2026年3月16日
労務・人事ニュース
令和8年3月の野菜価格見通し、北海道産62%のばれいしょが高温影響で平年超へ
野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年3月)について(農水省)
農林水産省は令和8年2月27日、東京都中央卸売市場に出荷される主要野菜の生育状況と令和8年3月の価格見通しを公表した。近年は天候不順の影響により野菜価格の変動が大きくなっており、産地の出荷判断や消費者の購買行動に資する正確な情報提供が一層重要になっている。こうした背景を踏まえ、同省は平成23年から主産地や卸売会社への聞き取りを継続しており、今回もその結果を基に分析を行った。
今回の見通しは、過去5か年平均を基準とした「平年」との比較で示されている。2020年基準の消費者物価指数では、令和8年1月の総合指数が112.9、食料が129.5と上昇傾向にあるが、本資料はあくまで産地の出荷動向に基づく需給見通しである点に注意が必要だ。統計的な裏付けと現場の聞き取りを組み合わせた情報であることは、信頼性の観点からも重要である。
3月は多くの品目で価格が平年並みとなる見込みだが、一部で上昇が予想されている。ばれいしょとたまねぎは、いずれも出荷数量が平年を下回る見通しとなっており、価格は平年を上回る可能性が高い。ばれいしょは北海道産が62%、鹿児島県産が37%を占めるが、北海道産は夏季の高温と干ばつの影響で小玉傾向となり、計画出荷が続いている。鹿児島県産も2月上旬の寒波で小玉傾向がみられる。
たまねぎは北海道産が69%、静岡県産が13%を占める。北海道産は高温と干ばつの影響で小玉傾向が続き、春先まで供給を確保するため計画的な出荷が行われている。その結果、3月の出荷量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込みとなった。家庭での使用頻度が高い品目であるだけに、今後の動向に注目が集まる。
さといももやや価格が上振れする見通しだ。主産地の埼玉県が60%、新潟県が13%を占めるが、新潟県では定植時期の長雨により作付けできないほ場が発生し、出荷量が少なくなる見込みである。全体として出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回るとみられる。
にんじんは徳島県が52%、千葉県が22%、鹿児島県が10%の入荷シェアを持つ。徳島県産は順調だが、千葉県産では葉枯れにより収穫作業が停滞し、鹿児島県産でも乾燥や霜の影響がみられる。月半ば以降は徳島県産の増加が見込まれるものの、3月全体では出荷量がやや平年を下回り、価格はやや平年を上回る見込みである。
はくさいは茨城県が67%、群馬県が13%を占める。定植期の高温により小玉傾向となり、その後の低温と少雨で肥大が鈍化している。3月前半は平年並みで推移するが、後半は出荷量がやや減少し、価格がやや上昇する見込みとなっている。端境期に差しかかることが背景にある。
一方、だいこん、キャベツ、ほうれんそう、ねぎ、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ブロッコリーは概ね平年並みで推移する見込みだ。例えばだいこんは千葉県が53%、神奈川県が44%を占めるが、神奈川県産で歩留まり低下がみられるものの、全体では大きな供給不足には至らないと見込まれている。
キャベツは愛知県52%、千葉県25%、神奈川県20%の構成で、少雨や低温による小玉傾向はあるが、3月の出荷量に大きな影響はない見通しである。レタスは前半にやや価格が上昇するが、後半は平年並みに戻ると予測されている。こうした詳細な産地別分析は、需給の透明性を高める役割を果たす。
同省は野菜の消費拡大に向け、「野菜を食べよう」プロジェクトも展開している。野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、日々の健康維持に欠かせない。価格動向を正確に把握することは、家庭の食生活だけでなく、流通や小売の現場にとっても重要な判断材料となる。
今回の公表は、現場の聞き取りと統計を組み合わせた継続的な取り組みの一環であり、情報の透明性と専門性の確保という点で意義が大きい。気象条件の影響を受けやすい農産物だからこそ、信頼できるデータに基づく見通しが、安定供給と価格安定につながる。3月は一部品目で価格上昇が見込まれるが、多くは平年並みで推移する見通しとなっている。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ


