2026年8月11日
労務・人事ニュース
2026年5月の現金給与総額は前年比3.3%増、実質1.6%増で採用担当者が確認したい5か月連続プラスの賃金動向
毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果確報 賃金指数(厚労省)
2026年5月分の毎月勤労統計調査の確報で、事業所規模5人以上の調査産業計における現金給与総額指数は97.8となりました。2020年平均を100とする指数で、前年同月比は3.3%増、物価変動を反映した実質前年比も1.6%増となっています。
現金給与総額には、毎月決まって支給される給与に加え、賞与など特別に支払われる給与が含まれます。2026年5月は名目賃金だけでなく実質賃金も前年を上回り、同年1月から5月まで5か月連続で実質前年比がプラスとなりました。
2026年1月の現金給与総額は前年同月比2.5%増、実質では0.7%増でした。2月は名目3.4%増、実質2.0%増、3月は名目3.1%増、実質1.4%増、4月は名目3.6%増、実質2.0%増と推移しています。
5月の実質前年比1.6%増は、4月の2.0%増を0.4ポイント下回ったものの、前年同月の2.6%減からは大きく改善しました。2025年5月は名目賃金が1.4%増えた一方、実質ではマイナスとなっており、2026年は異なる動きが示されています。
就業形態別にみると、一般労働者の現金給与総額指数は96.2で、前年同月比3.8%増でした。実質前年比は2.0%増となり、調査産業計全体の1.6%増を0.4ポイント上回る伸びを記録しています。
パートタイム労働者の現金給与総額指数は114.8で、前年同月比1.8%増となりました。実質前年比は0.1%増と小幅ながらプラスを維持し、一般労働者と比べて名目、実質ともに伸び率が低い結果です。
事業所規模30人以上の現金給与総額指数は95.7で、前年同月比3.3%増、実質前年比1.6%増でした。名目、実質の双方で事業所規模5人以上の調査産業計と同じ伸び率となり、前年を上回っています。
産業別の現金給与総額の前年比では、卸売業、小売業が6.1%増と高い伸びを示しました。製造業は4.0%増、医療、福祉は2.1%増となり、掲載された3産業はいずれも前年同月の水準を上回りました。
毎月決まって支給する給与の指数は、調査産業計で112.8となり、前年同月比3.0%増でした。物価の変動を反映した実質前年比は1.2%増となり、現金給与総額と同様に名目、実質の両方でプラスです。
一般労働者の決まって支給する給与は指数112.4、前年同月比3.6%増、実質前年比1.8%増でした。パートタイム労働者は指数117.1で1.6%増となった一方、実質前年比は0.2%減とマイナスになっています。
事業所規模30人以上では、決まって支給する給与の指数が113.5となり、前年同月比3.5%増、実質前年比1.7%増でした。全体の現金給与総額を上回る名目伸び率となり、定例的な給与の上昇が確認されました。
産業別では、製造業の決まって支給する給与が前年同月比3.8%増、卸売業、小売業は2.9%増、医療、福祉は1.9%増でした。3産業とも増加したものの、伸び率には1.9ポイントの差があります。
基本給などを中心とする所定内給与の指数は、調査産業計で112.6となり、前年同月比3.0%増でした。一般労働者は指数112.2で3.6%増、パートタイム労働者は116.9で1.6%増となっています。
事業所規模30人以上の所定内給与は指数113.3で、前年同月比3.4%増でした。産業別では製造業が3.7%増、卸売業、小売業が3.0%増、医療、福祉が1.8%増となり、すべて前年を上回りました。
時系列でみると、調査産業計の現金給与総額は2022年が指数102.3、2023年が103.5、2024年が109.2、2025年が111.7でした。年平均の前年比は2022年から2025年まで4年続けてプラスとなっています。
一方、年平均の実質前年比は2022年が1.0%減、2023年が2.5%減、2024年が0.3%減、2025年が1.3%減でした。名目指数が上昇しても、物価変動を考慮した実質賃金では前年を下回る年が続いています。
一般労働者の現金給与総額は、2024年の年平均で実質前年比が横ばいとなり、2025年は0.7%減でした。パートタイム労働者は2024年に0.7%増となったものの、2025年は1.3%減へ転じています。
2026年5月は、現金給与総額、決まって支給する給与、所定内給与のいずれも前年同月比で増加しました。ただし、就業形態や産業によって伸び方は異なり、特にパートタイム労働者の実質的な定例給与は弱い動きです。
採用や処遇改善を検討する際には、現金給与総額だけでなく、毎月の給与に当たる定例部分や所定内給与を分けて確認する必要があります。2026年5月の確報は、賃金水準の変化を就業形態別、規模別、産業別に比較できる内容となっています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


