2026年5月25日
労務・人事ニュース
2026年5月発表の最新統計で見えた北海道、東京、愛知、大阪、福岡の3,831社が直面する人材不足61.7%と採用競争激化の現場
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最終更新: 2026年5月25日 04:47
信用保証利用企業動向調査(2026年1-3月期実績、2026年4-6月期見通し)(日本公庫)
中小企業向けの金融支援に関する調査を行う日本政策金融公庫は2026年5月1日、信用保証を利用する企業の経営動向をまとめた2026年1月から3月期の調査結果を公表しました。今回の調査は2026年3月中旬に実施され、北海道、宮城、東京、愛知、石川、大阪、広島、香川、福岡の9地域にある利用企業16,000社を対象に行われ、有効回答は3,831社、回答率は23.9%となりました。回答企業の約85%は従業員20人以下の小規模企業となっていて、現場に近い経営実態を反映した調査として注目されています。
今回の調査によりますと、企業の資金繰りを示す資金繰りD.I.はマイナス7.8となり、前期のマイナス10.2からマイナス幅がやや縮小しました。資金繰りの厳しさは残るものの、前期と比べると改善の動きが見られています。一方、2026年4月から6月期の見通しはマイナス5.9となっていて、今後についても慎重ながら改善への期待がうかがえる内容となりました。
借入のしやすさを示す借入難易感D.I.はマイナス7.2となり、前期のマイナス5.9からマイナス幅がやや拡大しました。借入環境については、資金調達に対する難しさを感じる企業がやや増えたことになります。次の2026年4月から6月期の見通しもマイナス7.6となっていて、資金調達環境には引き続き慎重な見方が続いています。
借入を実施した企業の割合は16.3%となり、前期の15.7%からほぼ横ばいとなりました。従業員0人から20人の企業では15.0%、21人以上の企業では24.7%となっていて、比較的規模の大きい企業ほど借入実施率が高い傾向が続いています。企業規模によって資金調達行動に差が見られる結果となりました。
借入金額の構成を見ると、1社あたり1,000万円以下の割合は41.4%、1,000万円超から5,000万円以下は42.3%、5,000万円超は16.8%となりました。前期と比べると1,000万円超から5,000万円以下の割合がやや増加していて、一定規模の資金需要が続いていることがうかがえます。平均借入金額は3,956万円となりました。
資金使途については、運転資金が82.5%と引き続き大半を占め、設備資金は12.7%となりました。運転資金の内訳では、既往借入の借換資金が31.9%で最も高く、売上増加に対応する運転資金が28.7%、売上減少や赤字補てん資金が24.1%で続いています。資金需要の中心が事業継続と財務安定化に向けられている状況が数字から読み取れます。
保証利用の状況を見ると、借入を実施した企業のうち保証を利用した企業の割合は57.6%となり、前期の62.3%からやや減少しました。このうち全額保証を利用した企業は44.8%、一部保証利用は12.8%となっています。一方、2026年4月から6月期における保証利用要請D.I.は2.9となり、前期の2.2からほぼ横ばいで推移しました。
生産や売上の状況を示す生産・売上D.I.はマイナス2.8となり、前期のマイナス4.5からマイナス幅が縮小しました。業種別では製造業のマイナス幅が大きく縮小したほか、サービス業ではプラス6.8となり、堅調な動きが確認されています。次の2026年4月から6月期の見通しはプラス5.9となり、先行きには持ち直しへの期待も見られています。
採算D.I.はマイナス8.8となり、前期のマイナス9.3と比べてほぼ横ばいとなりました。収益環境には厳しさが残るものの、急激な悪化は抑えられている状況です。また、借入総残高に占める保証利用割合については、半分以上と回答した企業が66.2%となり、多くの企業が信用保証制度を経営基盤の一部として活用していることが明らかになりました。
あわせて行われた特別調査では、経営環境のなかで直面している課題として「人手不足、人件費上昇」と回答した企業が61.7%で最も多くなりました。続いて「エネルギー・原材料価格等の高騰」が46.4%、「売上・受注の停滞、減少」が41.5%となっていて、人材確保とコスト上昇への対応が多くの企業に共通する課題となっています。
経営に関する相談先については、専門資格者への相談が67.5%で最も高く、金融機関への相談は43.0%となりました。相談内容では、専門資格者に対しては「財務の健全化」が61.8%、金融機関に対しては「資金調達・資金繰り」が80.8%で最も高くなっていて、経営基盤の強化と資金戦略への関心の高さが浮き彫りとなっています。
さらに、金融機関や保証関連機関に期待する経営支援サービスでは、「制度融資や補助金、給付金など諸制度の情報提供」が58.4%で最も高くなりました。資金支援だけでなく、制度活用に向けた情報収集の重要性が高まっていることも今回の調査で明らかになっています。2026年春の中小企業経営は、一部で持ち直しの動きが見られる一方、人材確保やコスト上昇への対応を含め、慎重な経営判断が求められる局面が続いています。
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ


