2026年7月9日
労務・人事ニュース
2025年の労働災害調査で度数率2.01に改善も平均労働損失日数45.7日に増加した実態とは
令和7年労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)の概況(厚労省)
2025年の労働災害の状況について最新の調査結果が公表され、事業所規模100人以上の事業所を対象とした調査では、労働災害の発生頻度を示す度数率が2.01となりました。前年の2.10から0.09ポイント低下しており、災害発生頻度には改善の動きがみられています。一方で、災害の重さを示す強度率は0.09と前年から横ばいとなり、被災者1人あたりの平均労働損失日数は45.7日と、前年の43.5日から2.2日増加しました。
また、休業を伴わない災害を示す不休災害度数率は4.31となり、前年の3.98を上回りました。無災害事業所の割合は55.9%となり、前年の53.1%から上昇しています。半数を超える事業所で労働災害が発生しなかった一方で、休業を伴わない災害は増加しており、安全対策の継続的な見直しが求められる状況です。
産業別にみると、度数率が最も高かったのは農業・林業の8.10でした。次いで、生活関連サービス業・娯楽業の一部業種が6.27、サービス業の一部業種が4.33、宿泊業・飲食サービス業のうち旅館・ホテルが3.72、運輸業・郵便業が3.65となっています。調査産業全体の平均である2.01を上回る業種も多く、産業ごとに異なるリスクへの対応が必要となっています。
製造業の度数率は1.33となり、前年の1.30から上昇しました。運輸業・郵便業は3.65で前年の3.55を上回っています。一方で、卸売業・小売業は2.10となり、前年の2.60から低下しました。医療・福祉の一部業種についても1.90となり、前年の2.18を下回っています。業種によって改善と悪化の傾向が分かれる結果となりました。
強度率については、調査産業全体で0.09となり前年と同水準でした。製造業は0.07で前年の0.06から上昇し、医療・福祉の一部業種も0.06と前年の0.05を上回りました。一方、運輸業・郵便業は0.12となり、前年の0.23から改善しています。卸売業・小売業は0.05で前年と同じ水準でした。
被災者1人あたりの平均労働損失日数をみると、製造業は51.6日で前年の47.4日から増加しました。医療・福祉の一部業種も31.9日となり、前年の24.2日を上回っています。卸売業・小売業は23.1日で前年の21.1日から増加しました。一方、運輸業・郵便業は31.5日となり、前年の65.9日から大きく減少しています。
事業所規模別では、規模が小さくなるほど労働災害率が高くなる傾向が確認されました。1,000人以上の事業所では度数率が0.63、強度率が0.02となったのに対し、100人から299人の事業所では度数率が2.69、強度率が0.12となっています。前年と比較すると、1,000人以上の事業所では度数率が0.59から0.63へ上昇しましたが、100人から299人の事業所では2.89から2.69へ低下しました。
総合工事業における2025年の労働災害の状況では、度数率が1.89となり、前年の1.91から0.02ポイント低下しました。強度率は0.29となり、前年の0.57から0.28ポイント低下しています。被災者1人あたりの平均労働損失日数も151.8日となり、前年の296.6日から144.8日減少しました。災害による影響の大きさを示す指標では改善がみられています。
工事の種類別では、土木工事業の度数率が1.99、強度率が0.83となりました。建築事業では度数率が1.86、強度率が0.14となっています。また、請負金額別では、5億円未満の工事で度数率が2.43と最も高く、10億円以上の工事では1.84となりました。工事規模によっても労働災害の発生状況に違いがみられる結果となっています。
今回の調査結果では、調査産業全体の度数率は改善したものの、死傷者1人あたりの平均労働損失日数は増加しました。また、産業や事業所規模によって災害発生状況には大きな差が確認されています。人材確保や定着を進めるうえでも、安全で安心して働ける職場環境の整備は重要な課題となります。労働災害の防止に向けては、それぞれの業種や職場の実情に応じた継続的な取り組みが求められています。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


