2026年4月15日
労務・人事ニュース
2026年3月27日閣議決定、2030年訪日外国人6,000万人と消費額15兆円を掲げた観光立国推進基本計画(第5次)
「観光立国推進基本計画」を閣議決定(観光庁)
2026年3月27日、政府は観光政策の中長期的な方向性を示す「観光立国推進基本計画」を閣議決定した。この計画は観光立国推進基本法に基づき策定されたもので、2026年度から2030年度までの5年間を対象期間としている。観光を我が国の成長を支える戦略産業と位置づけ、その持続的な発展と地域経済の活性化を両立させることを目的として取りまとめられた。
今回の計画では、日本の魅力や地域資源を将来世代へ引き継ぎながら、観光を通じて経済成長を促進する方向性が示された。観光需要の拡大だけでなく、地域ごとの特性を活かした誘客や、観光と交通、まちづくりとの連携強化が重視されている。さらに、デジタル技術の活用を通じた観光分野の高度化も重要な柱とされており、観光産業全体の競争力向上が求められている。
政策の具体的な方向性としては、訪日外国人旅行者の誘客を戦略的に進める一方で、地域住民の生活環境との調和を図ることが掲げられた。近年課題となっている観光地の混雑問題に対応するため、地方への誘客を進めることで需要の分散を図る考えが示されている。また、国内旅行の活性化や海外への渡航促進も含め、人の移動を多面的に活発化させる方針が打ち出された。
観光産業の基盤強化も重要なテーマとされている。人材確保やデジタル化の推進により、観光サービスの質を高めるとともに、多様な国や地域に向けたプロモーションを強化することで、安定した需要の創出を目指す。これにより、観光を単なる消費活動にとどめず、地域の価値創出につなげることが期待されている。
数値目標としては、2030年に訪日外国人旅行者数6,000万人、旅行消費額15兆円という従来の目標を維持しつつ、新たに地方誘客に関する指標が設定された。特に、地方部への宿泊者数の増加やリピーターの拡大に重点が置かれ、観光の地域分散を一層推進する方向性が明確化された。また、観光公害の未然防止や抑制といった観点から、持続可能性に配慮した新たな目標も盛り込まれている。
今回の計画は、人口減少や地域経済の縮小といった構造的課題に対し、観光を通じて新たな価値を創出することを狙いとしている。観光を起点に交通や都市政策と連携させることで、地域の魅力を高めながら持続的な発展を実現する枠組みが示された。今後は、この計画に基づく具体的な施策の実行と、その効果の検証が重要な課題となる。
⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ


