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2026年5月9日

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令和7年度第4四半期の申請3件と終了5件から見る建設紛争処理の現状と課題分析

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中央建設工事紛争審査会紛争処理状況(令和7年(2025年)度第4四半期)(国交省)

令和8年4月15日、建設工事に関する紛争の解決状況について、最新の四半期データが公表された。今回の対象は令和7年度第4四半期であり、裁判によらない紛争解決を担う機関の運用実態が明らかとなった。建設工事に関する契約トラブルを迅速かつ適切に処理する仕組みとして、制度の実効性が改めて問われる内容となっている。

この制度は、建設業法に基づき設置されたもので、国および各地域において紛争の円滑な解決を目的として運用されている。裁判手続きと比べて簡易で迅速な対応が可能とされており、工事契約に関わる当事者にとって重要な選択肢の1つとなっている。四半期ごとに処理状況が報告される仕組みとなっており、透明性の確保にも配慮されている点が特徴である。

今回の四半期における新規申請件数は3件で、前年同期と同数となった。前期から繰り越された案件は25件存在しており、今期中に終了した件数は5件となっている。これらの結果、次期へ持ち越される案件は23件となり、一定数の未処理案件が継続している状況が確認された。案件の増減は大きくないものの、継続的な処理体制の維持が求められる。

手続き別の内訳を見ると、調停による申請が中心となっており、あっせんや仲裁の利用は限定的となっている。今期終了した5件のうち、成立に至った案件は1件にとどまり、打ち切りや取り下げなどで終了したケースも複数確認されている。仲裁に関しては判断に至った案件はなく、利用実態に偏りが見られる結果となった。

申請内容の特徴としては、すべての案件が下請負人から元請負人に対するものとなっている点が挙げられる。工事の種類別では建築、土木、設備にまたがる申請が確認されており、特定分野に偏らない傾向が見られる。一方で、電気工事やその他の分類では申請は確認されていない。こうした傾向から、下請構造における契約関係の課題が浮き彫りとなっている。

紛争の内容では契約解除に関するものが2件と最も多く、次いで下請代金に関する争いが1件となっている。工事の瑕疵や遅延、工事代金そのものに関する争いは確認されておらず、契約関係の終了や支払いに関する問題が中心となっている点が特徴的である。こうしたデータは、現場における契約管理の重要性を示す材料となる。

制度の運用状況からは、紛争解決の手段として一定の機能を果たしている一方で、解決に至るまでのプロセスや利用の偏りといった課題も見受けられる。今後は、より多様な紛争類型への対応や、手続きの活用促進が重要になると考えられる。関係者にとっては、トラブル発生時の対応手段として本制度の理解を深めることが、円滑な事業運営につながる可能性がある。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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