2026年7月26日
労務・人事ニュース
令和8年5月の群馬県有効求人倍率1.23倍、製造業1,474人の求人動向を採用に生かす
群馬県の令和8年5月有効求人倍率1.23倍と就業地別1.38倍の違い
令和8年6月30日、群馬労働局は令和8年5月分の労働市場速報を公表しました。群馬県の有効求人倍率は季節調整値で1.23倍となり、前月の1.20倍から0.03ポイント上昇しました。5か月ぶりの増加であり、全国平均の1.17倍を0.06ポイント上回っています。全国順位は17位となっており、群馬県では引き続き求人が求職を上回る状況が続いています。ただし、県内の雇用情勢については、求人が求職を上回って推移しているものの、求人は緩やかに減少しており、物価上昇などが雇用に与える影響に十分注意していく必要があるとされています。中小企業の採用担当者は、この1.23倍という数字を「採用競争がまだ続いている」と受け止めるだけでなく、「求人の総量は減っているが、必要な人材を確保したい企業は残っている市場」として読み解く必要があります。
令和8年5月の群馬県では、有効求人数が季節調整値で31,808人となり、前月比1.5%増加しました。一方、有効求職者数は25,865人で、前月比0.8%減少しています。求人が増え、求職者が減ったことで、有効求人倍率は前月より上昇しました。原数値では、有効求人数が30,758人で前年同月比7.2%減となり、39か月連続で前年同月を下回りました。有効求職者数も27,381人で前年同月比3.0%減となり、2か月連続の減少です。つまり、前月比では求人倍率が上がっている一方で、前年との比較では求人も求職者も減っています。採用担当者は、倍率の上昇だけを見て「求人を出せば人材が集まる」と考えるのではなく、求職者数そのものが減っていることを前提に、応募者に選ばれる求人内容を整える必要があります。
新規求人倍率は季節調整値で1.98倍となり、前月の1.99倍から0.01ポイント低下しました。新規求人数は季節調整値で10,771人となり、前月比4.4%減少しています。新規求職者数も5,435人で前月比3.9%減少しました。直近で新たに出る求人も、新たに求職活動を始める人も減っているため、採用市場には慎重な動きが見られます。原数値では、新規求人数が9,794人で前年同月比15.3%減となり、11か月連続で前年同月を下回りました。新規求職者数も5,440人で前年同月比10.8%減となり、2か月連続で減少しています。求人も求職者も前年より大きく減っているため、中小企業の採用活動では、応募を待つだけの姿勢から脱却し、求人情報の質と応募後の対応速度を高めることが重要です。
主要産業別の新規求人数を見ると、建設業は859人で前年同月比11.9%減、製造業は1,474人で7.5%減、情報通信業は47人で42.7%減、運輸業・郵便業は567人で8.0%増、卸売業・小売業は1,203人で32.9%減、宿泊・飲食サービス業は374人で14.4%減、医療・福祉は2,743人で13.5%減、サービス業は1,210人で12.8%減となりました。運輸業・郵便業は5か月ぶりに増加した一方、多くの主要産業では求人が減っています。特に卸売業・小売業は7か月連続の減少で、前年同月差も589人減と大きくなっています。医療・福祉も3か月ぶりに減少へ転じましたが、新規求人数は2,743人と県内で最も大きな規模を維持しています。求人の増減だけではなく、求人数の絶対量も見ながら、自社の採用難易度を判断することが欠かせません。
製造業は群馬県の雇用を考えるうえで重要な分野ですが、令和8年5月は新規求人数が1,474人となり、前年同月比7.5%減少しました。内訳を見ると、食料品は331人で16.4%減、プラスチック製品は157人で0.6%減、金属製品は188人で2.7%減、電子部品等は73人で15.1%減となりました。一方、はん用機械器具は119人で33.7%増、生産用機械器具は73人で15.1%増、電気機械器具は100人で9.9%増となっています。同じ製造業でも分野によって人材需要の強弱は異なります。中小製造業が求人を出す際には、「製造スタッフ」「工場作業」といった表現だけでは求職者に仕事内容が伝わりにくくなります。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、未経験者への教育、安全管理、交替勤務や残業の実態を具体的に示すことが、応募につながる第一歩です。
