2026年6月23日
労務・人事ニュース
2026年4月愛知県の有効求人倍率1.21倍 中小企業が応募数を増やす実践策
- 「大手メーカーにスピード対応で入社」日払いOKの現場スタッフ「20代~40代活躍中」即収入
最終更新: 2026年6月22日 07:45
- 「エントリーだけで即入居&即勤務可!」寮あり生産スタッフ「20代~40代活躍中」即収入
最終更新: 2026年6月22日 08:06
- 「24時間WEB受付!稼ぎたい方へ」日払いOKの加工スタッフ「20代~40代活躍中」学歴不問
最終更新: 2026年6月22日 07:06
- 「大手メーカーにスピード対応で入社」日払いOKの工場スタッフ「20代~40代活躍中」学歴不問
最終更新: 2026年6月22日 07:00
2026年4月愛知県の有効求人倍率1.21倍から見る中小企業採用の課題
愛知労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月分の雇用情勢によると、愛知県の有効求人倍率は季節調整値で1.21倍となり、前月から0.01ポイント上昇した。2025年3月以来13か月ぶりの上昇となり、求人が求職を上回る状況が引き続き維持されている。一方で、物価上昇や企業収益を取り巻く環境変化が雇用市場へ与える影響には注意が必要とされており、単純に人材確保が容易になったと判断できる状況ではない。
今回公表されたデータでは、有効求人数は120,810人となり前月比1.6%増加した。有効求職者数も99,884人となり前月比1.2%増加している。求人と求職の双方が増加したものの、求人の増加率が求職者数の増加率を上回ったことで有効求人倍率は1.21倍へ上昇した。全国平均の1.18倍と比較すると0.03ポイント高く、東海地域平均の1.19倍も上回る結果となっている。
愛知県の有効求人倍率の推移を見ると、2024年4月の1.31倍から徐々に低下し、2026年3月には1.20倍まで下落していた。しかし2026年4月は1.21倍へ持ち直したことで、企業の採用意欲が完全に失われたわけではないことが確認できる。ただし過去の高水準と比較すると依然として低い位置にあり、企業が慎重な採用姿勢を続けていることも読み取れる。
新規求人倍率は2.32倍となり、前月から0.09ポイント上昇した。新規求人数は44,703人で前月比10.0%増加し、新規求職者数も19,284人で前月比5.9%増加している。新規求人倍率が2倍を超えているという事実は、新たに募集される仕事の数が新たに仕事を探す人の数を大きく上回っていることを意味する。採用市場全体で見れば依然として人材不足の構造は続いているといえる。
地域別に見ると、愛知県内でも雇用環境には大きな差が存在している。名古屋地域の有効求人倍率は1.53倍となり県内で最も高い水準を維持している。月間有効求人数は63,743人で前年同月比4.6%減少したものの、有効求職者数は41,784人で前年同月比1.2%増加している。都市部では企業活動が集中しているため求人需要が引き続き高い状況が続いている。
一方で尾張地域は0.94倍、西三河地域は0.93倍、東三河地域は0.91倍となり、いずれも1倍を下回っている。これは地域によっては求職者数が求人を上回る状況が発生していることを示している。県全体では1.21倍であっても、実際には地域ごとに人材需給のバランスが大きく異なるため、採用担当者は自社所在地の市場環境を正確に把握する必要がある。
産業別の新規求人動向にも注目したい。建設業の新規求人数は3,565人で前年同月比5.2%減少した。製造業は4,786人で前年同月比6.1%減少している。愛知県を代表する産業である輸送用機械器具製造業は1,167人で前年同月比10.5%減少した。自動車産業を中心とした製造業の採用活動は継続しているものの、以前ほど積極的な拡大局面ではなくなっていることがうかがえる。
その一方で増加が目立つ業種もある。情報通信業は1,272人で前年同月比21.3%増加した。情報サービス業に限ると960人で前年同月比6.5%増加している。DX推進やシステム開発需要の拡大を背景として、IT人材への需要が引き続き高いことが確認できる。
