2025年6月26日
労務・人事ニュース
売上前年比45%増のタクシー業界に学ぶ!北海道で見えた採用成功の鍵とは(令和7年5月)
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「夜勤なし」/准看護師/老人保健施設/介護老人保健施設/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月25日 22:42
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「駅チカ」/准看護師/有料老人ホーム/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年6月25日 22:42
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年6月25日 22:42
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年6月25日 22:42
景気ウォッチャー調査(令和7年5月調査)― 北海道(現状)―(内閣府)
令和7年5月に実施された景気ウォッチャー調査において、北海道地域の経済動向に関する詳細な報告が公表されました。本調査は、地域経済の現場で直接経済活動を行っている人々からの意見をもとに作成されており、家計や企業、雇用といった多面的な側面から北海道の景気実態を浮き彫りにしています。その内容からは、観光を中心とした一部分野で回復の兆しが見られる一方で、物価高騰や人手不足といった課題が地域経済に重くのしかかっている実態が明らかになりました。
まず、家計に関する動向では、小売業や飲食業を中心に来客数や販売量が回復基調にある一方、物価高による消費マインドの冷え込みが根強く、消費行動に二極化が生じていることが示されています。例えば、北海道の一般小売店では、観光需要の回復によって土産物の売上が2024年比で119.2%、2023年比で156.7%、2022年比では実に279.4%と大幅な増加を記録しました。特に、2021年比で1205.1%、2020年比では3707.5%という驚異的な伸びがあり、大型クルーズ船の寄港が4隻に上ったことが来客数増加の要因とされています。
一方で、地域住民の購買意欲は依然として低調です。商店街の店舗からは、公共交通機関を利用して訪れる買い物客が減少し、特に日本語以外の言語が街中でほとんど聞こえないことから、外国人観光客の姿も例年に比べて大きく減少しているとの声が上がっています。これは、連日続く商材の値上げによって、消費マインドが刺激されず、節約志向が強まっていることを示しています。
住宅市場においては、建築単価が下がらない現状が常態化しつつあり、ようやく建築に踏み切ろうとする顧客の動きも見られ始めています。ただし、生活費への不安が根強く、分譲マンションのモデルルームを訪れる顧客の多くが価格に敏感になっている様子も観察されており、慎重な消費行動が顕著です。
観光分野では、ゴールデンウィーク明けから本格的な行楽シーズンに突入したこともあり、高級レストランやフェリー、観光地では来客数の増加が報告されています。特にフェリーではインバウンドを含む個人客の利用が堅調に推移し、輸送量の増加が確認されました。ただし、観光型ホテルや旅行代理店からは、国内観光客の動きが鈍化しており、旅行商品の販売数は前年を下回っているという報告もあります。アニメの聖地巡礼需要が一段落したことや、物価高と先行きの不透明感が旅行需要を抑制している要因とみられています。
また、雇用に関する分野では、求人の増加傾向が継続しているものの、業種によっては採用活動に苦戦している状況もみられます。人材派遣会社によると、建設業界では技術者不足が深刻で、技術者が確保できないために発注を断らざるを得ない企業も存在しているとのことです。加えて、DX推進やAI時代を見据えた社内体制整備の一環として、社内SEやデジタル人材の求人が増加しているという新しい動きも見受けられます。
求人情報誌制作会社の報告では、建設、運輸、医療・介護分野は堅調ながらも、5月に入り全体的な掲載件数が減少傾向にあるとのことです。さらに、職業安定所のデータでは、新規求人数が前年比で6.6%減、月間有効求人数は前年比で4.2%減少しており、4月の有効求人倍率は0.80倍と、前年より0.02ポイントの下落がみられました。このような動きは、景気の鈍化に伴って企業の採用意欲に若干のブレーキがかかっている可能性を示唆しています。
企業動向に目を向けると、食料品製造業では5月の販売量が前年比で25%の増加となり、2月の9%増からさらに加速しています。金属製品製造業では、月別の出荷量が見込みを上回ったことから、堅調な生産活動が続いています。一方で、家具製造業や農林水産業では、エネルギー価格や米価の高騰、米国の関税動向などが不透明要因となっており、景気に対する慎重な見方が広がっています。
特に注目すべきは、タクシー業界の報告です。ある事業者では、乗務員数が前年比30%増加し、稼働台数も30%増加しました。その結果、1台あたりの売上も前年を上回り、5月の売上は前年比プラス45%という好成績を記録しています。これは、採用戦略の成功例として注目されるべきケースであり、人材確保が直接的に業績向上へと結びついた典型例といえるでしょう。
総じて、北海道経済は一部に明るい兆しを見せながらも、全体としては物価上昇と人手不足という二重の課題に直面している状況が浮き彫りになっています。企業の採用担当者にとっては、このような複雑な状況下で柔軟かつ迅速な人材戦略の構築が求められます。特に、専門性の高い人材やIT人材の確保に向けた取り組みが、今後の企業競争力の鍵を握ると考えられます。さらに、現場の景況感を丁寧に読み解き、業種や地域ごとに適切な施策を講じることで、持続可能な経営を実現することが可能となるでしょう。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