2026年7月24日
労務・人事ニュース
広告業界で2026年集中調査 71件の指導を実施 口頭発注や支払遅延など取適法違反事例を公表
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最終更新: 2026年7月23日 10:14
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最終更新: 2026年7月23日 10:14
広告業における取適法違反被疑事件の集中調査の結果を公表します(経産省)
2026年6月29日、政府は広告業における中小受託取引の実態について集中的な調査を実施した結果を公表しました。2026年2月以降、広告業者と広告制作業者との取引を対象に調査を進めた結果、取適法に違反、または違反するおそれがある行為が確認され、広告業者に対して71件の指導が行われました。あわせて、中小企業を対象とした聞き取り調査も実施され、取引現場の実態把握が進められています。
今回の調査は、中小受託事業者への代金支払いの遅延や不当な取引条件を防止するための取適法に基づき実施されました。制度の適正な運用を図るだけでなく、特定業界全体の取引環境を改善することを目的として、2025年以降は業種ごとの集中調査が行われています。今回は新聞広告や雑誌広告、テレビ広告、インターネット広告、交通広告、屋外広告の制作に加え、広告に付随するイベントの企画運営なども対象となりました。
調査では、広告業界に長年残る商慣習が原因となっている事例が数多く確認されました。特に目立ったのは、発注内容を書面や電子データで明示せず、口頭のみで発注していたケースです。本来は発注時に業務内容や条件を明確に示す義務がありますが、成果物の受領時などに後から発注内容を記載していた事例や、発注日をさかのぼって記録していたケースも確認されました。
また、広告制作では制作途中で修正や校正が繰り返されることが一般的ですが、追加の修正が発生する条件や費用負担について発注時に明示されていない事例も複数確認されています。さらに、制作過程で生じた知的財産権を広告業者へ譲渡または利用許諾することが前提となっているにもかかわらず、その内容を発注時に示していないケースも見つかりました。
代金の支払いについても改善が必要な事例が明らかになっています。給付を受領した日から60日を超える可能性がある支払制度を採用していたケースや、請求書の提出が遅れたことを理由に支払期限を過ぎても代金を支払っていなかった事例が確認されました。取適法では請求書の提出状況にかかわらず、受領日から60日以内に支払うことが求められており、制度の見直しが必要とされています。
広告制作の途中で発注内容が変更された場合の対応についても問題が確認されました。広告主や広告業者の都合による修正や校正を、広告制作業者の責任ではないにもかかわらず無償で何度も行わせていた事例があったほか、発注後に広告主や広告業者の都合で制作を取り消したにもかかわらず、それまでに制作側が負担した費用を支払っていなかったケースも確認されています。
さらに、広告制作業者に対して不当な経済的負担を求めていた事例も見つかりました。制作過程で発生した知的財産権を無償で譲渡させていたケースや、基本契約で知的財産権を無償譲渡する内容を定めていたケース、受注を競う企画提案で試作品を無償制作させていたケース、取引終了後も成果物を無償で保管させていたケースなどが確認されています。
2026年1月から禁止された支払手段についても違反事例がありました。代金を手形で支払っていた事例や、電子記録債権へ変更したものの、支払期日に代金相当額を現金化することが難しい条件のまま利用していたケースが確認されています。また、銀行振込時の手数料を広告制作業者へ負担させていた事例もあり、これらについても改善するよう指導が行われました。
今回の調査結果を受け、行政は発注時の書面による条件明示を徹底することや、修正・校正が発生する条件や費用負担を事前に取り決めること、知的財産権の取り扱いを明確にすること、適正な支払制度へ見直すことなどを求めています。また、広告業者だけではなく広告主も、発注後の仕様変更や制作中止によって追加費用が発生する可能性を十分に認識し、サプライチェーン全体で適正な取引環境を構築することが重要であるとしています。
今後も関係機関は事業を所管する行政機関と連携しながら、今回の調査結果の周知を進めるとともに、取適法に違反、または違反するおそれがある行為については迅速かつ厳正に対応する方針です。広告業界全体で商慣習を見直し、中小企業との公正な取引環境を整備していくことが期待されています。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


