。一方で、今後も立入検査を継続し、住宅宿泊管理業者全体に対して法令遵守の徹底を求めていく方針です。違反が確認された場合には、法令に基づき厳正かつ適正に対応するとしています。
また、2026年1月に決定された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を踏まえ、今後は管理が適切に行われていない民泊への対応を重点化する考えも示されました。騒音の発生やルールを守らないごみ出しなど、宿泊者による迷惑行為が発生した場合に、事業者が迅速かつ適切に対応できているかが重要な確認項目となります。
特に、周辺地域の生活環境への悪影響を防止するために必要な事項の説明や、近隣住民から寄せられる苦情への対応については、今後重点的に指導が行われる予定です。地域との共生を図りながら住宅宿泊事業を適正に運営していくため、管理業者にはより高い法令遵守意識と管理体制の整備が求められています。
今回の立入検査結果は、住宅宿泊管理業界における法令遵守の現状と課題を示す内容となりました。登録業者数が4,095業者に達する中、利用者の利便性と地域住民の生活環境の両立を図るためにも、適正な管理体制の確保と継続的な監督の重要性が今後さらに高まりそうです。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


