2026年4月8日
労務・人事ニュース
薬剤耐性ワンヘルス動向調査2025、2024年までのデータで耐性菌増加と抗菌薬使用
「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2025」を公表します(厚労省)
2026年3月23日、厚生労働省は「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2025」を公表した。抗菌薬の不適切な使用などを背景に薬剤耐性菌が世界的に増加する中、感染症対策の基盤となる重要な調査結果として位置付けられている。
薬剤耐性は、抗菌薬が効きにくくなる現象であり、国際的にも深刻な課題となっている。新たな抗菌薬の開発が減少傾向にある一方で、耐性菌は増加しており、医療の安全性や持続可能性に影響を与える懸念が指摘されている。
こうした状況を踏まえ、ヒトだけでなく動物、食品、環境といった複数の分野を横断して対策を進める「ワンヘルス・アプローチ」の重要性が国際的に認識されている。国内においても、関連分野を統合的に捉えた調査と分析が進められている。
今回の報告書では、2024年までのデータを中心に、薬剤耐性の現状や変化の傾向が整理された。人の医療分野に加え、動物分野では2023年までの動向が取りまとめられており、各分野の状況を横断的に把握できる内容となっている。
また、特定の微生物に対する抗菌薬の耐性率の推移や、ヒト用医薬品、動物用医薬品、飼料添加物、農薬などの使用量についても整理されている。さらに、医療機関における感染対策の状況や疾病負荷、一般国民や医療従事者の意識に関する調査結果も含まれており、多角的な分析が行われている。
報告書は、専門家や関係機関による検討会での議論を踏まえて取りまとめられており、科学的根拠に基づく政策立案の基盤として活用される。薬剤耐性の拡大を防ぐためには、現状を正確に把握し、適切な対策を継続的に講じることが不可欠とされている。
厚生労働省は今回の公表にあわせて、主要なデータを視覚的にまとめたサマリ版も公開した。関係者だけでなく一般の人にも理解しやすい形で情報提供を行うことで、薬剤耐性対策への理解促進と行動変容につなげる狙いがある。
今回の報告からは、薬剤耐性が依然として国内外で重要な課題であることが改めて示された。医療や畜産、環境など幅広い分野に関わる問題であるため、今後も分野横断的な取り組みを継続し、持続可能な感染症対策を進めていくことが求められる。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


