2026年4月2日
労務・人事ニュース
閣議決定、特定タンカー保険制度を見直し保険金額下限を15億円から14億9000万円へ改定
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「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定(国交省)
2026年3月13日、特定タンカーを対象とした保険制度に関する基準を見直すため、「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定された。今回の改正では、特定タンカーに関する損害保険契約の保険金額の下限や担保上限金額の算定基礎となる金額、さらに政府に納付する金額の見直しが行われる。
この制度は、原油輸送に関わるタンカー事故が発生した際の損害補償を確保するために設けられている。海上輸送では、万一の事故が発生した場合に環境や経済へ大きな影響を与える可能性があることから、一定の補償体制を確保することが重要とされている。こうした背景のもとで、特定タンカーに関する保険制度は国の関与を含めた仕組みとして整備されてきた。
制度が整備された背景には、2012年7月以降に発生した国際情勢の変化がある。欧州連合による対イラン制裁の影響で、イラン産原油を輸送するタンカーの再保険の引き受けが禁止され、タンカーが十分な保障契約を結ぶことが難しい状況となった。この影響により、原油輸送に必要な保険体制の確保が課題となった。
こうした状況の中で、日本では同年に特別措置法が制定され、イラン産原油を輸送するタンカーに関する補償制度が整備された。この制度では、タンカー所有者と保険者が締結する損害保険契約や賠償義務履行担保契約を前提として、政府がタンカー所有者と交付金に関する契約を締結する仕組みが設けられている。
この契約に基づき、事故が発生した場合には、一定の金額を上限として保険者に対して政府から交付金が支払われる仕組みとなっている。これにより、保険制度を補完しながら原油輸送に必要な補償体制を確保する制度として運用されている。
今回の政令改正では、まず特定損害保険契約の保険金額の下限が見直される。これまで15億円とされていた下限額は、改正後には14億9,000万円へ変更される予定となっている。こうした金額は、国際的な保険水準などを踏まえて毎年見直される仕組みとなっている。
また、特定賠償義務履行担保契約において、担保上限金額を算定する際の基礎となる金額も変更される。これまでの基礎金額は1兆3,569億2,830万7,000円とされていたが、改正後は1兆4,381億9,398万4,000円へ引き上げられることになる。担保金額の算定基準を見直すことで、補償制度の適切な運用を図る狙いがある。
さらに、特定保険者交付金交付契約において政府へ納付する金額についても見直しが行われる。これまで2,200万円とされていた納付金額は、改正後には2,100万円に変更される予定となっている。この納付金は制度の運用に関わる重要な要素であり、制度全体のバランスを考慮しながら設定されている。
こうした金額の見直しは、タンカーに関する保険契約の国際的な水準などを考慮しながら毎年行われている。海上輸送におけるリスク管理や保険制度の状況は国際的な環境の影響を受けやすいため、制度を適切に維持するためには定期的な見直しが重要とされている。
今回の政令改正は、2026年4月1日以降に締結される特定保険者交付金交付契約に対応するためのものである。公布は2026年3月18日に予定されており、その後2026年4月1日から施行される予定となっている。
海上輸送はエネルギー供給を支える重要なインフラの1つであり、原油輸送に関わる安全対策や補償制度の整備は安定的なエネルギー供給にも関わる重要な課題とされている。今回の制度改正は、国際的な保険環境を踏まえながら、原油輸送における補償制度を継続的に維持するための措置として位置付けられている。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


