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2026年6月18日

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2026年5月調査で判明した技能継承重視企業91.1%、それでも成功企業は33.3%にとどまるものづくり現場の実態

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記者発表『ものづくり産業における人材確保・定着と技能継承に関する調査』(2026年5月27日)(JILPT)

2026年5月27日、ものづくり産業における人材確保や定着、技能継承の実態に関する調査結果が公表されました。製造業を対象に実施された調査では、技能継承を重視する企業が9割を超える一方で、実際に技能継承が順調に進んでいると感じている企業は約3分の1にとどまることが明らかになりました。人材不足や熟練技能者の高齢化が進む中、多くの企業が将来に強い不安を抱えている実態が浮かび上がっています。

調査では、技能継承を「重視している」が51.8%、「やや重視している」が39.3%となり、合わせて91.1%に達しました。ものづくりの現場において、知識や技能を次世代へ引き継ぐことが極めて重要な課題として認識されていることがうかがえます。特に従業員300人以上の企業では、「重視している」と回答した割合が59.5%となり、規模の大きな企業ほど関心が高い傾向がみられました。

技能継承が必要と考える内容では、「正確・精緻に作業できる技」が66.3%で最も高くなりました。これに続いて、「トラブルや突発的なことが起きた時に対応できる力」が65.2%、「加工・作業方法を応用するなど創意工夫ができる力」が59.7%となっています。単なる作業手順だけではなく、経験に裏打ちされた判断力や応用力も重要な継承対象と考えられている状況です。

技能継承を進めるための取り組みでは、「再雇用や勤務延長などにより高年齢者従業員に継続して勤務してもらう」が54.8%で最も多くなりました。また、「継承すべき技能の見える化」が31.2%、「技能継承の対象となる者を選抜して訓練する」が27.9%となっています。熟練人材の経験を活用しながら、技能の体系化を進める動きが広がっていることが分かります。

一方で、技能継承が「うまくいっている」と回答した企業は1.9%、「ややうまくいっている」は31.4%でした。両者を合わせても33.3%にとどまり、約3分の2の企業は十分に進んでいないと認識しています。特に課題として挙げられたのが人材確保です。技能継承がうまくいっていない理由では、「若年従業員を十分に確保できていないから」が62.5%で最も高く、「時間的な余裕がないから」が50.0%、「指導者と指導を受ける側とのコミュニケーションが不足しているから」が27.3%となりました。

将来の技能継承に対する不安も深刻です。「不安がある」が23.7%、「やや不安がある」が61.8%となり、合わせて85.4%の企業が不安を抱えていました。不安の内容では、「熟練技能者の高齢化・退職が進んでいる」が63.0%で最も高く、「若手が採用できない」が57.0%、「中堅従業員が不足している」が51.9%で続いています。人材構成の変化が、技能継承の大きな障壁となっている現状が示されました。

こうした課題への対応策として、デジタル技術の活用も進められています。ものづくりの現場でデジタル技術を活用する目的として、「技能継承の円滑化」を挙げた企業は21.7%でした。活用している技術では、「デジタル手順書・電子マニュアル」が57.2%で最も多く、「動画によるマニュアル作成・共有」が41.7%、「AI」が35.1%となっています。従来は個人の経験や勘に依存していた技能を、デジタルデータとして蓄積し共有する動きが広がりつつあります。

デジタル技術の導入効果については、「継承すべき技術の見える化・標準化」が77.8%と最も高くなりました。「教育にかかる時間の短縮」は55.4%、「場所や時間の制約なく技能継承が可能」は49.1%となっています。技能継承の効率化や教育負担の軽減につながる効果が期待されていることが分かります。

その一方で、デジタル活用にも課題があります。「デジタル技術を活用できる人材の不足」が64.2%で最も高く、「ノウハウの不足」が49.3%、「コストが負担となる」が46.8%となりました。技能継承を支える新たな仕組みづくりには、人材育成や投資が必要であることも示されています。

人材不足の状況を見ると、「不足」が19.4%、「やや不足」が51.8%となり、合わせて71.2%の企業がものづくり人材の不足を感じていました。不足している人材では、「若手技能者」が68.5%、「若手技術者」が66.0%で特に高い割合となっています。将来の技能継承を担う若手人材の確保が、多くの企業にとって重要な経営課題となっていることが明確になりました。

今回の調査結果からは、技能継承の重要性を認識する企業が多数を占める一方で、人材不足や熟練技能者の高齢化によって継承が難しくなっている現状が読み取れます。さらに、デジタル技術の活用が広がる中でも、それを担う人材の不足という新たな課題も浮上しています。ものづくり産業における競争力維持と持続的な成長のためには、若手人材の確保と育成、そして技能の見える化を進める取り組みが今後さらに重要になりそうです。

⇒ 詳しくは独立行政法人 労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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