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2026年7月27日

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令和8年5月の兵庫県有効求人倍率0.94倍、正社員0.72倍から読む人材確保

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令和8年5月の兵庫県有効求人倍率0.94倍と地域別採用環境の見方

令和8年6月30日、兵庫労働局は令和8年5月分の一般職業紹介状況を公表しました。兵庫県の有効求人倍率は季節調整値で0.94倍となり、前月と同水準でした。全国の有効求人倍率は1.17倍、近畿計は1.08倍であり、兵庫県は全国平均と近畿平均のいずれも下回っています。県内の雇用失業情勢については、求職が求人を上回り、持ち直しの動きが弱まっているとされ、物価上昇等が雇用に与える影響にも引き続き注意が必要とされています。求人倍率が1倍を下回ると、数字上は求職者の方が求人より多い状態を示します。しかし、中小企業の採用担当者は、この0.94倍という数字を「応募者が多く採用しやすい」と単純に受け止めるべきではありません。実際の採用では、職種、勤務地、勤務時間、賃金、雇用形態が合わなければ応募にはつながらず、求人倍率が低くても人材確保が難しい職種は少なくありません。

令和8年5月の有効求人数は季節調整値で75,705人となり、前月比1.3%増加しました。2か月連続の増加です。一方、有効求職者数も80,705人となり、前月比1.5%増加しました。こちらも2か月連続で増えています。求人も求職者も増えましたが、求職者の増加幅が求人の増加幅を上回ったため、有効求人倍率は前月から横ばいとなりました。原数値では、有効求人数が72,790人で前年同月比5.8%減少し、27か月連続で前年同月を下回りました。有効求職者数は85,555人で前年同月比0.8%減少し、7か月連続の減少です。つまり、前月比では求人が増えている一方で、前年と比べると求人は長く減少しています。企業側には採用を慎重に進める姿勢が残っており、求職者側も積極的に動いているとは言い切れません。

新規求人倍率は季節調整値で1.67倍となり、前月より0.02ポイント上昇しました。2か月ぶりの上昇です。新規求人数は26,467人で前月比0.8%増となり、3か月連続で増加しました。新規求職者数は15,869人で前月比0.2%減となり、3か月ぶりに減少しています。新たに求人を出す企業が増え、新たに求職活動を始める人が減ったため、新規求人倍率が上昇しました。原数値では、新規求人数が23,378人で前年同月比8.6%減となり、13か月連続で減少しました。新規求職者数も15,680人で前年同月比3.6%減となり、3か月ぶりに減少しています。採用担当者にとって重要なのは、直近で動き出す求職者が限られているという点です。求人を掲載して待つだけでは応募が集まりにくく、応募が来た後の初回連絡、面接日程の調整、選考結果の案内までを早く丁寧に進める必要があります。

就業地別の有効求人倍率は季節調整値で1.08倍となり、前月と同水準でした。受理地別では0.94倍ですが、就業地別では1倍を上回っています。これは、兵庫県内のハローワークで受理された求人を基準にすると求職が求人を上回る一方、実際に兵庫県内で働く求人を基準にすると求人が求職を上回る状態であることを示します。中小企業の採用担当者は、受理地別の0.94倍だけを見て採用環境を判断するのではなく、就業地別の1.08倍も合わせて見る必要があります。県内で働く人材への需要は残っており、勤務地や職種によっては採用競争が続いているためです。勤務地の最寄り駅、車通勤の可否、駐車場、通勤手当、転勤の有無、勤務開始時間、家庭との両立のしやすさなど、応募者が実際に働けるかを判断する情報を求人票に具体的に記載することが大切です。

地域別の有効求人倍率を見ると、兵庫県内でも採用環境には大きな差があります。令和8年5月の原数値では、神戸地域が0.87倍、阪神地域が0.69倍、東播磨地域が0.78倍となり、いずれも1倍を下回りました。一方、西播磨地域は1.06倍、但馬地域は1.00倍、丹波地域は0.98倍、淡路地域は1.61倍となっています。淡路地域は高い水準を維持しており、地域内で人材を確保する企業同士の競争が強くなりやすい状況です。神戸や阪神のように求人倍率が低い地域でも、事務職と介護職、製造職、接客職では採用難易度が大きく異なります。中小企業は県全体の平均だけでなく、自社の勤務地に近い地域の状況を見ながら、求人内容を調整する必要があります。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は全産業で23,378人となり、前年同月比8.6%減少しました。建設業は1,789人で8.0%減、製造業は2,287人で9.1%減、運輸業、郵便業は1,571人で5.6%減、卸売業、小売業は2,448人で13.5%減、宿泊業、飲食サービス業は1,090人で21.0%減、生活関連サービス業、娯楽業は559人で14.3%減、教育、学習支援業は280人で20.7%減、医療、福祉は7,660人で9.4%減、サービス業は3,382人で11.2%減となりました。一方、情報通信業は566人で258.2%増、学術研究、専門・技術サービス業は751人で14.1%増、金融業、保険業は152人で68.9%増、複合サービス事業は170人で38.2%増となっています。全体では求人減少が目立ちますが、業種によって動きは大きく異なります。

