2026年6月2日
労務・人事ニュース
2026年に明らかになった能登半島地震13.9%の民有地活用実績と災害対応人材確保で採用担当者が知るべき最新課題とは
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最終更新: 2026年6月1日 10:07
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最終更新: 2026年6月1日 17:35
災害時における応急仮設住宅の提供等に関する調査<結果に基づく通知>(総務省)
2026年5月13日、災害発生時の住まい確保を巡る課題について調査を進めていた関係機関は、応急仮設住宅の提供等に関する調査結果を公表し、結果に基づく通知を関係府省に行いました。近年発生した大規模災害では、自宅の損壊などによって住環境を失った被災者が避難所や親族宅などで長期間の避難生活を余儀なくされる事例が相次いでおり、その背景には賃貸型応急住宅や建設型応急住宅の供給に時間を要している現状があるとしています。さらに、南海トラフ地震や首都直下地震では、これまで以上に多くの応急仮設住宅が必要になると想定されており、発災前の備えの重要性が一段と高まっています。
こうした状況を踏まえ、被災地となった地域に加え、今後大規模災害の発生が想定される地域を対象に、応急仮設住宅の提供体制や事前準備の実態について調査が行われました。その結果、迅速な住宅提供に向けた取組が進む一方で、地方公共団体ごとに準備状況や推計精度に差があることが明らかになりました。応急仮設住宅を迅速に提供するためには、発災後に必要となる戸数や供給可能戸数を事前に推計しておくことが欠かせませんが、調査では建設用地だけでなく建設資材の供給能力まで加味して精緻な推計を行っている事例がある一方、半壊世帯を考慮せず必要戸数を算出している例や、賃貸型応急住宅の供給可能戸数そのものを推計していない例も確認されました。
賃貸型応急住宅については、被災者、物件所有者、地方公共団体の3者による契約方式が基本とされています。しかし、大規模災害の現場では、被災者が早期に住まいを確保するため、まず被災者と物件所有者が賃貸契約を結び、その後に地方公共団体を加えた契約へ切り替える遡及契約方式による入居が相当数発生している実態が明らかになりました。この方式では、既存契約の解除や家賃の返金といった事務手続が発生するため、平時からの準備が必要になると指摘されています。
実際に過去の大規模災害では、遡及契約方式の利用割合が高い水準となっていました。調査によると、熊本地震では賃貸型応急住宅への入居のうち約5割が遡及契約方式によって行われており、能登半島地震ではその割合が7割を超えていました。一方で、大規模災害が想定される地域では、この方式が例外的な位置付けとされてきたことから、具体的な準備を進めていなかった地方公共団体も多く、実際の運用事例や想定されるトラブル、事務処理の流れなど、より具体的な情報提供を求める声が上がっていたことも確認されています。
建設型応急住宅についても、新たな課題が浮き彫りになりました。建設用地は原則として公有地を活用することとされていますが、大規模災害では候補地そのものが被災するケースもあり、実際には民有地が数多く利用されていることが分かりました。調査では、能登半島地震における民有地利用の実績が、事前の想定を大きく上回っていたことが確認されています。事前想定では建設候補地に占める民有地の割合は2.8%でしたが、実際の利用実績は13.9%に達しており、災害発生時には柔軟な用地確保が不可欠である実態が浮かび上がりました。
一方で、大規模災害が想定される地域における建設型応急住宅の候補地を見ると、民有地の割合は4.2%にとどまっていました。候補地の確保に苦慮している地方公共団体からは、平時の段階で民有地を確保した具体的な事例や、所有者との調整方法、協定締結までの流れなど、実務に役立つ情報の共有を求める意見も寄せられています。今後発生が想定される広域災害に備えるうえで、公有地だけに依存しない候補地確保の仕組みづくりが重要な課題になっています。
今回の調査結果を受けて、関係機関は、災害時の応急仮設住宅に係る事前準備をさらに強化するため、必要な対応を求めました。具体的には、応急仮設住宅の必要戸数や供給可能戸数を推計する際に考慮すべき事項を整理し、全国の地方公共団体に周知することに加え、これまで例外的な位置付けだった遡及契約方式について、その位置付けを見直し、具体的な事例や想定されるトラブルなどの情報提供を充実させるよう求めています。さらに、建設候補地として民有地を活用している先行事例を収集し、共有することで、平時からの検討を促進する必要性も示されました。
近年の大規模災害では、避難所での生活が長期化することによって、健康面や生活再建への影響が深刻化するケースも少なくありません。被災者が1日でも早く安定した住環境を確保し、生活再建への一歩を踏み出せる体制を整えるためには、発災後の対応だけではなく、発災前からの制度設計と現場レベルでの準備が欠かせません。今回明らかになった各地域の課題や先進事例は、今後想定される広域災害への備えを強化するうえで、重要な判断材料になりそうです。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ


