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2025年11月2日

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全国病院の病床利用率77.9%に上昇、令和7年7月は感染症病床が11.2%に拡大

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病院報告(令和7年7月分概数)(厚労省)


この記事の概要

厚生労働省は令和7年10月10日、令和7年7月分の「病院報告(概数)」を発表した。全国の病院における1日平均在院患者数は113万3,549人で、前月より1万32人増加した。病床利用率は77.9%と前月の76.3%を1.6ポイント上回り、平均在院日数は24.1日と前月から0.5日短縮された。外来患者数も増加傾向を示し、医療機関の利用が全般的に回復していることが確認された。


厚生労働省が発表した「病院報告(令和7年7月分概数)」によると、全国の病院における医療提供状況は前月と比べて改善傾向を示している。1日平均の在院患者数は113万3,549人で、6月の112万3,517人から約1万人増加した。病床利用率は77.9%となり、6月の76.3%を1.6ポイント上回った。感染症病床の利用率も11.2%に上昇し、前月の8.7%から2.5ポイント増と大きく伸びている。

病床区分別では、一般病床の在院患者数が64万8,316人で前月比8,885人増、療養病床は22万7,430人でほぼ横ばい(前月比+10人)だった。精神病床は25万6,671人で前月比1,048人の増加、結核病床は941人で52人増となった。感染症病床の在院患者数は191人と、前月より36人の増加となっており、感染症対応病床の稼働が再び高まっていることがうかがえる。

一方、外来患者数は全国で123万1,769人となり、前月の121万7,363人から約1.4万人の増加を記録した。特に都市部を中心に外来受診者数が増加しており、定期検診や慢性疾患治療の再開が進んでいる可能性がある。診療所における外来患者数は1日平均1,394人で、前月の1,417人から微減となったものの、全体として外来医療の利用は安定して推移している。

病床利用率の詳細をみると、一般病床の利用率は81.6%で前月より0.5ポイント上昇、精神病床は85.4%で0.4ポイント上昇した。療養病床も74.7%と前月より2.5ポイント増加し、慢性期医療を担う医療機関の利用が再び活発化している。感染症病床の利用率は11.2%で前月比+2.5ポイントと顕著な上昇を示し、新型コロナウイルスや季節性感染症の流行による影響が見られる。

一方、結核病床の利用率は27.9%で、引き続き低い水準にとどまっている。感染症医療体制の中で、結核患者数の減少が長期的に進んでいることが背景にあるとみられる。

平均在院日数は全体で24.1日となり、6月の24.6日から0.5日短縮された。一般病床では23.4日からわずかに短縮、精神病床では115.4日と長期入院傾向が続くが、前月比では1.9日短縮している。療養病床の平均在院日数は233.7日で、前月より3.7日減少しており、在宅医療や地域包括ケアの推進によって、長期入院患者の在宅移行が進んでいると考えられる。

診療所の平均在院日数は107.5日と前月より5.9日延びているが、診療所では入院医療よりも在宅・通院型医療が中心であるため、長期入院の増加は一時的な要因とみられる。

全体として、令和7年7月の病院統計は、入院・外来ともに増加傾向を示しており、医療機関の稼働が回復基調にあることを示している。感染症病床の利用率上昇は依然として医療体制に負荷をかけているものの、平均在院日数の短縮は医療提供の効率化が進んでいることを示す。高齢化の進展や慢性疾患患者の増加が続く中、効率的な病床運用と地域医療連携の強化が引き続き求められる。

この記事の要点

  • 全国の病院1日平均在院患者数は113万3,549人で前月比1万人増
  • 外来患者数は123万1,769人で約1.4万人増加
  • 病床利用率は77.9%で前月から1.6ポイント上昇
  • 感染症病床の利用率が11.2%に上昇し前月比+2.5ポイント
  • 平均在院日数は24.1日で前月より0.5日短縮
  • 精神病床は115.4日と依然として長期入院傾向
  • 療養病床の在院日数は233.7日で3.7日減少

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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