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2026年6月22日

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埼玉県の有効求人倍率1.11倍【2026年4月】中小企業が今見直すべき採用活動

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埼玉県の有効求人倍率1.11倍【2026年4月】情報通信業と小売業の求人減少を分析

埼玉労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月分の労働市場統計によると、埼玉県の雇用情勢は持ち直しの動きが見られる一方で、その勢いには弱さも感じられる状況となっている。有効求人倍率は季節調整値で1.11倍となり、前月と同水準を維持した。求人数が求職者数を上回る状態は続いているものの、求人の動きには足踏み感が見られ、物価上昇や国際情勢の変化が雇用に与える影響について引き続き注意が必要な局面にある。

有効求人倍率1.11倍という数字は、求職者1人に対して約1.11件の求人が存在することを意味している。求人超過の状況は維持されているため、一見すると人材不足の状態が継続しているように見える。しかし、その内訳を詳しく確認すると、企業の採用活動には慎重な姿勢が広がり始めていることが分かる。

2026年4月の有効求人数は97,707人となり、前月比で0.8%増加した。一方、有効求職者数も87,769人となり、前月比で0.4%増加している。求人と求職の双方が増加したため、有効求人倍率は前月から変動しなかった。企業側の採用需要は一定水準を維持しているが、求職活動を行う人も増えていることから、人材市場は依然として活発に動いていることがうかがえる。

ただし、原数値で確認すると別の側面も見えてくる。就業地別の有効求人倍率は1.05倍となり、前年同月の1.15倍から0.10ポイント低下した。有効求人数は95,606人で前年同月比7.1%減少している一方、有効求職者数は90,946人で前年同月比1.3%増加した。これは求人が減少し、求職者が増加する流れが進んでいることを示している。採用市場は依然として求人超過ではあるものの、企業が以前ほど積極的な採用を行っていない状況も読み取れる。

新規求人の動向を見ると、その傾向はさらに明確になる。新規求人数は34,293人で前月比0.4%減少した。前年同月比では3.5%減となっている。一方、新規求職者数は16,896人で前月比2.1%増加した。新規求人倍率は2.03倍となったが、前月より0.05ポイント低下している。新たに仕事を探し始めた人に対して求人は依然として多いものの、その差は少しずつ縮小している。

雇用形態別に見ると、フルタイム求人は20,654人で前年同月比3.5%減少した。パート求人も13,574人で前年同月比3.4%減少している。企業規模や業種を問わず、全体的に求人件数を抑制する動きが広がっている状況が見て取れる。

産業別の動向では、業界ごとの明暗がはっきりと分かれている。増加した産業は主要11産業のうち2産業のみだった。サービス業(他に分類されないもの)は5,078人で前年同月比5.2%増加した。警備業を中心に求人が増加しており、人手不足への対応が続いていることがうかがえる。運輸業・郵便業も2,250人で前年同月比2.1%増加した。物流需要の継続や人材不足を背景に採用需要が維持されていると考えられる。

一方で減少した産業は9産業に及んだ。情報通信業は419人で前年同月比23.5%減少した。特にインターネット関連サービス分野の求人減少が目立っている。DX推進やIT人材需要が高いとされる中でも、企業が採用計画を見直している可能性がある。

卸売業・小売業は3,893人で前年同月比12.0%減少した。各種食料品小売業や自動車小売業などで求人が減少している。人件費の上昇や消費動向の変化、省力化投資の進展などが採用方針に影響を与えていると考えられる。

建設業も2,916人で前年同月比8.9%減少した。慢性的な人手不足が続く業界ではあるが、求人件数自体は減少している。受注状況や資材価格の上昇、人件費負担の増加などが企業の採用活動に影響している可能性がある。ただし建設業の人材不足そのものが解消されたわけではなく、今後も技術者や現場人材の確保は大きな課題となるだろう。

医療・福祉分野は10,008人と依然として最も大きな求人規模を維持している。ただし前年同月比では0.3%減少した。大幅な減少ではないものの、高齢化社会の進展を考慮すると、今後も継続的な人材確保が必要な分野であることに変わりはない。介護職や看護職などを中心に人材需要は高い水準が続いている。

正社員採用の状況にも注目したい。就業地別正社員有効求人倍率は0.86倍となり、前年同月より0.09ポイント低下した。受理地別では0.76倍となり、同じく0.09ポイント低下している。新規求職者のうち正社員希望者の割合は57.5%である一方、新規求人のうち正社員求人の割合は51.9%にとどまっている。この差は、正社員として働きたい人の希望に対して正社員求人が十分に供給されていない状況を示している。

また、就職件数のうち正社員就職の割合は33.4%となり、前年同月より1.4ポイント低下した。求職者が正社員を希望していても、実際に正社員として就職できる割合はそれほど高くない現状がある。企業と求職者の希望条件が一致しにくくなっていることも背景にあるだろう。

雇用保険関連のデータからも、雇用環境の変化が読み取れる。雇用保険被保険者数は1,618,945人で前年同月比0.7%増加した。一方で雇用保険受給者実人員は22,965人となり、前年同月比12.4%増加している。さらに受給資格決定件数も10,813件で前年同月比5.8%増加した。これは離職者が増加している可能性を示唆しており、転職市場の活発化や企業の人員調整なども背景にあると考えられる。

こうした埼玉県の労働市場環境を踏まえると、中小企業の採用担当者には従来以上に戦略的な採用活動が求められる。有効求人倍率1.11倍という数字だけを見ると求人優位の市場に見えるが、実際には求職者数も増加しているため、企業にとっては採用のチャンスと捉えることもできる。

ただし、単に求人広告を掲載するだけでは十分な応募は期待できない。現在の求職者は給与や休日数だけでなく、職場環境や働き方、キャリア形成の機会、教育制度、企業文化などを総合的に評価して応募先を選んでいる。そのため中小企業は、自社の魅力を具体的かつ分かりやすく発信することが重要になる。

特に埼玉県は首都圏に位置しているため、大企業との採用競争が避けられない地域である。給与水準だけで勝負することは難しい場合が多いため、経営者との距離の近さ、成長機会の豊富さ、地域密着型企業としての安定性など、中小企業ならではの強みを明確に打ち出す必要がある。

また、有効求人倍率が低下傾向にある現在は、人材の定着にも目を向けるべき時期といえる。採用コストが上昇する中で、せっかく採用した人材が早期離職してしまうと企業への負担は大きくなる。入社後のフォロー体制や教育制度を整備し、長期的に活躍できる環境づくりを進めることが採用成功の重要な要素になる。

さらに採用対象の拡大も検討したい。若年層だけに限定するのではなく、子育て世代やシニア人材、未経験者、異業種からの転職希望者など、多様な人材を受け入れる体制を整えることで採用機会は大きく広がる。実際に求職者数が増加している現在は、新たな人材層との接点を増やす好機ともいえる。

2026年4月の埼玉県の有効求人倍率1.11倍は、求人超過が続きながらも市場環境が徐々に変化していることを示す数字となった。求人は前年を下回り、求職者は増加している。企業にとっては採用難がやや緩和される可能性もあるが、人材獲得競争がなくなるわけではない。これからの採用活動では、求人件数の多さではなく、自社の魅力をどれだけ正確に伝えられるか、そして採用後の定着まで見据えた人材戦略を構築できるかが大きな差となって表れてくるだろう。

⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ

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