宿泊業・飲食サービス業は3,914人で前年同月比38.3%増加した。一般求人は前年同月比121.4%増加しており、観光需要や外食需要の回復に伴って人材確保を急ぐ企業が増えている状況が見て取れる。また医療・福祉分野は11,117人で前年同月比4.3%増加した。特に社会保険・社会福祉・介護事業は7,540人で前年同月比6.1%増加しており、高齢化社会を背景とした人材需要の強さが表れている。
企業規模別に見ると興味深い傾向がある。従業員500人から999人規模の企業では新規求人が4,403人となり前年同月比26.6%増加した。1,000人以上の企業も11,438人で前年同月比6.7%増加している。大企業を中心に採用活動が活発化している一方で、30人から99人規模の企業では7,758人で前年同月比9.9%減少している。中堅・中小企業にとっては大企業との採用競争がさらに厳しくなっていることを示すデータといえる。
求職者側の動向を見ると、新規求職者数は14,435人で前年同月比4.4%増加した。在職者は2,861人で前年同月比1.2%増加し、離職者は7,173人で前年同月比6.7%増加している。転職市場は活発化しており、現在働いている人もより良い条件を求めて転職活動を行う傾向が強まっている。
正社員市場に目を向けると、正社員有効求人倍率は1.06倍となった。前年同月から0.08ポイント低下したものの、58か月連続で1倍を超えている。正社員有効求人数は62,988人で前年同月比5.1%減少した一方、常用フルタイム有効求職者数は59,495人で前年同月比2.1%増加した。正社員求人割合は51.2%となり、新規求人全体の半数以上が正社員募集となっている。
ここで中小企業の採用担当者が特に意識すべきなのは、有効求人倍率1.21倍という数字を表面的に解釈しないことである。倍率が上昇したからといって採用難が解消されたわけではない。むしろ求職者は企業を選ぶ立場を維持しており、魅力の乏しい求人には応募が集まりにくい状況が続いている。
現在の愛知県では大企業の採用活動が再び強まっている。給与水準や福利厚生で大企業と正面から競争することは中小企業にとって容易ではない。そのため採用担当者は自社独自の魅力を明確に打ち出す必要がある。例えば若手社員への権限移譲が早いことや経営者との距離が近いこと、専門スキルを幅広く習得できることなど、中小企業ならではの価値を具体的に伝えることが重要になる。
また有効求人倍率が1倍を超えている環境では、求人票の改善が採用成果を大きく左右する。仕事内容を単純に列挙するだけではなく、実際の働き方やキャリア形成の道筋、入社後の教育制度、評価制度などを詳細に説明することが求められる。求職者は給与だけではなく、成長環境や職場環境を重視して応募先を選択しているためである。
さらに採用対象の見直しも重要な戦略になる。経験者採用だけに依存していては人材確保が難しくなる可能性が高い。未経験者や異業種からの転職者、シニア人材、子育てを終えた女性人材など、多様な人材を受け入れる体制を整えることで採用の可能性は大きく広がる。特に求職者数が増加している現在は、教育前提の採用を強化する好機とも考えられる。
職業別の有効求人倍率を見ると、建設・採掘従事者は7.04倍、介護サービス職業従事者は5.84倍、自動車運転従事者は5.19倍となっている。これらの職種では依然として深刻な人手不足が続いている。一方で一般事務従事者は0.53倍となっており、職種による需給差は非常に大きい。採用担当者は自社が属する職種の市場環境を理解したうえで採用戦略を立案することが重要である。
2026年4月の愛知県の有効求人倍率は1.21倍となり、13か月ぶりに上昇した。求人は求職を上回る状態が続いているものの、地域差や業種差、企業規模による差は拡大している。中小企業の採用担当者にとって重要なのは、倍率の上昇を楽観的に捉えることではなく、自社の魅力発信力と育成力を高めることである。採用市場は今後も人材獲得競争が続く可能性が高く、求職者から選ばれる企業づくりがこれまで以上に求められるだろう。
⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ


