2025年6月29日
労務・人事ニュース
短期派遣研究者数が前年比197.5%増、国際経験を持つ人材の価値が再評価される時代へ
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「夜勤なし」/正看護師/訪問看護ステーション/訪問看護/残業ありません
最終更新: 2025年6月28日 23:04
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「車通勤OK」/正看護師/介護施設/研修が充実で安心
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「駅チカ」/正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年6月28日 23:04
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「駅チカ」/正看護師/内科/放射線科/循環器内科/クリニック
最終更新: 2025年6月28日 23:04
国際研究交流の概況(令和5年度)(文科省)
令和7年6月13日、文部科学省は「国際研究交流の概況(令和5年度)」を発表し、日本国内の大学や研究機関が海外とどのように研究交流を行っているのか、その実態を明らかにしました。本調査は全国の国公私立大学、高等専門学校、独立行政法人など計927機関を対象に行われ、有効回答率は91.6%に達し、849機関からの回答が得られました。調査期間は令和5年4月から令和6年3月までの1年間で、調査項目には海外への研究者派遣数および海外からの受入研究者数が含まれています。
この調査結果によれば、令和2年度に新型コロナウイルス感染症の影響で大幅に減少した研究者の国際交流活動が、令和5年度において着実に回復傾向を見せていることがわかりました。特に注目すべきは、海外への短期派遣研究者数の回復であり、令和5年度は前年度比で52,640人、197.5%増の106,613人となりました。これは、コロナ以前の水準には及ばないものの、急速な回復を示すものであり、国内の研究機関が再び国際的な研究活動へと積極的に取り組んでいる様子が浮き彫りとなっています。
一方で、中・長期の派遣研究者数も前年度比378人増の3,623人(111.6%増)と堅調に回復していますが、短期に比べるとまだ低い水準にとどまっています。中・長期の派遣は研究の深化や国際的な連携強化にとって重要な役割を果たすため、今後のさらなる支援と制度整備が求められます。
海外からの受入研究者数についても同様に回復傾向が見られ、短期の受入れは令和5年度に14,472人と前年度比で6,388人増(179.0%増)を記録しました。これは国際的な交流が再び活発化していることを示しており、日本の研究機関が海外からの研究人材に対して引き続き魅力的な存在であることを意味しています。中・長期の受入研究者も12,793人と前年度比697人増(105.8%増)となっており、徐々にパンデミック前の水準に戻りつつあります。
機関別の内訳を見ると、国立大学では短期派遣研究者数が57,611人、前年度比で26,796人増(187.0%増)、中・長期では1,963人、140人増(107.7%増)と大幅な増加が見られました。私立大学においても短期派遣者数は31,431人、17,036人増(218.3%増)、中・長期派遣は1,224人、129人増(111.8%増)と着実な回復傾向を示しています。これらの数値は、教育機関が研究者の国際活動再開に向けて積極的な姿勢を取っていることの証左であり、大学・研究機関にとっても今後の採用活動において国際経験のある人材を重視する動きがさらに強まると予想されます。
受入れ研究者の機関別内訳では、国立大学等が短期受入研究者数の約8割を占め、令和5年度の受入人数は11,486人と前年から5,214人(183.1%)増加しました。また、中・長期では総数の約6割を占めており、令和5年度には8,173人(対前年度比537人増、107.0%増)となりました。これは、日本の研究機関が引き続き高い受入能力と国際的なネットワークを維持していることを示すものであり、研究環境の質が海外からの研究者にとって魅力的であることを物語っています。
さらに、個別機関においても注目すべき成果が挙げられています。東京大学は、派遣研究者数総計で7,811人を数え、そのうち短期派遣が7,493人、中・長期が318人と圧倒的な数値を記録しました。京都大学は総計5,046人(短期4,857人、中・長期189人)、早稲田大学は3,853人(短期3,547人、中・長期306人)と続いており、これらの大学は国内外での研究交流において中心的な役割を果たしています。受入研究者数でも、東京大学が3,017人(短期1,697人、中・長期1,320人)でトップを維持し、京都大学2,092人、東北大学1,488人、早稲田大学1,108人、大阪大学1,017人と続いています。
今回の調査結果を受けて、文部科学省は、令和2年度以降の研究者交流の低迷が新型コロナウイルス感染症の影響であるとしながらも、令和5年度には明確な回復傾向が見られることを確認しました。今後も引き続き、研究者の海外派遣や受入れを支援し、国際研究交流のさらなる推進に取り組む方針を示しています。このような国際的な研究ネットワークの強化は、世界的な課題解決や学術水準の向上のみならず、国際的に通用する人材の育成にも直結するものであり、大学や研究機関にとっても戦略的な課題となるでしょう。
企業の採用担当者にとっては、こうした国際的な研究交流の動きは、理系人材の国際経験、語学力、グローバル対応能力などを評価する際の重要な参考指標となります。また、将来的に産学連携や国際共同研究を見据える上でも、海外経験のある人材の価値は高まっていくと考えられます。そのため、今後の採用戦略においては、留学経験だけでなく、研究者としての国際的活動歴にも注目し、自社のグローバル展開や技術力強化に直結する人材を見極めていく視点が求められるでしょう。
⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