製造業は前年同月比9.1%減となりましたが、内訳を見ると分野ごとに差があります。食料品製造業は367人で20.7%減、繊維工業は39人で53.6%減、化学工業は108人で32.5%減となった一方、金属製品製造業は318人で8.2%増、はん用機械器具製造業は238人で10.2%増、電気機械器具製造業は243人で13.6%増、輸送用機械器具製造業は147人で5.0%増となりました。兵庫県内の中小製造業が採用を進める場合、「製造スタッフ」や「工場作業」といった表現だけでは仕事内容が伝わりにくくなります。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、研修の流れ、安全教育、交替勤務の有無、残業時間の目安を具体的に示すことが必要です。経験者にこだわりすぎると応募対象が狭くなるため、未経験者を育成できる工程と、経験者に任せる工程を分けて求人を作ることも有効です。

医療、福祉は新規求人数が7,660人と大きな規模を維持しています。前年同月比では9.4%減少しましたが、医療業は2,371人、社会保険・社会福祉・介護事業は5,267人となっており、県内の主要な求人分野であることに変わりはありません。医療、介護、福祉の採用では、資格や経験だけでなく、夜勤の有無、勤務体制、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携が応募判断に大きく影響します。求人票に「未経験歓迎」「資格者優遇」と書くだけでは、求職者の不安は解消されません。入職後にどの業務から始めるのか、誰に相談できるのか、研修期間はどの程度かを具体的に示すことで、未経験者やブランクのある人も応募を検討しやすくなります。

正社員の求人・求職状況を見ると、令和8年5月の正社員有効求人倍率は0.72倍となり、前年同月の0.74倍から低下しました。正社員有効求人数は34,476人で前年同月より減少し、常用フルタイム有効求職者数は48,205人で前年同月とほぼ同水準です。正社員求人は求職者を下回っているため、数字上は企業側が採用しやすいように見えるかもしれません。しかし、求職者は正社員という雇用形態だけで応募を決めるわけではありません。給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。中小企業が正社員を募集する場合は、安定雇用に加えて、入社後に任せる仕事、研修の進め方、将来の役割、働き続けやすい制度を丁寧に伝えることが重要です。

求職者側の動向では、令和8年5月の新規求職者数が8,755人で前年同月比2.9%減となりました。態様別では、在職者が2,114人で1.8%減、離職者が5,961人で4.2%減、無業者が680人で5.8%増となっています。離職者のうち、事業主都合離職者は1,317人で5.3%増、自己都合離職者は4,308人で6.6%減でした。自己都合で転職に動く人が減っていることは、経験者採用を考える中小企業にとって重要です。在職中の人や自己都合で転職を考える人は、現在の職場と比較しながら応募先を選びます。給与だけでなく、残業の少なさ、休日の取りやすさ、通勤しやすさ、仕事の裁量、職場の雰囲気、地域で長く働ける安心感を具体的に示すことで、転職を迷っている層にも届きやすくなります。

令和8年5月の兵庫県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率0.94倍は求職が求人を上回る状態を示していますが、就業地別では1.08倍であり、県内で働く人材への需要は引き続きあります。新規求人倍率は1.67倍で、直近の採用競争も続いています。新規求人は13か月連続、有効求人は27か月連続で前年同月を下回っており、企業側の求人活動には慎重さが見られますが、職種によっては人材不足が残っています。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を整理することが大切です。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は速やかに連絡することが採用成功につながります。人手不足が続く中、求人募集では掲載媒体の選定だけでなく、応募者管理や採用業務の効率化も重要になっています。採用活動をより円滑に進めたい企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までご相談ください。

⇒ 詳しくは兵庫労働局のWEBサイトへ

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