労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和8年5月の奈良県有効求人倍率1.13倍、運輸業・郵便業1,187人で採用はどう変わるか

2026年7月27日

労務・人事ニュース

令和8年5月の奈良県有効求人倍率1.13倍、運輸業・郵便業1,187人で採用はどう変わるか

広告

奈良県の令和8年5月有効求人倍率1.13倍と就業地別1.25倍の違い

令和8年6月30日、奈良労働局は令和8年5月分の奈良県の一般職業紹介状況を公表しました。令和8年5月の有効求人倍率は季節調整値で1.13倍となり、前月の1.11倍から0.02ポイント上昇しました。近畿の有効求人倍率は1.08倍、全国は1.17倍であり、奈良県は近畿平均を上回る一方、全国平均を下回る水準です。就業地別有効求人倍率は1.25倍で、前月と同水準でした。県内の雇用情勢については、有効求人倍率が低下傾向にあるものの、引き続き求人が求職を上回って推移しており、一部の求人には持ち直しの動きが見られるとされています。また、物価上昇等が雇用に与える影響にも留意が必要とされています。中小企業の採用担当者は、この1.13倍という数字を「求人が求職を上回っているから採用が難しい」とだけ受け止めるのではなく、求人の増加、求職者数の停滞、職種別の差、就業地別の需要を合わせて読み解く必要があります。

令和8年5月の有効求人数は季節調整値で21,949人となり、前月より358人増加し、1.7%増となりました。一方、有効求職者数は19,450人で、前月とほぼ同水準です。求人が増え、求職者が横ばいで推移したことにより、有効求人倍率は上昇しました。求人倍率が1倍を超えているということは、求職者1人に対して求人が1件を上回る状態を示します。ただし、採用担当者が注意すべきなのは、求職者全体の数が一定程度あっても、自社が求める人材にそのまま出会えるとは限らない点です。応募者は給与、休日、勤務時間、勤務地、通勤手段、仕事内容、職場環境、教育体制を比較しながら応募先を選びます。求人票に情報が少なかったり、仕事内容が抽象的だったりすると、実際には働きやすい企業であっても応募前の段階で候補から外れてしまう可能性があります。

新規求人倍率は季節調整値で2.16倍となり、前月の1.84倍から0.32ポイント上昇しました。新規求人数は8,092人で、前月より713人増え、9.7%増となっています。一方、新規求職者数は3,740人で、前月より267人減少し、6.7%減となりました。新たに求人を出す企業が増え、新たに仕事を探し始める人が減ったことで、新規求人倍率が大きく上昇した形です。直近で採用を始める企業にとっては、求職者との接点づくりがより重要になっています。中小企業では、求人を掲載してから応募を待つだけでは十分な成果につながりにくく、応募が入った後の初回連絡、面接日程の提示、選考結果の連絡までを速やかに行うことが欠かせません。求職者は複数の求人へ同時に関心を持っているため、対応が遅れるだけで他社へ流れてしまう可能性があります。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は合計7,814人となり、前年同月比2.9%増でした。主要産業では、医療、福祉が2,872人で前年同月比11.0%増、運輸業、郵便業が1,187人で9.2%増、製造業が884人で5.9%増、サービス業が699人で9.6%増、建設業が405人で10.4%増となっています。一方、卸売業、小売業は520人で14.2%減、宿泊業、飲食サービス業は446人で12.0%減、教育、学習支援業は82人で41.8%減、情報通信業は19人で51.3%減となりました。全体としては求人に持ち直しの動きがあるものの、業種によって増減が大きく分かれています。採用担当者は、県全体の有効求人倍率だけで自社の採用難易度を判断するのではなく、自社が属する業界や募集職種の求人動向を確認したうえで、求人内容を調整することが重要です。

医療、福祉は新規求人数全体の36.8%を占め、奈良県の採用市場で最も大きな割合を持つ分野です。医療業は774人で前年同月比23.4%増、社会保険・社会福祉・介護事業は2,096人で7.0%増となっています。介護、福祉、医療関連の事業所では、資格や経験の有無だけを前面に出しても、応募者の不安は解消されません。夜勤の有無、勤務体制、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携を具体的に示すことが必要です。未経験者やブランクのある人を受け入れたい場合は、入職後にどの業務から始めるのか、誰に相談できるのか、研修期間はどの程度かを明記することで、応募前の心理的な壁を下げられます。

