2026年6月24日
労務・人事ニュース
2026年4月島根県の有効求人倍率1.51倍と建設業34.6%増求人の現状
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最終更新: 2026年6月26日 04:34
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最終更新: 2026年6月26日 01:41
2026年4月島根県の有効求人倍率1.51倍から見る人材不足の現実
島根労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の雇用情勢によると、島根県の有効求人倍率は季節調整値で1.51倍となり、前月の1.45倍を0.06ポイント上回った。これにより県内の有効求人倍率は2か月連続で上昇したことになる。全国平均の1.18倍と比較しても高い水準を維持しており、島根県では依然として求職者より求人の方が多い状況が続いている。月間有効求人数は17,711人で前月比5.7%増加し、月間有効求職者数は11,733人で前月比1.8%増加した。求人、求職ともに増加しているが、求人の伸びが上回ったことで有効求人倍率が上昇した。
島根労働局は県内の雇用情勢について、改善の動きが弱まっているとの判断を示している。その一方で、物価上昇などの影響について十分に留意する必要があるとしている。雇用市場は一定の求人需要を維持しているものの、企業活動や消費動向を取り巻く環境は決して楽観視できる状況ではない。企業の採用担当者にとっては、人材確保と経営環境の変化への対応を同時に進めることが求められている。
有効求人倍率1.51倍という数字は、求職者1人に対して1.51件の求人が存在することを意味する。全国平均を大きく上回るこの水準は、島根県における慢性的な人手不足を反映している。特に地方では人口減少や若年層の県外流出が続いており、企業は限られた労働力を巡って競争している状況だ。採用担当者は単に求人票を出すだけでは応募が集まらないことを前提に採用活動を組み立てる必要がある。
原数値ベースで見ると、月間有効求人数は17,695人となり前年同月比6.8%増加した。一方で月間有効求職者数は12,808人で前年同月比0.4%減少している。有効求人倍率は1.38倍となり前年同月から0.09ポイント上昇した。求人が増え、求職者が減少していることから、企業側の採用難易度は前年よりも高まっていると考えられる。
新規求人の動向を見ると、2026年4月の新規求人数は6,454人となり、前年同月比で721人、12.6%増加した。企業の採用意欲は依然として強いことがうかがえる。特に産業別の動向を見ると、建設業は813人で前年同月比34.6%増、製造業は830人で39.5%増となった。さらに情報通信業は235人で147.4%増という大幅な増加を記録している。
建設業の求人増加は公共工事や民間投資の継続、技術者不足への対応などが背景にあると考えられる。製造業では設備更新や生産体制強化に伴う人材需要が高まっている可能性がある。情報通信業についてはデジタル化の進展やIT人材不足を背景として採用活動が活発化していることが読み取れる。
一方で全ての業界が好調というわけではない。不動産業・物品賃貸業は31人で前年同月比50.8%減となり、サービス業全体でも25.7%減少した。公務・その他も21.0%減となっている。業種によって採用需要には大きな差があり、採用担当者は自社業界の状況だけでなく地域全体の雇用環境を把握することが重要である。
特に注目したいのは医療・福祉分野である。新規求人数は1,336人となり全産業の中でも圧倒的に多い水準を維持している。高齢化が進む島根県では今後も医療や介護分野の人材需要が継続する可能性が高い。人材不足が長期化する中で、給与だけではなく働きやすさや教育体制、キャリア形成支援などを含めた総合的な職場環境整備が求められる。
正社員市場に目を向けると、2026年4月の正社員有効求人倍率は1.41倍となった。前年同月の1.23倍から0.18ポイント上昇している。有効求人数17,695人のうち正社員求人は9,687人で、全求人に占める割合は54.7%となった。これは企業が非正規雇用だけではなく、正社員採用にも積極的であることを示している。
中小企業の採用担当者にとって、この1.41倍という数字は重要な意味を持つ。正社員を希望する求職者よりも正社員求人の方が多い状態であるため、条件面での競争が避けられない。特に大手企業との採用競争において給与だけで勝負することは難しい。そのため地域密着型企業としての魅力や経営者との距離の近さ、幅広い業務経験を積める環境など、中小企業ならではの強みを積極的に伝える必要がある。
求職者の動向を見ると、新規求職者数は3,680人で前年同月比1.0%増加した。大きな増加ではないが、求職活動を始める人は引き続き一定数存在している。態様別に見ると在職者が874人で前年同月比25.8%増となったことが特に注目される。現在仕事を持ちながら転職活動を行う人が増えていることを意味している。
これは採用担当者にとって大きなヒントとなる。従来のように失業者だけを対象とした採用活動ではなく、在職中の転職希望者を意識した採用広報が必要になっている。例えば夜間やオンラインでの面接対応、柔軟な入社時期の設定、キャリアアップを意識した求人内容の発信などが有効になるだろう。
一方で離職者は2,479人となり前年同月比5.3%減少した。事業主都合離職者は742人で12.9%減少し、自己都合離職者は1,538人で0.8%減少した。離職者市場だけを見ると求職者の供給はやや減少傾向にある。そのため企業は待ちの採用ではなく、自ら求職者へ情報を届ける攻めの採用活動が求められる。
就職状況を見ると、4月の就職件数は947件となり前年同月比12.2%減少した。就職率も25.7%で前年同月から3.9ポイント低下している。求職者が存在していても、求人と求職者の希望条件が一致しないミスマッチが生じている可能性がある。
この結果から中小企業の採用担当者が学ぶべき点は多い。求人票に記載する仕事内容や勤務条件を分かりやすく伝えることはもちろん、応募者とのコミュニケーションを強化し、自社で働く具体的なイメージを持ってもらうことが重要である。採用活動は求人掲載だけで完結する時代ではなくなっている。
地域別の有効求人倍率を見ると、県東部は1.44倍、県央は1.05倍、県西部は1.22倍となった。安定所別では隠岐の島が1.84倍で最も高く、松江は1.55倍、出雲は1.35倍となっている。地域によって採用環境に大きな差があることが分かる。採用担当者は県全体の数字だけではなく、自社が所在する地域の求人倍率も確認することが重要である。
また、人員整理の状況を見ると、4月の人員整理実施事業所は74事業所で前年同月比5.7%増加した。解雇者数は211人で前年同月比32.6%減少している。人員整理が実施されている一方で解雇者数は減少しており、企業が慎重に人員調整を進めている様子がうかがえる。
雇用保険の状況では、受給資格決定件数が1,170件で前年同月比0.6%増加し、受給者実人員は2,282人で3.9%増加した。一方で雇用保険被保険者数は194,701人となり前年同月比0.4%減少した。雇用者総数の減少は人口減少や高齢化の影響も考えられ、今後の採用市場において人材確保がさらに難しくなる可能性を示唆している。
2026年4月の島根県の雇用情勢を総合的に見ると、有効求人倍率1.51倍という高い水準が続いており、人材確保競争は依然として厳しい状況にある。一方で在職者の転職意欲が高まっていることや、新規求人が増加していることなど、市場には新たな変化も生まれている。中小企業の採用担当者は求人倍率の高さを悲観するのではなく、自社の魅力を整理し、求職者目線で情報発信を行うことが重要である。地域社会への貢献度や働きやすい環境、成長機会などを具体的に伝えながら、採用から定着まで一貫した人材戦略を構築することが今後の競争力につながるだろう。
⇒ 詳しくは島根労働局のWEBサイトへ


