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2026年7月9日

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2024年度の公的年金積立金は306.0兆円に増加、運用益2.0兆円が財政を下支えした最新状況

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「公的年金財政状況報告-令和6(2024)年度-」について(厚労省)

公的年金制度の2024年度の財政状況がまとまり、制度全体では運用損益を除いた収入総額が55.7兆円、支出総額が55.8兆円となったことが明らかになりました。収入より支出が0.1兆円上回ったため、運用損益を除いた単年度収支残は0.1兆円のマイナスとなっています。一方で、積立金の運用では2.0兆円のプラスとなり、制度全体の財政に一定の下支えとなりました。

運用益を反映した結果、時価ベースによる公的年金制度全体の年度末積立金は306.0兆円となりました。前年度末の304.0兆円から2.0兆円増加しており、積立金残高は拡大しています。長期的な視点で制度の安定性を確保するうえで、積立金の推移は重要な指標の1つとなります。

収入の内訳では、保険料収入が43.1兆円となり、全体の大きな割合を占めました。国庫や公的経済負担は12.1兆円となっています。支出では、給付費が55.3兆円に達しており、公的年金制度が多くの受給者の生活を支える役割を担っている実態がうかがえます。

制度別にみると、厚生年金では運用損益を除いた単年度収支残が2.8兆円のプラスとなりました。時価ベースの運用損益は1.9兆円のプラスとなり、年度末積立金は292.4兆円となっています。前年度と比べると4.8兆円増加しており、積立金の水準は上昇しました。

一方、国民年金では国民年金勘定の運用損益を除いた単年度収支残が0.3兆円のマイナスとなりました。基礎年金勘定でも2.6兆円のマイナスとなっており、制度ごとに異なる財政状況が示されています。国民年金勘定の年度末積立金は12.3兆円、基礎年金勘定は1.3兆円となりました。

今回の報告では、2024年財政検証で示された将来見通しとの比較も行われました。2024年度は将来見通しとの比較を行う初年度にあたり、被保険者数や人口動態、経済状況などの実績が検証されています。

被保険者数については、国民年金第1号被保険者数と厚生年金被保険者数のいずれも実績が将来見通しを上回りました。外国人の入国超過数の実績が、2023年時点での将来推計人口の仮定値を上回っていたことも影響していると考えられています。また、65歳の平均余命の実績は、将来推計における死亡率の高位仮定と概ね同水準となりました。これらの要素は、公的年金財政にとってプラスの効果となると評価されています。

その一方で、少子化に関する指標では厳しい状況も示されました。合計特殊出生率は2016年以降低下傾向が続いており、2024年の実績は2023年推計における出生低位の仮定値と概ね同じ水準となっています。また、実質賃金上昇率についても、2024年財政検証で想定されたいずれのケースの前提を下回りました。これらは将来的な年金財政にマイナスの影響を及ぼす要素とされています。

積立金については、2023年度末の実績が将来見通しを上回っていたことを背景に、2024年度末の実績も将来見通しを上回る結果となりました。ただし、その要因の多くは、将来見通しの積立金に平滑化した数値が用いられていることによるものとされています。

また、2024年度はマクロ経済スライドによる給付水準の調整が実施されました。しかし、賃金の上昇が物価上昇に追いつかず、実質賃金の伸びがマイナスとなったことから、2023年度とは異なり、既に年金を受給している人の給付額の伸びを賃金上昇率より抑制する効果は発動されませんでした。

報告では、こうした将来見通しからの乖離が一時的なものではなく、中長期的に続いた場合には、年金財政への影響が大きくなる可能性があると指摘しています。特に、2024年の合計特殊出生率は2023年を下回り、将来推計における出生低位の仮定値と概ね同水準で推移しています。この傾向が継続した場合、将来の年金制度の運営に大きな影響を与えることになります。

公的年金制度は、将来の保険料収入や国庫負担、現在保有する積立金を財源として、将来の年金給付との均衡を図る仕組みとなっています。そのため、短期的な経済変動だけではなく、人口構造の変化や賃金動向などを含めた長期的な視点から制度の状況を把握することが重要です。今回の報告では、制度全体の積立金が増加した一方で、少子化や実質賃金の伸び悩みといった課題も改めて浮き彫りとなりました。将来にわたって安定した制度運営を維持するためには、毎年度の財政状況を継続的に確認し、その変化を丁寧に見極めていく必要があります。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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