2026年6月24日
労務・人事ニュース
2026年4月愛媛県の有効求人倍率1.41倍で中小企業が見直すべき採用活動
- 訪問看護ステーションでの訪問看護師業務/シフト
最終更新: 2026年7月13日 09:36
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最終更新: 2026年7月13日 16:40
- カンタン軽作業 高時給1350円 天井パネル検査業務
最終更新: 2026年7月13日 16:40
- 美容部員/社員募集/7月13日更新
最終更新: 2026年7月13日 05:35
2026年4月愛媛県の有効求人倍率1.41倍と新規求人10318人の動向
愛媛労働局が公表した2026年4月の雇用情勢によると、愛媛県の有効求人倍率は季節調整値で1.41倍となり、前月と同水準を維持した。全国平均の1.18倍を大きく上回る状況が続いており、県内企業が人材確保に苦戦する構図は依然として変わっていない。一方で、労働局は「求人が求職を上回って推移しているものの、求人の動きにやや弱さがみられる」と判断しており、単純な人手不足だけではなく、企業を取り巻く経済環境や採用市場の変化にも目を向ける必要がある状況となっている。
今回発表されたデータを見ると、有効求人数は28,620人で前月比0.5%増加した一方、有効求職者数は20,263人で前月比0.1%増加した。有効求人倍率は1.41倍となり、求職者1人に対して1.41件の求人が存在する計算になる。この数字は、企業が採用活動を行っても応募者が十分に集まりにくい環境が続いていることを示している。
中小企業の採用担当者が最初に理解すべきことは、有効求人倍率1.41倍という数字は単なる統計ではなく、採用戦略そのものを見直すべきサインだという点である。求職者より求人が多い状態では、企業側が選ぶ立場ではなく、求職者から選ばれる立場になる。そのため従来型の採用活動だけでは十分な成果を上げることが難しくなっている。
愛媛県の新規求人数は10,318人となり、前年同月比で1.7%減少した。2か月ぶりの減少となったが、依然として高い採用需要が続いていることに変わりはない。産業別に見ると、「医療・福祉」が3,100人で前年同月比10.1%増、「サービス業」が1,859人で7.1%増、「運輸業・郵便業」が579人で0.5%増となった。一方で、「宿泊業・飲食サービス業」は446人で21.6%減、「卸売業・小売業」は1,180人で14.7%減、「製造業」は1,208人で10.3%減、「建設業」は766人で1.7%減となっている。
特に医療・福祉分野の求人増加は、少子高齢化が進む地域社会の実情を反映している。介護職や看護職をはじめとした専門人材への需要は今後も高水準で推移する可能性が高い。またサービス業も増加しており、人との接点を持つ職種への需要が依然として強いことが分かる。
一方で製造業や小売業の求人減少は、人材不足が解消したことを意味するわけではない。物価上昇や原材料価格高騰、人件費増加などを背景に、企業が採用計画を慎重に見直している可能性も考えられる。特に地方の中小企業はコスト上昇の影響を受けやすく、採用人数の抑制や採用条件の再検討を進めるケースも少なくない。
新規求職者数は5,806人となり、前年同月比4.5%減少した。3か月ぶりの減少であり、仕事を探している人の数そのものが減少している。さらに有効求職者数は21,485人で前年同月比4.1%減少した。これは企業にとって採用対象となる人材プールが縮小していることを意味する。
注目すべきなのは求職者の内訳である。在職中に転職活動を行う在職者は前年同月比16.7%減少した一方で、無業者は7.6%増加した。事業主都合離職者も0.8%増加している。これらの数字からは、転職市場の活発さにやや落ち着きが見られる一方で、雇用環境の変化によって新たに仕事を探し始める人も一定数存在していることが読み取れる。
中小企業の採用担当者は、このような市場環境の変化を踏まえた採用活動を行う必要がある。まず重要なのは、求人票の内容を見直すことである。仕事内容や給与だけを記載する時代は終わりつつある。求職者は企業文化や職場環境、教育制度、キャリア形成支援、福利厚生、働き方改革への取り組みなども重視している。
特に有効求人倍率が1倍を大きく超える地域では、企業の魅力発信力が採用成果を左右する。求職者は複数の求人を比較できるため、自社の特徴や強みを明確に伝えなければ応募につながらない。地域密着型企業であれば地域貢献への取り組み、製造業であれば技術力や安定した受注基盤、サービス業であれば顧客との関係性や成長機会などを具体的に示すことが重要になる。
また、正社員有効求人倍率にも注目したい。愛媛県の正社員有効求人倍率は1.20倍となり、前年同月と同水準だった。これは正社員として働きたい求職者よりも正社員求人のほうが多い状態が続いていることを意味する。企業が長期的な戦力確保を重視している一方で、求職者も安定した雇用を求めている状況が続いている。
このような環境下で中小企業が採用競争に勝つためには、賃金だけに依存しない採用戦略が必要になる。もちろん給与水準は重要だが、大企業と同じ条件で競争することは現実的ではない。そのため教育体制や資格取得支援制度、柔軟な働き方、地域に根差した働き方など、中小企業ならではの魅力を打ち出す必要がある。
さらに、採用活動と定着支援を一体的に考えることも重要である。現在のような採用難の時代においては、新たな人材を採用するコストが年々高まっている。せっかく採用した人材が短期間で離職してしまえば、採用コストだけでなく教育コストも失われることになる。そのため入社後のフォロー体制や職場環境改善にも力を入れるべきである。
愛媛県では若年層の県外流出も課題となっている。労働局も発表の中で、少子高齢化や若年者の県外流出による労働力人口減少に言及している。これは企業にとって将来的な人材確保の難易度がさらに高まる可能性を示している。だからこそ新卒採用だけでなく、第二新卒やUターン人材、Iターン人材、シニア人材、女性人材など多様な人材層へ目を向けることが必要になる。
特にシニア人材の活用は今後重要性を増すだろう。高齢者の就業意欲は高まっており、経験や知識を持つ人材を戦力として活用できる可能性がある。また育児や介護を理由にフルタイム勤務が難しい人材についても、短時間勤務や柔軟な働き方を提供することで採用機会を広げることができる。
地域別に見ると、中予地域の有効求人倍率は1.40倍で前年同月を0.08ポイント上回った。一方で東予地域は1.28倍、南予地域は1.24倍となり、それぞれ前年同月を下回っている。これは地域によって採用環境に差が生じていることを示している。採用担当者は県全体の数字だけでなく、自社が所在する地域の動向も踏まえた採用計画を立てる必要がある。
また、デジタルを活用した採用活動も重要性を増している。求職者の情報収集方法は大きく変化しており、企業ホームページや採用サイト、SNSなどを通じて企業研究を行うことが一般的になっている。求人広告だけでなく、自社の魅力を継続的に発信する情報発信体制を整えることで応募者との接点を増やすことが可能になる。
愛媛県の雇用情勢は、求人が求職を上回る状況が続く一方で、求人の動きにはやや弱さも見られるという特徴を持っている。しかし有効求人倍率1.41倍という水準は依然として高く、人材確保競争が続いていることに変わりはない。中小企業の採用担当者は、応募を待つ採用から企業の魅力を積極的に発信する採用へと発想を転換することが求められる。働きやすい職場づくり、人材育成制度の整備、多様な人材の活用、そして企業価値の発信を組み合わせることで、厳しい採用市場の中でも安定した人材確保につなげることができるだろう。愛媛県の雇用データは、採用活動を単なる人員補充ではなく経営戦略の一環として捉える重要性を改めて示している。
⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ


