2026年3月22日
労務・人事ニュース
2026年1月愛媛県の有効求人倍率1.40倍 新規求人倍率2.48倍
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最終更新: 2026年3月22日 07:02
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2026年1月愛媛県の有効求人倍率1.40倍が示す雇用情勢
2026年3月に愛媛労働局が公表した2026年1月分の労働市場月報によると、愛媛県の雇用情勢は求人が求職を上回る状態が続いているものの、求人の動きにはやや弱さが見られる状況となっている。企業の採用意欲は一定程度維持されている一方で、物価上昇などの影響を背景に今後の雇用情勢については慎重な見方が示されており、採用活動を行う企業は地域の労働市場の変化をより丁寧に把握する必要がある。
2026年1月の愛媛県の有効求人倍率は季節調整値で1.40倍となり、前月の1.41倍から0.01ポイント低下した。これは求職者1人に対して約1.40件の求人がある状態を示しており、引き続き求人が求職を上回る状況であることを意味する。グラフで示された有効求人倍率の推移を見ると、2025年1月以降はおおむね1.38倍から1.42倍の範囲で推移しており、大きな変動はないものの横ばいの状況が続いている。求人が求職者を上回る環境ではあるが、急激な改善というよりは安定的に推移している雇用市場といえる。
求人と求職の動きを具体的に見ると、2026年1月の新規求人数は11,244人で前年同月と比べて227人減少し、減少率は2.0%となった。一方、新規求職者数は4,507人で前年同月より21人減少し、減少率は0.5%であった。求人と求職の双方が減少しているが、求人の減少幅の方が大きいため、企業側の採用活動がやや慎重になっている可能性がうかがえる。
また、月間有効求人数は29,120人で前年同月比7.2%減少し、月間有効求職者数は19,122人で前年同月比7.8%減少した。求人と求職の双方が減少しているものの、求人の総数は依然として求職者数を上回っており、企業の人材確保が引き続き課題となっている状況が読み取れる。特に地方では人口減少や若年層の県外流出などが影響し、長期的に労働力人口が減少する傾向にあるため、企業が求める人材を確保することは今後さらに難しくなる可能性がある。
新規求人倍率の動向を見ると、2026年1月は季節調整値で2.48倍となり、前月より0.03ポイント低下した。これは新規求職者1人に対して2件以上の新規求人があることを示しており、短期的な採用市場においても企業の求人が多い状態が続いている。企業側にとっては人材確保の競争が続く環境であり、従来の採用方法だけでは人材確保が難しくなる可能性がある。
就職状況について見ると、2026年1月の就職件数は1,035件で前年同月より102件減少し、減少率は9.0%となった。さらに充足数も1,031件で前年同月比7.2%減少している。求人は存在しているものの、企業と求職者の条件が一致しにくい状況が生じている可能性があり、雇用のミスマッチが課題として浮かび上がっている。
産業別の新規求人の動向を見ると、製造業は1,290人で前年同月比17.5%増加しているほか、医療・福祉分野では3,274人となり前年同月比1.7%増加している。これらの分野では引き続き人材需要が高く、地域経済を支える重要な産業として採用活動が継続されている。一方で建設業は770人で前年同月比10.2%減少し、卸売業・小売業は1,313人で前年同月比15.7%減少、宿泊業・飲食サービス業は452人で前年同月比27.9%減少するなど、業種によって採用動向に差が生じている。産業ごとの需要の違いを理解することは、採用戦略を考えるうえで重要な要素となる。
愛媛県の労働市場の特徴として、少子高齢化の影響が強く表れている点が挙げられる。県内では若年層の人口流出が続いており、企業の採用対象となる労働人口そのものが減少している。このような環境では、企業が単に求人を出すだけでは人材を確保することは難しく、求職者に選ばれる企業になることが求められる。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.40倍という数字は重要な意味を持つ。これは企業が求職者を選ぶ時代から、求職者が企業を選ぶ時代に移行していることを示す指標でもある。特に地方企業では大企業との待遇面の競争が難しい場合も多いため、企業の魅力を明確に伝える採用戦略が不可欠となる。
具体的には、給与や福利厚生だけでなく、働き方や職場環境、キャリア形成の仕組みなどを具体的に伝えることが重要である。例えば教育制度や資格取得支援制度、地域に根ざした働き方などは、求職者にとって大きな魅力となる可能性がある。また地方企業の場合、通勤時間の短さや生活コストの低さなども働きやすさの要素として評価される場合がある。
さらに、採用活動の情報発信の方法も重要なポイントとなる。従来はハローワークへの求人掲載が中心であった企業も多いが、現在では企業のホームページや採用サイト、SNSなどを活用した情報発信が求職者の応募意欲を高める要素となる。仕事内容や職場の雰囲気を具体的に伝えることで、企業と求職者のミスマッチを減らすことができる。
また、採用活動は短期的な募集だけでなく、中長期的な人材確保の視点で考えることも重要である。例えば地元の高校や専門学校との連携、インターンシップの実施、職場見学の受け入れなどは、地域における企業の認知度を高める取り組みとして効果が期待される。こうした取り組みはすぐに採用結果に結びつかない場合もあるが、将来的な人材確保の基盤を作ることにつながる。
さらに、リスキリングや職業訓練を活用した人材育成も重要な採用戦略の一つである。経験者の採用が難しい職種では、未経験者を採用して教育する仕組みを整えることで、長期的な人材確保につながる可能性がある。労働市場の変化に対応するためには、企業が人材育成に積極的に取り組む姿勢が求められる。
2026年1月の愛媛県の有効求人倍率1.40倍という数字は、地域の企業にとって人材確保の難しさと同時に採用戦略を見直す機会でもある。労働市場のデータを正しく理解し、自社の強みを明確に伝える採用活動を行うことで、中小企業でも安定した人材確保を実現する可能性は高まる。
地域経済を支える中小企業が持続的に成長していくためには、雇用統計を単なる数字として見るのではなく、採用戦略の指針として活用する視点が重要である。愛媛県の雇用環境を示す統計は、企業が採用活動を見直し、より効果的な人材確保に取り組むための重要なヒントを示していると言える。
⇒ 詳しくは愛媛労働局のWEBサイトへ


