2026年1月20日
労務・人事ニュース
令和7年11月兵庫県の有効求人倍率0.94倍から考える中小企業採用戦略
- 医療機関での治験コーディネーターのお仕事/看護師/車通勤可/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2026年1月20日 01:04
- 介護職/ヘルパー/訪問看護/訪問看護ステーション/リハビリスタッフ/産休代替
最終更新: 2026年1月19日 10:14
- 常勤・介護・福祉業界の看護師/即日勤務可/シフト
最終更新: 2026年1月20日 01:04
- 常勤・医療業界の看護師/残業なし/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2026年1月20日 01:04
一般職業紹介状況(令和7年11月分)(兵庫労働局)
この記事の概要
令和7年11月の兵庫県における有効求人倍率は0.94倍となり、前月からわずかに上昇したものの、求職者数が求人を上回る状況が続いている。本記事では、兵庫労働局が公表した最新の雇用統計をもとに、県内の求人・求職の動きや業種別の傾向を整理しながら、中小企業の採用担当者が有効求人倍率をどのように読み解き、今後の採用活動に生かすべきかを丁寧に解説する。
令和7年11月の兵庫県の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は0.94倍となり、前月から0.01ポイント上昇した。8か月ぶりの上昇ではあるものの、依然として1倍を下回っており、全体としては求職者が求人を上回る状態が続いている。この数値は、企業側から見れば「人が余っている市場」と誤解されがちだが、実際の採用現場では必ずしもそう単純ではない。特に中小企業にとっては、応募が集まりにくい、条件に合う人材と出会えないといった課題が同時に存在する局面だと言える。
同月の有効求人数は74903人で、前月比0.5パーセント減と6か月連続で減少した。一方、有効求職者数は80078人で前月比0.9パーセント減となっている。求人・求職ともに減少している中で倍率がわずかに上昇しているのは、求職者数の減少幅が求人よりも大きかったためである。この動きから読み取れるのは、仕事探しを一時的に控える人が増えている可能性や、転職活動に慎重になる心理が広がっている状況である。中小企業の採用担当者は、こうした背景を踏まえ、求職者が不安を感じやすい時期だからこそ、安心感を与える情報発信が重要になる。
新規求人倍率は1.64倍となり、前月から0.03ポイント低下した。新規求人数は25754人で前月比1.1パーセント増加したものの、新規求職者数も15687人と3.0パーセント増加しており、求職者側の動きがやや活発化したことが倍率低下につながっている。新規求人倍率が1倍を大きく上回っている点は、短期的には企業側が人材を確保しにくい構造が続いていることを示している。特に募集を開始したばかりの求人ほど、他社との比較にさらされやすく、条件や仕事内容の伝え方が採用成果を左右しやすい。
兵庫県の雇用情勢について、資料では「持ち直しの動きが弱まっている」と総括されている。物価上昇やコスト負担の増加が企業経営に影響を与え、採用に慎重な姿勢が広がっていることが背景にある。このような環境下では、大企業が採用を抑制する一方で、中小企業も欠員補充を先送りする動きが出やすい。しかし、その結果として採用市場に出てくる求人が減少すると、限られた求職者を巡る競争はむしろ質的に厳しくなる。倍率が1倍未満であっても、「採用しやすい市場」とは言い切れない点に注意が必要である。
地域別に有効求人倍率を見ると、兵庫県内でも大きな差がある。令和7年11月時点で、神戸地域は0.98倍、阪神地域は0.78倍、東播磨地域は0.90倍となっている一方、西播磨地域は1.24倍、但馬地域は1.30倍、淡路地域は1.86倍と高い水準にある。この違いは、産業構造や人口動態、通勤圏の特性などが複雑に影響した結果である。中小企業の採用担当者は、県全体の平均値だけで判断するのではなく、自社が属する地域の倍率や動向を把握したうえで採用戦略を立てる必要がある。
正社員に限定した場合、令和7年11月の正社員有効求人倍率は0.79倍となり、前年同月の0.84倍から低下している。正社員を希望する求職者数は35187人であるのに対し、正社員の有効求人数は44661人となっているが、この求職者数にはフルタイムの派遣労働者や契約社員を希望する人も含まれている。そのため、実際に「長期雇用の正社員」を求める人材とのマッチングは数字以上に難しいと感じる企業も多い。中小企業にとっては、正社員という雇用形態そのものの魅力を、どのように伝えるかが改めて問われている。
産業別に見ると、令和7年11月の新規求人は全産業で前年同月比11.5パーセント減少しており、7か月連続の減少となった。特に製造業では13.6パーセント減、卸売業・小売業では18.0パーセント減、宿泊業・飲食サービス業では13.5パーセント減、医療・福祉でも13.0パーセント減と、多くの主要産業で求人が減少している。この状況は、企業が即戦力採用に慎重になっていることを示す一方で、採用を継続する企業にとっては人材確保の好機となる側面もある。
有効求人倍率0.94倍という数字を中小企業の採用担当者がどう受け止めるべきかを考えると、「倍率が低いから採用は簡単」と考えるのは危険である。むしろ、求職者が仕事選びに慎重になり、企業の将来性や職場環境をより重視する局面に入っていると捉えるべきだろう。このような時期には、給与や休日といった条件面だけでなく、仕事内容の具体性、教育体制、職場の雰囲気など、数字では表れにくい情報を丁寧に伝えることが重要になる。
有効求人倍率は、採用活動の難易度を測るための重要な指標であると同時に、自社の採用姿勢を見直すための材料でもある。令和7年11月の兵庫県のデータは、採用市場が大きく好転していない一方で、極端に悪化しているわけでもない「転換点」にあることを示している。中小企業の採用担当者は、このタイミングを、採用活動を単なる欠員補充から将来を見据えた人材投資へと進化させる機会として捉えることが求められる。
この記事の要点
- 令和7年11月の兵庫県の有効求人倍率は0.94倍で求職超過の状態が続いている
- 求人と求職の双方が減少し雇用情勢の持ち直しは弱まっている
- 地域別や産業別で有効求人倍率に大きな差が存在する
- 正社員有効求人倍率は0.79倍で採用条件の工夫が不可欠である
- 中小企業は有効求人倍率を踏まえ採用情報の質を高める必要がある
⇒ 詳しくは兵庫労働局のWEBサイトへ


