2026年5月29日
労務・人事ニュース
2010年5月生まれ24,546人を15年間追跡した2025年調査、回収数19,846件の長期統計から大阪府の人材採用責任者が注目すべき若年層の価値観変化
第15回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況(厚労省)
2025年5月25日、子どもの成長や家庭環境の変化を継続的に追跡する縦断調査の第15回調査が実施され、2010年に生まれた子どもたちの最新の調査概要が公表されました。この調査は、同じ対象を長期間にわたって追跡することで、子育て環境や家庭の変化、将来に対する意識の推移などを把握し、少子化対策をはじめとする各種施策の基礎資料として活用することを目的に続けられているものです。
今回対象となったのは、2010年5月10日から5月24日までの15日間に生まれた全国の子どもたちです。調査対象の抽出は出生に関する統計資料をもとに行われていて、双子や3つ子についても、それぞれ個別の対象として含まれています。第15回調査時点で対象児は15歳となり、中学3年生の年齢に達しています。思春期を迎え、進路や将来への意識が大きく変化する時期の実態把握が今回の特徴となりました。
調査日は2025年5月25日に設定されました。この調査は第1回から第6回までは毎年12月1日に実施されてきましたが、第7回以降は5月25日に変更されています。第1回調査では生後6か月だった対象児も、これまで15回にわたる継続調査を経て、中学3年生という節目の年齢に達しました。長期にわたる同一対象の追跡によって、成長に伴う家庭環境や意識の変化を継続的に確認できる仕組みが構築されています。
調査内容は保護者と子どもの双方に分かれていて、保護者に対しては父母の就業状況や子育てに関する状況などを確認しています。一方、子ども本人には家族の状況、父母との会話、将来についての考え方、就きたい職業などが調査項目として設定されました。成長段階に応じて、生活環境だけでなく将来の進路意識まで把握できる内容となっています。
調査票の配布と回収は郵送によって行われ、第10回調査からはインターネットによるオンライン回答にも対応しています。これにより回答環境の利便性が高まり、継続的なデータ収集の精度向上にもつながっています。集計は統計部門において実施され、全国規模の基礎資料として整理されました。
第15回調査の配布数は24,546件、回収数は19,846件となり、回収率は80.9%でした。長期調査でありながら8割を超える回収率を維持していることから、継続調査としての信頼性を支える基盤が確保されていることがうかがえます。一方で、初回調査と比較すると回収率には変化もみられています。
2010年に実施された第1回調査では、配布数43,767件に対し回収数は38,554件、回収率は88.1%でした。その後も高い水準で推移し、第6回調査では90.5%、第10回調査では92.0%、第11回調査でも91.5%を記録しています。今回の80.9%は依然として高い水準ではあるものの、15年間の継続調査の中では比較的低い水準となりました。
対象児の年齢推移を振り返ると、第1回は生後6か月、第2回は1歳6か月、第3回は2歳6か月、第6回では5歳6か月となり、第7回調査からは7歳の小学1年生として学校生活が始まる時期へ移行しました。その後、小学2年生から小学6年生まで毎年調査が続き、第13回で13歳の中学1年生、第14回で14歳の中学2年生、そして今回の第15回で15歳の中学3年生となっています。幼児期から思春期まで一貫して追跡できる調査体制が構築されていることが今回の概要から改めて確認されました。
また、第13回調査以降は、それまで子どもと保護者が同じ調査票に回答する方式から変更され、本人用と保護者用の調査票を分冊する方法が採用されています。成長に伴って本人の意思や考え方をより正確に把握するための見直しが行われた形で、思春期以降の実態把握の精度向上が図られています。
15年にわたって積み重ねられてきた今回の調査は、出生直後の育児環境から進路選択を控えた中学3年生までの変化を同一対象で確認できる国内でも貴重な基礎資料となっています。少子化が社会全体の大きな課題となる中、家庭環境、教育、就業意識、将来設計など多角的な視点から子どもの成長を把握する継続調査として、今後の政策立案に活用されることが期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


