2025年1月18日
労務・人事ニュース
令和6年11月 大阪労働市場の最新動向 有効求人倍率1.23倍と3か月連続上昇
大阪労働市場ニュース(令和6年11月分)(大阪労働局)
大阪労働局が公表した最新の雇用情勢に関するデータによれば、現在の大阪府における雇用市場は一部で改善の兆しを見せつつも、多くの分野で依然として課題を抱えています。有効求人倍率(季節調整値)は1.23倍と、前月より0.02ポイントの上昇を記録しました。この上昇は3か月連続となり、求人数の増加が雇用市場に一定の好影響を与えていることを示しています。一方で、有効求職者数も1.0%増加しており、需要と供給のバランスには引き続き注視が必要です。
新規求人倍率は2.58倍で、前月比0.04ポイント増加しています。この増加は2か月ぶりで、新規求人数は65,775人と前月比で0.1%増加しました。ただし、新規求職申込件数は25,503件と前月比で1.5%の減少を見せており、求職活動への意欲低下やその他の要因が影響している可能性があります。
産業別に見ると、製造業、運輸業・郵便業、教育・学習支援業などが新規求人数の増加を牽引しています。特に製造業は2か月連続で増加し、堅調な需要が続いています。一方で、建設業や情報通信業、卸売・小売業、宿泊業・飲食サービス業などは減少傾向が続いており、これらの業種における雇用創出が喫緊の課題とされています。
地域ごとの就業地別有効求人倍率では、1.07倍と前月より0.01ポイント上昇しました。これは大阪府全体での雇用需要が引き続きあることを反映していますが、求人票の受理地別での分析も引き続き重要です。受理地別では有効求人倍率がより高く出る傾向があり、求職者にとって実際の雇用環境を理解する上で有益な指標とされています。
また、正社員の有効求人倍率は前年同月比で低下しており、フルタイムの安定雇用を目指す求職者には厳しい状況が続いています。パートタイムや短期雇用など柔軟な雇用形態の需要は堅調であるものの、正社員ポジションの減少は、労働者の生活の安定に影響を及ぼす可能性があります。
求職者の年齢別統計では、25~34歳および55歳以上の年齢層において一定の増加が見られる一方で、他の年齢層では減少傾向が続いています。特に35~44歳および45~54歳の減少は、これらの年代層の求職者が市場で直面している課題を示唆しています。一方で、女性求職者においても多くの年齢層で減少が見られることから、女性の労働力参加を促進する施策の強化が必要とされています。
このように、大阪労働局の最新データは、雇用情勢が改善と停滞の両面を持つ複雑な状況であることを示しています。政府や企業は、特に人材不足が顕著な業種や地域を対象にした具体的な支援策を講じることで、雇用市場の活性化に向けた取り組みを進める必要があります。
⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