2026年6月24日
労務・人事ニュース
2026年4月香川県の有効求人倍率1.39倍で中小企業が採るべき採用施策
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最終更新: 2026年7月3日 10:03
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最終更新: 2026年7月3日 10:05
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最終更新: 2026年7月3日 15:32
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最終更新: 2026年7月3日 10:05
2026年4月香川県の有効求人倍率1.39倍と新規求職者4658人の変化
香川労働局が公表した2026年4月の雇用情勢によると、香川県の有効求人倍率は季節調整値で1.39倍となり、前月から0.01ポイント低下したものの、177か月連続で1倍台を維持した。全国平均の1.18倍を大きく上回り、全国でも上位に位置する水準となっている。求人が求職を上回る状況は長期間継続しており、県内企業にとって人材確保が依然として重要な経営課題であることが数字から読み取れる。
今回の発表では、有効求人倍率が1.39倍となった一方で、雇用情勢判断については「求人が求職を上回って推移しているものの、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる。今後も物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要がある」とされている。これは単純に求人が多いという状況だけではなく、企業活動を取り巻く環境に変化が生じていることを示唆している。
有効求人倍率1.39倍という数字は、求職者1人に対して約1.4件の求人が存在することを意味する。企業側から見れば、採用活動を行っても応募者が集まりにくい市場環境が続いていることになる。特に中小企業にとっては、大企業との人材獲得競争だけでなく、同業他社との競争も激しくなっている状況といえる。
過去の推移を見ると、香川県の有効求人倍率は2025年11月に1.39倍、12月に1.41倍、2026年1月には1.43倍まで上昇した。その後は2月が1.40倍、3月も1.40倍、そして4月が1.39倍となっている。高い水準を維持している一方で、直近ではやや低下傾向も見られる。この動きだけを見ると採用環境が改善しているようにも見えるが、依然として1倍を大きく上回る状況であることに変わりはない。
企業の採用担当者が注目すべき点は、求人倍率がわずかに低下したからといって採用難が解消されたわけではないことである。むしろ高い求人倍率が長期間継続していることで、求職者の企業選択眼は以前より厳しくなっている。給与や休日数だけではなく、働きやすさや成長環境、企業文化まで含めて比較検討される時代になっている。
新規求人の動向を見ると、2026年4月の新規求人数は8,468人となり、前年同月比4.3%増加した。3か月ぶりの増加となり、企業の採用意欲そのものは依然として高いことが分かる。求人が増加した主な産業としては、サービス業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業が挙げられている。
サービス業の求人増加は、地域経済を支える幅広い分野で人材需要が高まっていることを示している。観光や地域サービス、各種事業支援サービスなど、地域経済を支える現場では慢性的な人手不足が続いていると考えられる。また、運輸業や郵便業の求人増加は物流需要の継続的な拡大を反映している可能性がある。電子商取引の普及や物流網維持の重要性が高まる中で、ドライバーや物流関連人材への需要は今後も高い水準で推移すると予想される。
一方で、宿泊業・飲食サービス業、建設業、不動産業・物品賃貸業では求人が減少した。これは必ずしも人手不足の解消を意味するものではない。物価上昇や資材価格高騰、人件費上昇などを背景として、企業が採用計画そのものを見直している可能性も考えられる。特に中小企業では人件費の上昇が経営に与える影響が大きいため、採用人数の抑制や採用基準の見直しを進めるケースもある。
新規求職者数は4,658人となり、前年同月比1.2%減少した。2か月ぶりの減少であり、仕事を探す人の数が再び減少傾向に入ったことを示している。新規求人が増加し、新規求職者が減少していることから、企業の採用競争は今後さらに激しくなる可能性がある。
この状況を中小企業の採用担当者はどのように受け止めるべきだろうか。まず重要なのは、求人広告を出せば応募が集まるという考え方から脱却することである。有効求人倍率1.39倍の市場では、企業が求職者を選ぶのではなく、求職者から選ばれる企業になる必要がある。
特に香川県内の中小企業は、自社の強みを改めて整理し、求職者へ分かりやすく伝えることが求められる。例えば地域密着型企業であれば、転勤が少ないことや地域社会への貢献度が高いことを訴求できる。製造業であれば高度な技術力や安定した取引基盤をアピールできる。サービス業であれば顧客との距離の近さややりがいを伝えることができる。
また、正社員有効求人倍率にも注目する必要がある。2026年4月の正社員有効求人倍率は1.16倍となり、前年同月から0.05ポイント低下した。しかし全国平均の0.95倍を上回っており、正社員人材の需要は依然として高い。企業が長期的な戦力を求めていることが分かる一方で、求職者側も安定した雇用を重視している傾向が続いている。
中小企業にとって正社員採用を成功させるためには、給与だけで勝負するのではなく、長期的なキャリア形成を提示することが重要になる。入社後にどのような成長が期待できるのか、どのような役職や専門性を目指せるのかを具体的に示すことで、求職者の安心感につながる。
さらに、採用活動と定着支援を一体で考える視点も必要である。採用市場が厳しい状況では、新たな人材を採用するだけでなく、現在働いている社員の離職防止も極めて重要になる。給与改定や福利厚生の見直し、働き方改革の推進、職場コミュニケーションの活性化などを通じて、社員満足度を高める取り組みが求められる。
近年は若年層を中心にワークライフバランスを重視する傾向が強まっている。休日数や残業時間、有給休暇取得率などは応募判断に大きな影響を与える。採用担当者は自社の労働環境を客観的に見直し、改善できる部分については積極的に改革を進めるべきだろう。
また、採用手法そのものの見直しも重要である。ハローワークだけに依存するのではなく、自社採用サイトやSNS、求人媒体、社員紹介制度など複数の採用チャネルを活用することで接触できる求職者層を広げることができる。特に若年層へのアプローチではデジタル活用が欠かせない時代となっている。
有効求人倍率1.39倍という数字は、一見すると採用担当者にとって厳しい現実を示しているように見える。しかし見方を変えれば、採用活動の質を高めることで競争優位を築く機会でもある。求人票の内容を充実させ、企業の魅力を積極的に発信し、入社後の成長環境を整備している企業は、同じ市場環境の中でも安定した採用成果を上げている。
今後は物価上昇や経済環境の変化が雇用市場へ影響を与える可能性も指摘されている。そのため採用担当者には短期的な応募数だけを見るのではなく、中長期的な人材戦略を描くことが求められる。どの職種で何人必要なのか、その人材をどのように育成するのか、どのような働き方を提供するのかを明確にすることで、採用活動は単なる人員補充から企業成長を支える経営戦略へと変わる。
2026年4月の香川県の雇用情勢は、求人が求職を上回る状況が続く一方で、持ち直しの動きに弱さも見られるという特徴を持っている。しかし有効求人倍率1.39倍という高水準は、人材確保の重要性が今後も続くことを示している。中小企業の採用担当者は、この数字を単なる統計データとして捉えるのではなく、自社の採用力や定着力を見直すきっかけとして活用することが重要である。求職者から選ばれる企業づくりを進めることが、これからの採用成功の鍵となるだろう。
⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ


