2026年7月27日
労務・人事ニュース
滋賀県の令和8年5月有効求人倍率1.06倍、全国1.17倍を下回る市場で企業が見るべき点
滋賀県の令和8年5月有効求人倍率1.06倍を採用サイト活用に生かす視点
令和8年6月30日、滋賀労働局は令和8年5月分の一般職業紹介状況を公表しました。県内の雇用情勢については、緩やかに持ち直しの動きが見られるものの、物価上昇や中東情勢などが雇用に与える影響に引き続き注意する必要があるとされています。令和8年5月の有効求人倍率は季節調整値で1.06倍となり、前月から0.04ポイント上昇しました。2か月連続の上昇であり、求人が求職を上回る状態が続いています。ただし、全国の有効求人倍率は1.17倍、近畿は1.08倍であり、滋賀県は全国を下回り、近畿平均もわずかに下回る水準です。一方、就業地別の有効求人倍率は1.33倍で、前月から0.04ポイント上昇しました。受理地別では1.06倍でも、県内で実際に働く求人を基準にすると1.33倍まで高まるため、滋賀県内を勤務地とする人材需要は数字以上に強いと見る必要があります。中小企業の採用担当者は、この1.06倍という数字だけを見て採用しやすいと判断するのではなく、勤務地や職種によって競争の強さが変わる市場として、求人内容と応募者対応を見直すことが重要です。
令和8年5月の有効求人数は季節調整値で22,224人となり、前月より779人、3.6%増加しました。4か月ぶりの増加です。一方、有効求職者数は20,984人で、前月より139人、0.7%減少し、2か月連続の減少となりました。求人が増え、求職者が減ったことで、有効求人倍率は上昇しました。採用担当者にとって重要なのは、求職者が減っている局面では、求人を出して待つだけでは十分な応募が得にくいという点です。求職者は複数の求人を比較しながら、給与、休日、勤務時間、勤務地、通勤しやすさ、職場環境、教育体制を確認しています。中小企業は知名度や採用予算で大企業と同じ土俵に立ちにくい場合がありますが、求人票で仕事の具体性や職場の安心感を丁寧に伝えることで、応募者の検討対象に入りやすくなります。
新規求人倍率は季節調整値で1.85倍となり、前月から0.16ポイント上昇しました。こちらも2か月連続の上昇です。新規求人数は8,412人で前月比7.4%増となり、2か月連続で増加しました。一方、新規求職者数は4,551人で前月比1.9%減となり、2か月ぶりの減少です。新たに出される求人が増え、新たに仕事を探し始める人が減ったことで、新規求人倍率は大きく上昇しました。就業地別の新規求人倍率も2.23倍で、前月から0.16ポイント上がっています。直近で採用を始める企業にとっては、応募者との接点をいかに早く作るかが大きな課題になります。応募後の初回連絡が遅い、面接日程の候補が少ない、選考結果の案内が不明確といった対応は、候補者が他社へ流れる原因になります。特に採用担当者が他業務を兼ねる中小企業では、求人掲載前に応募対応の流れを決めておくことが欠かせません。
原数値で見ると、令和8年5月の新規求人数は7,246人で、前年同月比1.2%増となり、4か月ぶりに増加しました。産業別では、建設業が519人で5.1%増、宿泊業・飲食サービス業が498人で24.2%増、生活関連サービス業・娯楽業が251人で15.1%増、サービス業が1,347人で63.7%増となっています。学術研究・専門・技術サービス業も116人で3.6%増でした。一方、製造業は1,048人で7.8%減、情報通信業は13人で53.6%減、運輸業・郵便業は535人で0.4%減、卸売業・小売業は697人で29.6%減、教育・学習支援業は114人で18.6%減、医療・福祉は1,710人で9.4%減となりました。求人が増えている業種では同業他社との競争が強まりやすく、求人が減っている業種でも人手不足が解消したとは限りません。採用人数や募集時期を慎重に見直している企業がある一方で、現場では必要な人材を探し続けているケースも多いはずです。
製造業は滋賀県の雇用を考えるうえで重要な分野ですが、令和8年5月は新規求人数が前年同月比7.8%減となりました。製造業を募集する中小企業は、「製造スタッフ」や「工場内作業」といった大まかな表現だけでは、応募者に仕事の実態を伝えきれません。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、未経験者への研修、安全教育、交替勤務の有無、残業時間の目安を具体的に示すことが重要です。特に未経験者を採用したい場合は、最初に任せる作業、教育担当者の有無、独り立ちまでの目安を明記すると、応募者は入社後の働き方を想像しやすくなります。経験者採用が難しい時期ほど、企業側が育成できる範囲を明確にすることが、採用の入口を広げる現実的な方法になります。