医療・福祉は前年同月比13.5%減となったものの、新規求人数は2,743人で大きな規模があります。高齢化が進む地域では、介護、福祉、医療関連の人材需要は短期的な求人増減だけでは測れません。中小規模の医療・福祉事業者が採用を進める場合、資格や経験の有無だけを前面に出すのではなく、勤務体制、夜勤の有無、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携を丁寧に伝える必要があります。特に未経験者やブランクのある人に対しては、最初に任せる業務、研修期間、相談できる体制を明示することで、応募前の不安を減らせます。採用難が続く分野ほど、求人票の誠実さが応募者の信頼につながります。
正社員有効求人倍率は原数値で1.01倍となり、前年同月の1.06倍から0.05ポイント低下しました。全国の正社員有効求人倍率は0.94倍であり、群馬県は全国を上回っていますが、前月の0.99倍からは上昇した一方で、前年同月より低い水準です。正社員の有効求人数は15,872人、正社員の有効求職者数は15,785人となっており、求人と求職者がほぼ均衡しています。中小企業が正社員を募集する場合、「正社員募集」だけでは応募者の関心を十分に引けません。求職者は、雇用の安定に加えて、給与、昇給、賞与、休日、残業時間、転勤の有無、評価制度、入社後の教育体制を見ています。人材を長く定着させたい企業ほど、採用段階で仕事内容と待遇を具体的に伝え、入社後のミスマッチを減らすことが大切です。
就業地別の有効求人倍率は1.38倍となり、受理地別の1.23倍を0.15ポイント上回りました。就業地別の新規求人倍率も2.21倍となっており、県内で実際に働く求人需要は強い状態です。これは、群馬県内を就業場所とする求人が一定数あり、地元で人材を確保したい企業にとって競争が続いていることを示します。地域採用では、勤務地名だけでなく、車通勤の可否、駐車場の有無、通勤手当、勤務開始時間、転勤の有無を具体的に伝えることが重要です。群馬県内では、地域によって公共交通機関の利便性や通勤距離が異なるため、応募者は「通いやすいか」「家庭と両立できるか」を重視します。求人票にこうした情報が不足していると、条件面で大きな差がなくても他社に流れる可能性があります。
雇用保険の状況を見ると、令和8年5月の受給資格決定件数は1,879件で前年同月比12.6%減少しました。一方、受給者実人員は6,131人で前年同月比5.1%増加しています。新たに失業給付の資格決定を受ける件数は減る一方で、実際に給付を受けている人は増えているため、再就職までに時間がかかる層が一定数いる可能性があります。中小企業にとっては、経験や年齢、ブランクだけで応募者を絞り込むのではなく、どの業務なら受け入れられるかを整理することが有効です。シニア人材、育児や介護と両立したい人、未経験から再就職したい人に対して、業務範囲や勤務時間を柔軟に設計できれば、採用の可能性は広がります。
令和8年5月の群馬県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.23倍は求人が求職を上回る状態を示しており、就業地別では1.38倍とさらに高い水準です。一方で、新規求人数は11か月連続、有効求人数は39か月連続で前年同月を下回っており、求人市場の勢いは強いとは言えません。求職者数も減っているため、採用活動では自社の魅力を具体的に伝える力が重要になります。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを明確にし、応募後は早く丁寧に連絡することが大切です。必須条件を絞り、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、経験豊富な人材を活用できる業務を見直すことで、採用の入口は広がります。有効求人倍率の動向からも、採用活動においては求人情報の出し方や応募者との接点づくりがより大切になっています。人材募集を検討されている企業の方は、日本全国どこでも対応できる採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までお気軽にご相談ください。
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