2026年7月30日
労務・人事ニュース
2026年5月の日本の実質賃金は1.7%増、採用担当者が知るべき主要国比較と賃金改善の動き
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最終更新: 2026年7月28日 21:01
毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報 各国公表による主要国の実質賃金(厚労省)
2026年5月分の毎月勤労統計調査の速報で、主要国の実質賃金をみると、日本は前年同月比1.7%増となりました。名目賃金を物価指数で割って算出したもので、物価の影響を踏まえても賃金が前年を上回ったことを示しています。
日本の実質賃金は、2025年5月に2.0%減となっていましたが、2026年5月は1.7%増へ改善しました。前年同月との比較では、賃金上昇が物価上昇を上回る形となり、実質面でプラスが続いています。
年平均でみると、日本の実質賃金は2022年に0.5%減、2023年に2.0%減となりました。2024年は0.0%で横ばいとなったものの、2025年は0.8%減となり、物価上昇の影響が賃金の実感を押し下げていました。
2026年に入ると、日本は1月に1.0%増、2月に2.1%増、3月に1.6%増、4月に2.2%増、5月に1.7%増となりました。1月から5月までプラスが続き、前年までの弱さから持ち直しが確認されています。
一方、アメリカの実質賃金は、2026年5月に時給で0.7%減、週給で0.4%減となりました。2025年は時給、週給ともに1.2%増でしたが、2026年5月は前年同月を下回る結果となっています。
アメリカの時給は、2026年1月に1.2%増、2月に1.2%増、3月に0.2%増となった後、4月に0.3%減、5月に0.7%減となりました。年初はプラスを維持していましたが、春以降はマイナスに転じています。
アメリカの週給も、2026年1月に1.8%増、2月に1.5%増となった後、3月に0.1%増へ縮小しました。4月は0.2%減、5月は0.4%減となり、時給と同じく実質賃金の伸びが弱まりました。
イギリスは2026年5月の値が示されていませんが、4月は1.6%増でした。2025年の年平均は0.8%増で、2026年も1月に1.5%増、2月に0.7%増、3月に1.2%増、4月に1.6%増となっています。
イギリスの実質賃金は、2022年に1.6%減となった後、2023年は0.2%増、2024年は1.9%増でした。2025年は0.8%増となり、年平均では3年連続でプラスを維持しています。
ドイツも2026年5月の値は示されていませんが、4月は1.6%増となりました。2025年の年平均は1.9%増で、2026年1月も1.9%増、2月は1.7%増、3月は1.8%増、4月は1.6%増となっています。
ドイツは2022年に4.1%減と大きく落ち込みましたが、2023年は0.2%増、2024年は2.9%増、2025年は1.9%増となりました。2026年4月までの月次でもプラスが続き、比較的安定した推移です。
2025年の月次では、日本は4月に1.5%減、5月に2.0%減、6月に0.1%減となり、7月に0.3%増へ転じました。その後は8月に1.4%減、9月に0.7%減、10月に0.5%減、11月に1.2%減となっています。
2025年12月の日本は0.3%増となり、年末にプラスへ戻りました。2026年に入ってからは、5月までプラスが続いており、直近の推移では実質賃金の改善がより明確になっています。
主要国の年平均を比べると、2022年は日本、アメリカ、イギリス、ドイツのいずれも実質賃金がマイナスでした。物価上昇が賃金の伸びを上回り、各国で購買力に下押し圧力がかかった時期といえます。
2023年は日本が2.0%減だった一方、アメリカは時給0.5%増、週給0.0%、イギリス0.2%増、ドイツ0.2%増となりました。日本だけが比較的大きなマイナスを示し、回復の遅れが目立ちました。
2024年は日本が0.0%、アメリカは時給1.0%増、週給0.6%増、イギリス1.9%増、ドイツ2.9%増でした。日本は横ばいにとどまり、他の主要国では実質賃金の増加が進みました。
2025年は日本が0.8%減となった一方、アメリカは時給と週給がともに1.2%増、イギリスは0.8%増、ドイツは1.9%増でした。日本は年平均では依然としてマイナスで、国際比較では弱さが残っていました。
ただし、2026年5月時点では、日本が1.7%増となったのに対し、アメリカは時給0.7%減、週給0.4%減でした。5月に限れば、日本の実質賃金はアメリカを上回る動きとなっています。
今回の表では、国ごとに実質化に用いる賃金や物価指数の考え方が異なります。そのため、単純に水準を比較するのではなく、各国の前年比や前年同月比の方向感を確認することが重要です。
日本の最新月は速報値であり、今後の改訂で数値が変わる可能性があります。また、各国の値も遡及改訂されることがあるため、実質賃金の動向を判断する際には、複数月の推移をあわせて見る必要があります。
採用や人材定着を考えるうえで、実質賃金は働く人の生活実感に近い指標です。名目の給与が増えていても、物価上昇がそれを上回れば、購買力は十分に高まりません。
2026年5月の結果では、日本の実質賃金が1.7%増となり、年初からのプラス基調を維持しました。一方で、アメリカでは時給、週給ともにマイナスとなっており、主要国の賃金環境には違いが出ています。
企業が採用条件や待遇を検討する際には、国内の賃金水準だけでなく、物価を踏まえた実質的な働き手の受け止め方も重要になります。今回のデータは、賃金改善を採用力や定着力につなげるうえで、実質賃金の確認が欠かせないことを示しています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