医療・福祉は前年同月比9.4%減となったものの、新規求人数は1,710人で、県内の主要な求人分野であることに変わりはありません。介護、福祉、医療関連の現場では、資格や経験だけでなく、勤務体制、夜勤の有無、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携が応募判断に大きく影響します。求人票に「未経験歓迎」「資格者優遇」と書くだけでは、求職者の不安は十分に解消されません。入職後にどの業務から始めるのか、誰に相談できるのか、どのようにシフトが組まれるのかを具体的に示すことで、未経験者やブランクのある人も応募を検討しやすくなります。採用難が続く分野ほど、求人情報の誠実さが信頼につながります。
雇用形態別では、正社員有効求人倍率が原数値で0.81倍となり、前年同月から0.06ポイント上昇しました。19か月連続の上昇です。正社員新規求人数は3,432人で前年同月比5.4%増となり、2か月連続で増加しました。新規求人数に占める正社員求人の割合は47.4%で、前年同月より1.9ポイント上昇しています。正社員求人は増えているものの、倍率は1倍を下回っているため、正社員を希望する求職者の方が求人より多い状態です。しかし、これは企業が簡単に採用できるという意味ではありません。求職者は、正社員という雇用形態だけで応募を決めるのではなく、給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。中小企業が正社員を募集する場合は、安定雇用に加えて、入社後の役割や成長の見通しを丁寧に伝える必要があります。
求職者側の動向を見ると、令和8年5月の新規求職者数は原数値で4,286人となり、前年同月比7.1%減少しました。2か月連続の減少です。このうちパートを除く常用の新規求職申込者数は2,306人で、前年同月比8.9%減となりました。態様別では、在職者が705人で7.4%減、離職者が1,424人で10.9%減、自己都合離職者が971人で14.6%減となっています。一方、事業主都合離職者は385人で3.5%増、無業者は177人で3.5%増となりました。在職中に転職活動を始める人が減っていることは、経験者採用を考える企業にとって大きな課題です。在職者は現在の職場と比較して応募先を選ぶため、今の会社を辞めてでも応募したいと思える理由が必要になります。給与だけでなく、通勤のしやすさ、休日の取りやすさ、残業の少なさ、仕事の裁量、職場の雰囲気、地域で長く働ける安心感を求人情報に盛り込むことが効果的です。
地域別に見ると、滋賀県内でも採用環境には違いがあります。令和8年5月の原数値では、大津所の有効求人倍率が0.80倍、高島出張所が1.21倍、長浜所が1.00倍、彦根所が1.34倍、東近江所が0.81倍、甲賀所が0.97倍、草津所が0.94倍となっています。県全体では1.06倍ですが、地域によって求人と求職者のバランスは大きく異なります。彦根や高島のように倍率が1倍を上回る地域では、企業間の採用競争が強まりやすく、大津、東近江、草津のように1倍を下回る地域でも、職種や勤務条件が合わなければ応募にはつながりません。採用担当者は、勤務地周辺の通勤事情、車通勤の可否、駐車場、勤務開始時間、転勤の有無、家庭との両立のしやすさを求人票に明記することが重要です。
令和8年5月の滋賀県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.06倍は求人が求職を上回る状態を示していますが、全国平均を下回り、正社員有効求人倍率は0.81倍にとどまります。一方で、就業地別有効求人倍率は1.33倍、新規求人倍率は1.85倍であり、県内を勤務地とする求人需要や直近の採用競争は決して弱くありません。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を整理するべきです。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ


