労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 2026年6月近畿景気調査、百貨店売上7.9%増と求人案件約2割減が示す採用市場の変化

2026年7月31日

労務・人事ニュース

2026年6月近畿景気調査、百貨店売上7.9%増と求人案件約2割減が示す採用市場の変化

広告

景気ウォッチャー調査(令和8年6月調査)― 近畿(現状)―(内閣府)

令和8年6月に実施された近畿地域の景気ウォッチャー調査では、百貨店や観光関連を中心に明るい動きがみられる一方、物価上昇や原材料価格の高騰、中東情勢による資材不足、消費者の節約志向などが幅広い業種へ影響を及ぼしており、業種ごとに景況感の違いが鮮明となりました。特にインバウンド需要は地域経済を支える大きな要因となっているものの、国内消費では価格上昇に対する慎重な購買姿勢が続いており、企業は売上の確保とコスト増加への対応という二つの課題に直面しています。

百貨店では新規催事や食品売場の改装効果が続き、売上と来客数が前年を大きく上回る店舗がみられました。ある店舗では売上や来客数が前年比で2桁増となり、別の店舗でも月末時点で売上は前年同期比7.9%増、来客数は3.1%増と好調な結果が報告されています。こうした背景にはインバウンド需要の回復だけでなく、商品の価格改定による客単価の上昇も影響しており、売上全体を押し上げる要因となっています。

免税売上も引き続き高い水準で推移しています。中国からの旅行客は依然として回復途上であるものの、欧米や東南アジアを中心とした訪日客が増加し、免税売上が約3割増となった百貨店や、前年比60%増という大幅な伸びを記録した店舗もありました。さらに国内客の売上も約1割増加するなど、インバウンドだけに依存しない消費回復がみられています。円安を背景とした海外富裕層の消費や、初夏向け商品の販売も売上拡大に寄与しています。

コンビニ業界でも訪日外国人の増加が販売を支えています。中国系キャッシュレス決済の利用が増えているほか、店舗独自の商品がSNSで話題となり、対象商品の販売量が3倍へ伸びた事例も報告されています。また、プレミアム付商品券の利用によって来客数がおよそ5%増加した店舗もあり、地域ごとの販促施策が販売拡大につながっています。ただし、物価上昇による影響から弁当やおにぎりなどの廃棄が増えるなど、価格上昇が収益面へ与える影響も無視できない状況です。

旅行や観光分野では、夏休み需要への期待が高まっています。これまで動きが鈍かった国内旅行にも回復の兆しがみられ、旅行会社では夏休みを中心に申込みが増え始めています。一方で、円安によって海外旅行を控え、国内旅行へ切り替える利用者がいる反面、株価上昇による資産効果で旅行需要を拡大させる層もみられ、消費の二極化が一段と進んでいます。前年の大阪・関西万博による反動で来場者数が増えている施設もありますが、中国からの個人旅行客は減少しており、地域や施設によって状況には差が生じています。

消費全体をみると、物価上昇への警戒感は依然として強く残っています。スーパーでは来客数は横ばいでも買上点数が減少し、特売品を中心とした購入行動が目立っています。割引商品以外への購買意欲が低下し、複数店舗を回って価格を比較する消費者も増えています。価格改定によって売上金額は維持されているものの、販売数量の減少が続いているとの声も多く、生活防衛意識の高まりが日常消費へ影響を与えています。

衣料品や雑貨などでも慎重な購買姿勢が続いています。富裕層向けの商品は比較的堅調に推移しているものの、中間所得層では夏物衣料を中心に買い控えがみられています。食品についても価格上昇の影響から購入点数は減少していますが、期間限定商品や催事商品など付加価値の高い商品への需要は維持されており、消費者が購入対象を厳選する傾向が強まっています。

住宅や自動車関連では価格上昇が販売へ大きく影響しています。住宅分野では建築資材や設備価格の改定が続いているものの、販売価格へ十分に転嫁できず、収益を圧迫しているとの声が聞かれます。不動産では住宅価格や金利上昇によって実需向け住宅の動きが鈍化しており、富裕層向け物件にも以前ほどの勢いはみられません。自動車販売でも新車販売は苦戦しており、価格に対する消費者の慎重姿勢から中古車需要へのシフトが続いています。

企業活動では製造業を中心に明暗が分かれました。食料品製造業では資材調達が改善し、生産が予定どおり進み始めた企業もあります。化学工業ではコスト上昇分の価格転嫁が進み、金属製品製造業でも市場に明るさが出始め、新規引き合いが増えているとの報告がありました。一方で、建設業や機械製造業では中東情勢による資材価格高騰や納期の不安定化が続き、案件の延期や設備投資の見直しが進んでいます。

ナフサ不足や石油関連製品の価格高騰も企業活動へ大きな影響を与えています。化学製品や樹脂製品だけでなく、住宅設備や工場設備、燃料供給にも影響が及び、販売価格への転嫁が難しい企業では利益率の低下が続いています。輸送業でも家電製品の販売減少や納期遅延が物流へ影響を及ぼしており、幅広い業界でコスト増加への対応が経営課題となっています。

外食産業では来客数の減少が目立っています。昼食代を節約するため弁当を持参する人が増えたことや、在宅勤務の定着によって昼間の利用客が減少しています。夜間も会社帰りの会食需要が弱くなり、企業の宴会需要が経営を支える状況が続いています。天候不順や台風の影響も重なり、観光型ホテルでは過去10年間で最も厳しい6月となった施設もありました。

雇用情勢では、企業の採用意欲は一定水準を維持しながらも、採用市場の構造変化が鮮明になっています。有効求人倍率は横ばいで推移し、新規求人数は微増となっていますが、物価上昇や原材料価格の高騰などの影響から景気全体が改善したとは判断しにくい状況です。一方で、求人数や求職者数は前年よりやや増加し、3か月前と比較しても求人数が増えている地域もみられています。

人材派遣業界では求人総数は高止まりしているものの、派遣求人は減少し、直接雇用への切り替えが進んでいます。また、求人案件数は前年と比べて約2割減少し、特に一般事務職ではAIの活用拡大によって定型業務の求人が減少しています。その一方で、人間ならではの判断力や対人対応力を必要とする職種への需要は今後も高まるとの見方が示されています。

企業の採用活動では、求人を出す事業所数は総じて堅調に推移しています。医療・福祉分野では人手不足が依然として深刻であり、サービス水準を維持するため採用活動を継続する企業が目立ちます。一方、中東情勢による原材料価格の高騰や資材調達への不安から、求人募集を慎重に進める企業も存在しています。半導体関連産業では採用意欲が高い企業もみられ、業界によって人材需要には大きな違いが生じています。

採用担当者にとっては、求人市場全体が大きく縮小しているわけではないものの、職種ごとの需要変化を正確に把握することが重要になっています。AIの普及による事務職採用の見直し、人手不足が続く医療・福祉や半導体関連分野での採用強化など、業界ごとに求められる人材像は変化しています。今後は景気動向だけでなく、物価や資材価格、国際情勢などの変化を注視しながら、柔軟な採用戦略を構築することが企業競争力の維持につながるでしょう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム