労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和8年6月九州景気調査、大卒求人倍率1.62倍でも採用難が続く企業の最新採用市場を徹底解説

2026年8月1日

労務・人事ニュース

令和8年6月九州景気調査、大卒求人倍率1.62倍でも採用難が続く企業の最新採用市場を徹底解説

Sponsored by 求人ボックス
広告

景気ウォッチャー調査(令和8年6月調査)― 九州(現状)―(内閣府)

令和8年6月に実施された九州地域の景気ウォッチャー調査では、インバウンド需要や一部の個人消費、製造業を中心に持ち直しの動きがみられる一方で、物価高騰や中東情勢の影響による原材料不足、円安、人件費の上昇などが地域経済へ幅広く影響し、業種によって景況感に大きな差が生じる結果となりました。観光需要や設備投資に前向きな動きがある一方、日常消費では生活防衛意識が依然として強く、企業はコスト増加への対応と売上確保の両立を求められる状況が続いています。

百貨店では回復基調が鮮明になっています。夏のボーナス時期を迎え、自分へのご褒美需要がみられるほか、国内消費とインバウンド需要の双方が3か月前より拡大し、高級ブランドだけでなく幅広いカテゴリーで販売量が増加しました。売上は3月の前年同月比95.5%から4月97.5%、5月104.9%へ改善し、6月も100.8%と前年を上回る水準で推移しています。時計や生鮮食品、催事関連商品の販売は堅調ですが、衣料品や化粧品では物価高の影響から苦戦する店舗もみられています。

商店街では地域によって状況が分かれています。売上や来街者数が前年を上回る地域がある一方、再開発工事の影響で集客イベントを実施できず、活性化に時間を要している商店街もあります。また、ゴールデンウィーク以降は売上が落ち込み、生活必需品の価格上昇によって衣料品などへの支出を控える消費者が増えています。物価高騰が続くなか、来店頻度や購入点数の減少が目立ち、日常消費には依然として慎重な姿勢が続いています。

スーパーやコンビニでも節約志向の影響が色濃く表れています。スーパーでは来店頻度に大きな変化はないものの、価格に敏感な高齢者を中心に割安商品の需要が高まっています。物価対策として実施されたプレミアム付商品券は一定の効果を上げたものの、食料品価格の上昇が続くなか、来客数や買上点数は前年を下回る店舗も少なくありません。コンビニでは来客数の減少を客単価の上昇で補ってきましたが、最近では来客数の減少幅が拡大し、売上も前年を下回る店舗が増えています。特に手巻きおにぎりは商品価格が以前の約2倍近くまで上昇したこともあり、買い控えが目立っています。

家電販売では省エネ基準改定前の特需が一巡した影響が現れています。5月はエアコン需要が販売を押し上げましたが、6月はその反動に加え、前年より気温が低かったことも重なり、来客数は約2割減少した店舗もありました。テレビや白物家電を含め全体的な販売は伸び悩んでおり、今後も気候や消費動向が販売実績を左右する状況が続きそうです。

自動車販売では明るい材料もあります。注文停止となっていた車種の受注再開によって来店客数が増加し、新型車販売は堅調に推移しています。一方で、販売店によっては受注台数が前月に続いて大きく減少しているケースもあり、市場全体では回復にばらつきがみられます。住宅関連では大手メーカーによる価格改定前の駆け込み需要が発生したものの、建築資材や住宅設備価格の上昇が続き、住宅購入を慎重に判断する消費者も増えています。

観光業界ではインバウンド需要が下支えしています。観光旅館では海外からの旅行者が増加している一方、国内旅行者は減少しており、宿泊客数全体では前年並みにとどまっています。都市型ホテルではイベント開催数の減少もあり販売量が低下しているほか、旅行会社では国内バスツアーが苦戦しています。タクシー業界では昼間の利用は堅調ですが、夜間の利用は会社帰りの飲食需要減少などを背景に伸び悩み、天候不順も利用減少の要因となっています。

企業活動では製造業に回復の兆しがみられます。電気機械器具製造業では主要取引先からの受注が3か月前と比較して増加しており、半導体関連分野でも引き合いは引き続き堅調です。また、産業廃棄物処理業では設備投資やライン増設の動きが確認されるなど、企業の投資意欲にも改善の兆しがみられています。広告業界でも国や自治体による補助金の効果が受注増加につながっているとの声が聞かれています。

その一方で、多くの企業は原材料価格や物流コストの上昇に苦しんでいます。農林水産業では販売は比較的順調に推移しているものの、生産現場では資材価格の高騰が経営を圧迫しています。一般機械器具製造業では半導体関連は活況である一方、それ以外の分野では改善が進まず、プラスチック部品などの調達難も続いています。輸送業では輸出関連貨物の低迷に加え、国内物流量も減少しており、荷主企業も物価高や人件費上昇への対応に追われています。

金融機関からは、中東情勢の長期化や石油由来製品の供給不足が企業経営へ与える影響を懸念する声が多く聞かれています。住宅市場では住宅価格や金利動向を見極めながら購入時期を慎重に判断する消費者が増えています。また、中小企業ではコスト上昇への対応だけで精一杯となり、利益水準が低下する企業も少なくありません。広告代理店やコンサルティング業界でも受注機会が減少し、価格競争の激化が収益を圧迫しています。

雇用情勢では、人手不足が続く一方で企業の採用姿勢には慎重さもみられます。職業安定機関によると、原材料価格の高騰や調達への不安はあるものの、直近3か月の求人数は前年を上回って推移しており、雇用環境が大きく悪化している状況ではありません。また、2027年3月卒業予定者を対象とした大卒求人倍率は1.62倍となり、前年の1.66倍から0.04ポイント低下しましたが、企業の採用意欲は依然として高い水準を維持しています。大企業では新卒採用を厳選する動きがある一方、中小企業では採用活動を継続する企業が多く、人材確保への意欲は衰えていません。

しかし、人材派遣市場では求人数が弱含みとなり、企業は長期案件より短期案件を中心とした採用へ移行する傾向がみられます。契約終了後に後任を補充しない企業も増え、既存社員で業務を補うケースが目立っています。求職者数も伸び悩み、企業が求める条件と求職者の希望条件が一致しないことで採用が成立しにくい状況も続いています。新聞社の求人広告担当者からは、新規求人数が減少する一方で求職者数は増加傾向にあり、雇用形態のミスマッチが拡大しているとの見方も示されています。

今回の九州地域の調査では、百貨店や製造業を中心に回復の兆しが確認された一方、物価高騰や資材価格の上昇、原材料不足などが個人消費や企業活動へ大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。採用市場では有効求人倍率そのものの数値は公表されていないものの、大卒求人倍率は1.62倍と高い水準を維持し、企業の採用意欲も引き続き堅調です。一方で、求人と求職者のミスマッチや採用コストの増加など、新たな課題も顕在化しています。企業にとっては、待遇改善や働きやすい環境整備に加え、人材の定着を見据えた採用戦略がこれまで以上に重要な経営課題となっています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム