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2025年1月13日

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私立小学校の学習費用、182万円超えの衝撃 保護者の経済負担が明確に 令和5年度子供の学習費調査(文科省)

結果の概要-令和5年度子供の学習費調査(文科省)

令和5年度の「子供の学習費調査」によると、日本全国の幼稚園から高等学校に通う子供一人当たりの年間学習費用が公立・私立学校間で大きく異なることが明らかになりました。この調査は文部科学省が実施し、全国1,603校、53,025人の保護者を対象に行われたもので、21,768人の有効回答をもとに結果が集計されました。保護者が支出した費用には、学校教育費、給食費、学校外活動費などが含まれています。

まず、各学校種別の学習費総額を見てみると、公立幼稚園の平均学習費は約18万5千円、私立幼稚園では約34万7千円となり、私立の費用は公立の約1.9倍でした。次に小学校では、公立が約33万6千円に対し、私立は約182万8千円と約5.4倍に達しています。同様に中学校では、公立が約54万2千円、私立が約156万円、高等学校(全日制)では公立が約59万8千円、私立が約103万円と、いずれの段階においても私立の費用が公立を大きく上回る結果となっています。

学習費総額は、子供が幼稚園から高等学校を卒業するまでの15年間で、全て公立に通った場合の約542万円から、全て私立に通った場合の約1,599万円まで大きく幅があります。特に、私立小学校の費用が突出して高く、授業料や学校納付金が総額の約7割を占めることが特徴的です。一方、公立校では通学関連費や図書・学用品費などの割合が高く、私立との費用構造の違いが際立っています。

学校外活動費も学校種や運営形態によって異なり、公立では「補助学習費」の割合が高く、特に小学校から中学校にかけて学習塾や家庭教師にかかる費用が増加する傾向にあります。これに対し、私立では「その他の学校外活動費」、特にスポーツや文化活動に関連する費用が占める割合が大きいことが分かりました。また、学年が上がるにつれて、学校外活動費全体も増加する傾向にあり、私立小学校の6年生では約88万円に達しています。

さらに、学校外活動費は家庭の年収や居住地域の人口規模にも影響されることが確認されました。年間収入が400万円未満の世帯に比べて、1,200万円以上の世帯では学校外活動費が3倍以上に増加しており、教育格差が広がる可能性が指摘されています。地域別では、人口規模の大きい都市ほど学校外活動費が高い傾向があり、特に私立学校における支出の割合が目立っています。

こうした結果は、教育政策を検討する際の重要な基礎資料となります。文部科学省は、調査結果をもとに、経済的負担を軽減し、すべての子供が希望する教育を受けられる環境を整備するための施策を検討しています。例えば、学校外活動費を補助するための新たな助成制度や、学用品の購入費支援などが具体的な対策として挙げられるでしょう。

令和5年度の調査は、新たな質問項目や分類の導入により、より詳細な分析が可能となりました。特に、入学金や授業料の内訳、学校外活動費の用途別分類などの追加により、保護者の経済負担の実態をより正確に把握することができました。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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