製造業では、新規求人数が884人で前年同月比5.9%増となりました。内訳を見ると、食料品製造業は159人で9.7%増、化学工業は74人で15.6%増、プラスチック製品製造業は176人で18.9%増、金属製品製造業は72人で7.5%増、生産用機械器具製造業は65人で182.6%増となっています。一方、繊維工業は33人で42.1%減、ゴム製品製造業は19人で51.3%減、電子部品・デバイス・電子回路製造業は2人で88.9%減となりました。同じ製造業でも、分野によって求人の出方は大きく異なります。中小製造業が求人を出す際には、「製造スタッフ」や「工場作業」といった表現だけではなく、扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、安全教育、交替勤務、残業時間の目安を具体的に示すことが大切です。未経験者を採用したい場合は、最初に任せる作業と教育担当者の存在を明らかにすることで、応募につながりやすくなります。

運輸業、郵便業は1,187人で前年同月比9.2%増となり、求人需要の強さが見られます。物流や配送関連では、勤務時間、配送エリア、積み下ろし作業の有無、必要な免許、車両の種類、安全管理、休日の取り方が応募判断に大きく関わります。単に「ドライバー募集」と記載するだけでは、求職者は仕事の負担を判断できません。採用担当者は、1日の流れ、走行距離、荷物の重さ、同乗研修の有無、未経験者への指導体制を伝えることで、応募者が安心して検討できる求人にする必要があります。運輸関連では人材不足が続きやすいため、給与だけでなく、無理なく続けられる働き方を示すことが採用力になります。

一方、宿泊業、飲食サービス業は446人で前年同月比12.0%減となりました。飲食店は284人で28.3%減です。求人が減っている業界では採用競争が弱まったように見えるかもしれませんが、現場の人手不足が解消されたとは限りません。人件費、原材料費、光熱費などの上昇により、採用人数や募集時期を慎重に見直している企業もあると考えられます。宿泊や飲食の求人では、シフトの柔軟性、土日勤務の頻度、繁忙期の働き方、接客範囲、まかないや研修制度、急な休みへの対応を具体的に記載することが応募につながります。求職者は時給や月給だけでなく、自分の生活と両立できるか、長く働けるかを見ています。求人票には、企業側が求める条件だけでなく、応募者が安心して働ける理由を盛り込むことが必要です。

正社員求人の状況を見ると、令和8年5月の正社員有効求人倍率は原数値で0.96倍となり、前年同月より0.02ポイント上昇しました。近畿は0.84倍、全国は0.94倍であり、奈良県は近畿と全国のいずれも上回っています。正社員新規求人数は4,058人で前年同月比10.2%増、新規求人数に占める正社員求人の割合は51.9%となり、前年同月より3.4ポイント上昇しました。正社員採用を強める企業が増えていることが読み取れます。ただし、正社員という雇用形態だけで応募者を引きつけることは難しくなっています。求職者は、給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。中小企業が正社員を募集する場合は、安定雇用に加えて、入社後の役割や成長の見通しを具体的に伝える必要があります。

職種別の正社員有効求人倍率を見ると、職業計は0.96倍ですが、職種によって差が大きく出ています。建設・採掘の職業は4.81倍、輸送・機械運転の職業は3.95倍、サービスの職業は2.54倍、販売の職業は2.05倍、専門的・技術的職業は1.57倍となっています。一方、事務的職業は0.30倍、管理的職業は0.47倍、運搬・清掃・包装等の職業は0.42倍です。採用担当者が県全体の1.13倍だけを見て判断すると、自社の職種に合った採用対策を誤る可能性があります。事務職では応募が集まりやすい可能性があるため、選考基準を明確にし、応募者対応の遅れを避ける必要があります。反対に、建設、輸送、サービス、販売、専門技術職では、求職者に選ばれる理由を求人票で明確にしなければ、応募そのものが集まりにくくなります。

就職件数は1,010件で、前年同月比15.8%減となりました。一般フルタイムは382件で11.4%減、パートは628件で18.2%減です。正社員就職件数は297件で10.8%減となりました。求人が求職を上回る一方で就職件数が減っていることは、企業と求職者の条件がうまく合っていない可能性を示しています。求職者側では、常用の在職者が858人で前年同月比11.1%減、離職者が2,406人で10.7%減、自己都合離職者が1,583人で14.1%減となっています。在職中に転職活動を始める人や自己都合で動く人が減っているため、経験者採用を考える企業は、現在の職場と比較しても応募したいと思える情報を出す必要があります。残業の少なさ、休日の取りやすさ、通勤しやすさ、仕事の裁量、地域で長く働ける安心感は、中小企業にとって重要な訴求材料です。

令和8年5月の奈良県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.13倍は求人が求職を上回る状態を示し、就業地別では1.25倍とさらに高い水準です。新規求人倍率も2.16倍で、直近の採用競争は強まっています。医療、福祉、運輸業、製造業、建設業などでは求人が増えており、職種によっては人材確保が難しい状況が続きます。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を整理することが大切です。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。

⇒ 詳しくは奈良労働局のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム