2026年6月12日
労務・人事ニュース
2026年4月の建設人材不足が0.6%に拡大、電工は2.1%不足で中部地域は1.6%不足となった需給調査結
建設労働需給調査結果(令和8年4月分調査)について(国交省)
国土交通分野の調査結果として、2026年4月時点の建設技能労働者の需給状況が公表された。今回の調査では、全国の8職種計で過不足率が0.6%の不足となり、前月の0.1%の過剰から0.7ポイント不足幅が拡大したことが明らかになった。前年同月は0.8%の不足だったため、前年との比較では0.2ポイント不足幅が縮小している。調査は2026年4月10日から20日までの間の1日を対象に実施された。
今回の調査は、建設技能労働者の需給状況を毎月把握することで、建設現場での人材確保や公共事業の円滑な執行に役立てることを目的としている。対象となったのは、資本金300万円以上の法人企業のうち、建設技能労働者を直接雇用している約3,000社で、全国10地域を対象に実施された。調査対象職種は、型わく工や左官、とび工、鉄筋工、電工、配管工など8職種に及んでいる。
職種別にみると、型わく工(土木)は0.0%で均衡となった一方、左官は0.2%の過剰、鉄筋工(建築)は2.1%の過剰となった。そのほかの職種では不足傾向が続いており、電工は2.1%の不足、配管工は1.3%の不足、鉄筋工(土木)は1.4%の不足となっている。特に電工は全国的に不足感が強く、建設現場での人材確保が依然として課題である状況がうかがえる。
地域別の状況では、東北が0.0%で均衡、中国が1.1%の過剰となった一方、そのほかの地域では不足が続いた。中部は1.6%の不足、近畿は1.1%の不足、九州は0.8%の不足となっており、都市部を含む広い地域で技能労働者不足が継続している。特に北陸では前年同月比で3.8ポイント増加しており、全国で最も不足幅の増加が大きかった。一方、九州では前年同月比で1.5ポイント減少し、不足感が緩和する動きもみられた。
6職種計では全国で0.0%の均衡となったが、地域別では北海道、中部、近畿、九州などで不足が確認された。近畿では1.5%の不足となり、6職種計の中でも比較的高い水準となっている。一方、東北、関東、中国では過剰傾向がみられ、地域によって需給状況に差が生じていることが示された。
今後の見通しについては、2026年6月時点で「困難」と「やや困難」を合わせた割合が24.4%となり、前年同月比で3.1ポイント減少した。「やや容易」と「容易」を合わせた割合は8.1%で、前年同月比2.1ポイント増加している。人材確保の厳しさは依然残るものの、一部では改善の兆しもみられる結果となった。
一方、2026年7月の見通しでは、「困難」が22.7%となり、前年同月比で0.7ポイント上昇した。「容易」は11.2%で、前年同月の22.9%から11.7ポイント低下しており、先行きに対する慎重な見方も出ている。夏場の工事需要や人手不足への警戒感が背景にあるとみられる。
手持現場の状況では、残業や休日作業を実施している現場の割合は2.4%となり、前月の2.6%から0.2ポイント減少した。前年同月の3.1%と比べても0.7ポイント低下している。強化理由として最も多かったのは「その他」の28.4%で、続いて「昼間時間帯の制約」が25.4%、「前工程の工事遅延」が23.9%、「天候不順」が14.9%となった。現場工程の調整や作業時間の制約が、人材需要にも影響している実態が浮かび上がっている。
また、新規募集の過不足率では、8職種計が3.8%となり、前年同月の5.3%を下回った。電工は6.3%、鉄筋工(土木)は4.7%、配管工は4.5%となっており、募集段階では依然として不足感が強い状況が続いている。型わく工(建築)は2.8%、左官は3.7%となり、専門技能を持つ人材への需要が高止まりしていることが確認された。
調査時点の有効回答者数は993店社、手持現場数は5,875箇所だった。対象となった技能労働者は合計11,518人で、内訳はとび工が2,623人、電工が2,125人、配管工が2,134人、型わく工(建築)が1,167人などとなっている。建設現場では多様な職種が稼働しており、需給状況の変化が工事進行や採用活動に与える影響は小さくない。
今回の調査結果からは、全国的には緩やかな不足状態が続く一方、職種や地域によって需給バランスに差が広がっている状況が読み取れる。特に電工や配管工などインフラ整備に関わる分野では人材不足が続いており、今後の公共工事や民間開発への影響も注視される。建設業界では高齢化や担い手不足が長期的な課題となっており、技能労働者の確保と育成が今後も重要なテーマとなりそうだ。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ


