2026年5月29日
労務・人事ニュース
2026年5月発表、RTI手引きVer.5に改訂へ AEO制度活用と国際物流ロボット導入調査を反映した最新施策とは
国際間リターナブル物流容器の利用促進のための”手引き”を改訂しました! ~環境にやさしく、シームレスな物流システムの実現に向けて~(国交省)
2026年5月11日、国土交通省は、国際物流で活用されるリターナブル物流容器、いわゆるRTIの利用拡大に向け、「国際物流におけるリターナブル物流容器利活用の手引き」を改訂したと発表しました。今回の改訂では、日本語版と英語版の双方が更新され、国際物流の現場で求められる実務情報の充実が図られています。環境負荷の低減と物流の効率化を両立しながら、国境をまたいだ輸送をより円滑に進めるための新たな知見が盛り込まれました。
RTIは、繰り返し利用できる物流容器として国際輸送の現場で活用が進められており、使い捨て容器の削減による廃棄物抑制や、輸送資材の調達コストの見直しにつながる手段として注目されています。国際物流の安定化と持続可能性の向上を進めるうえでも、その活用拡大は重要なテーマとなっていました。
今回の改訂にあたり、国土交通省は2025年度、AEO制度を活用した通い容器に関する免税手続の簡素化について、アンケート調査とヒアリング調査を実施しました。あわせて、国際海上コンテナのデバンニング作業におけるロボットの開発状況や導入状況についても調査を進め、物流現場の課題や改善の可能性について分析を行っています。
さらに2026年2月19日には、RTI利用の現状や導入時の課題、多様な活用事例などを共有するセミナーも開催されました。この取り組みでは、国際物流におけるRTIの実務上の課題や運用ノウハウが整理され、今後の普及に向けた実践的な情報収集が進められています。
今回の手引き改訂では、AEO制度の利用状況や免税手続の実態を把握するために行われた調査結果が新たに追記されました。AEO事業者を対象に実施したアンケート結果の取りまとめに加え、制度活用における現状や実務上の確認事項なども整理されています。これにより、RTI導入を検討する事業者が制度の活用可能性をより具体的に把握できる内容となりました。
あわせて、国際海上コンテナのデバンニング作業に関する現状分析も追加されています。物流現場では人手不足や作業負荷の増大が課題となるなか、コンテナから貨物を取り出す作業の効率化は重要性を増していました。今回の改訂では、現場で確認された課題の整理に加え、改善策の1つとして進められているロボットの開発状況や導入事例などが新たに盛り込まれています。
国土交通省によるRTI活用促進の取り組みは、これまで段階的に進められてきました。2006年から日本、中国、韓国の3か国で物流大臣会合が開催され、「シームレスな物流システムの実現」「環境にやさしい物流の構築」「強靱な物流ネットワークの推進」が主要目標として共有されています。その流れのなかで、RTIの普及は国際物流の効率化と環境対策の両面から重要な施策として位置づけられてきました。
2021年度には、国際物流におけるRTIの普及促進を目的とした初版の手引きが作成されました。その後も継続的な検証が行われ、2022年度にはRTI活用によるコスト削減効果やCO2排出量削減効果の検証が実施されています。2023年度には再輸出免税や再輸入免税の可能性と課題を検証する実証調査が進められ、2024年度には適切な管理体制の構築に向けたセミナー開催などを通じて、運用面での知見が蓄積されてきました。
そして2025年度には、AEO制度を活用した免税手続の簡素化に関する調査と、デバンニング作業の自動化に向けた技術調査が行われ、その結果を反映する形で今回の改訂が実現しました。継続的な調査と検証を積み重ねながら、実務に即した内容へと更新が続けられている点は、国際物流の現場にとって大きな意義を持っています。
今回公表された「国際物流におけるリターナブル物流容器利活用の手引き Ver.5」は、環境負荷の低減と物流効率化を同時に進めるための実践的な資料として、今後さらに注目を集めそうです。人手不足への対応や国際輸送の安定化が求められるなか、RTIの活用と関連制度の整備が、次世代の物流基盤を支える重要な取り組みとして広がりを見せています。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


