2026年6月22日
労務・人事ニュース
2026年4月石川県の有効求人倍率1.42倍で見る地域別採用難易度
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最終更新: 2026年6月22日 04:14
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最終更新: 2026年6月22日 01:01
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最終更新: 2026年6月22日 07:06
- 6月開始/商業施設・工場・ビルなどの空調設備や電気設備に伴う設計から施工管理全般のお仕事/即日勤務可/賞与あり/工事・土木施工管理
最終更新: 2026年6月22日 07:06
2026年4月石川県の有効求人倍率1.42倍と新規求人倍率2.53倍を解説
石川労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の雇用統計によると、石川県の有効求人倍率は季節調整値で1.42倍となり、前月から0.01ポイント低下した。これで3か月連続の低下となったものの、依然として求人が求職を上回る状況は続いている。石川県内の雇用情勢については「求人が求職を上回って推移しているものの、求人の動きの一部に注意を要する状態」と判断されており、企業の採用活動においても単純な人手不足という見方だけではなく、業界ごとの動向や求職者の変化を丁寧に分析することが重要な局面を迎えている。
今回発表されたデータでは、有効求人数は25,178人となり前月比1.6%増加した。一方で有効求職者数は17,683人となり前月比1.8%増加している。求人も求職も増加したが、求職者の増加率がやや上回ったため、有効求人倍率は低下した。数字だけを見ると採用市場が緩和に向かっているようにも見えるが、前年同月との比較では異なる実態が見えてくる。
原数値でみた有効求人数は25,186人で前年同月比8.5%減少した。一方、有効求職者数は18,983人で前年同月比5.5%増加している。企業側の採用需要は前年より縮小している一方で、求職活動を行う人は増加している状況だ。この結果、有効求人倍率は前年同月の1.53倍から1.33倍へと0.20ポイント低下した。全国的に人材不足が話題となる中で、石川県では求人の勢いにやや陰りが見え始めていることが分かる。
新規求人の動向を見ると、さらに特徴が明確になる。2026年4月の新規求人数は8,895人となり、前年同月比7.2%減少した。新規求職者数は5,020人で前年同月比1.3%減少している。新規求人倍率は2.53倍となり前月より0.15ポイント上昇したが、これは求人数が大幅に増加したためではなく、新規求職者数の変動も影響している。企業側としては依然として採用意欲を持ちながらも、景気動向や事業環境の変化を慎重に見極めながら採用活動を進めている状況がうかがえる。
業種別に新規求人の状況を見ると、業界ごとの温度差は非常に大きい。建設業は1,056人で前年同月比4.1%増加した。製造業も1,130人で前年同月比7.6%増加している。能登半島地震からの復旧・復興需要や各種インフラ整備の継続により、建設関連の人材需要は引き続き高い水準を維持している。また製造業についても、生産活動を支える技術人材や現場人材の確保に向けた動きが続いている。
一方で減少幅が大きかったのは卸売業・小売業で、前年同月比15.7%減の1,570人となった。医療・福祉も14.4%減の1,649人、運輸業・郵便業は20.2%減の520人、宿泊業・飲食サービス業は11.3%減の644人となっている。これらの業種は人手不足が続いている業界として知られるが、求人件数自体は前年より減少している。これは採用を諦めたという意味ではなく、人件費上昇や経営環境の変化によって採用計画を見直している企業も少なくないためと考えられる。
正社員市場にも変化が見られる。2026年4月の正社員有効求人倍率は1.26倍となり、前年同月より0.10ポイント低下した。正社員有効求人数は13,362人で前年同月比4.3%減少した一方、正社員有効求職者数は10,599人で前年同月比3.3%増加している。これまで企業優位だった正社員採用市場にも徐々に変化が現れ始めている。
しかし中小企業の採用担当者がここで誤解してはならないのは、「求人倍率が下がったから採用しやすくなった」と単純に判断してはいけないという点である。実際に職業別の有効求人倍率を見ると、人材不足が深刻な職種は依然として数多く存在する。
例えば建設・採掘従事者の有効求人倍率は5.31倍となっている。土木作業従事者は6.65倍、建設躯体工事従事者は9.20倍という極めて高い水準で推移している。専門的・技術的職業従事者全体でも1.88倍となっており、建築・土木・測量技術者は7.91倍となった。企業が必要とする専門人材については依然として売り手市場が続いている。
運輸分野でも自動車運転従事者の有効求人倍率は2.31倍となっている。保安職業従事者は4.62倍、介護関係職業は3.18倍で推移しており、社会インフラや生活基盤を支える職種の人材不足は解消されていない。
反対に事務職は状況が異なる。一般事務従事者の有効求人倍率は0.42倍となっており、求職者数が求人を大きく上回っている。企業の採用担当者は、自社の募集職種がどのカテゴリーに属しているのかを把握した上で採用戦略を組み立てる必要がある。
中小企業の採用担当者が今後重視すべきポイントは、自社が求職者から選ばれる理由を明確に伝えることである。石川県の有効求人倍率は低下しているものの、専門職や技術職では依然として高倍率が続いている。そのため給与条件だけでなく、働きやすさや教育制度、キャリア形成支援、福利厚生、地域貢献活動など、多面的な魅力を発信する必要がある。
特に近年の求職者は応募前に企業ホームページや採用サイト、SNSを確認する傾向が強まっている。求人票だけでは伝わらない企業文化や職場環境、社員の働き方を発信している企業は応募率が高まる傾向がある。中小企業の場合、大企業ほど知名度が高くないため、採用広報そのものが重要な競争力となる。
また新規求職者の内訳を見ると、在職者は912人で前年同月比8.8%減少している。転職を考える人が減少していることから、企業間で経験者人材を奪い合う状況は今後も続く可能性が高い。採用活動を経験者中心で考えるだけでは十分な人材確保が難しくなるため、未経験者採用や育成型採用の強化も重要になる。
年齢別では50代後半から60代前半の求職者も一定数存在している。少子高齢化が進む中で、シニア人材の活用は中小企業にとって有効な選択肢の1つとなる。経験や技能を持つ人材を柔軟な働き方で受け入れることで、人材不足の解消につながる可能性がある。
地域別に見ると、輪島公共職業安定所管内の有効求人倍率は1.36倍となり前年同月より0.15ポイント上昇した。一方で金沢は1.31倍、白山は1.78倍、小松は1.02倍、加賀は1.44倍、七尾は1.11倍となっている。同じ石川県内でも地域によって採用環境には大きな差があるため、地域特性を踏まえた採用活動も重要である。
今後の採用活動では、求人倍率だけを見るのではなく、業種別、職種別、地域別のデータを組み合わせながら採用戦略を構築することが求められる。求人が減少傾向にある今だからこそ、採用活動の質が企業間の差を生み出す時代になっている。応募者を待つ採用ではなく、自社の魅力を積極的に伝え、入社後の成長環境まで示す採用へ転換できる企業が、今後の人材獲得競争で優位に立つ可能性が高い。石川県の2026年4月有効求人倍率1.42倍という数字は、単なる雇用統計ではなく、中小企業が採用活動を見直すための重要な経営指標として捉えるべきデータといえるだろう。
⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ


