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2026年7月28日

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令和8年5月の広島県有効求人倍率1.36倍、医療・福祉4,274人の求人需要をどう見るか

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令和8年5月の広島県有効求人倍率1.36倍と産業別求人動向の違い

令和8年6月30日、広島労働局は令和8年5月分の管内の雇用情勢を公表しました。令和8年5月の広島県の有効求人倍率は受理地別の季節調整値で1.36倍となり、前月から0.02ポイント低下しました。2か月ぶりの低下ですが、全国の有効求人倍率1.17倍を上回り、全国10位、中国地方では2位の水準です。就業地別の有効求人倍率は1.30倍で、前月から0.01ポイント低下しました。正社員有効求人倍率は原数値で1.13倍となり、前年同月から0.05ポイント低下しています。県内の雇用情勢については、求人が求職を上回って推移しているものの、持ち直しの動きに弱さがみられ、物価上昇等が雇用に与える影響に注意する必要があると判断されています。中小企業の採用担当者は、この1.36倍という数字を「まだ採用が難しい」と見るだけでなく、「求人は弱含みながらも、求職者に選ばれる競争は続いている市場」として受け止める必要があります。

令和8年5月の有効求人数は季節調整値で57,460人となり、前月比0.8%減少しました。2か月ぶりの減少です。一方、有効求職者数は42,232人で前月比1.0%増加し、4か月ぶりの増加となりました。求人が減り、求職者が増えたことで、有効求人倍率は低下しました。原数値で見ると、有効求人数は55,311人で前年同月比8.2%減、有効求職者数は44,681人で前年同月比3.0%減となり、有効求人倍率は1.24倍でした。前年と比べると求人も求職者も減っていますが、求人の減少幅が大きく、企業側の採用活動に慎重さが出ていることが読み取れます。ただし、倍率が1倍を上回っている以上、求人が求職を上回る状態は続いています。採用担当者は、求人を出せば応募が自然に集まると考えるのではなく、求職者が比較しやすく、応募しやすい情報設計を行うことが重要です。

新規求人倍率は季節調整値で2.43倍となり、前月から0.04ポイント上昇しました。4か月ぶりの上昇です。新規求人数は20,073人で前月比1.3%減となり、3か月ぶりに減少しました。新規求職者数も8,255人で前月比3.2%減となり、同じく3か月ぶりの減少です。新たに出された求人も、新たに仕事を探し始めた人も減りましたが、求職者の減少幅が大きかったため、新規求人倍率が上昇しました。原数値では、新規求人数が18,130人で前年同月比12.7%減となり、13か月連続で減少しています。新規求職者数は8,408人で前年同月比8.0%減でした。直近で採用を始める企業にとって、新規求人倍率2.43倍は重い数字です。応募者は複数の求人を比較しており、応募後の初回連絡が遅い企業、面接日程が限られる企業、仕事内容の説明が曖昧な企業は、候補者を逃しやすくなります。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は産業計で18,130人となり、前年同月比12.7%減少しました。主な産業では、建設業が1,394人で22.8%減、製造業が1,968人で0.1%減、情報通信業が254人で16.4%減、卸売業・小売業が2,660人で27.7%減、宿泊業・飲食サービス業が604人で37.7%減、生活関連サービス業・娯楽業が520人で26.9%減、医療・福祉が4,274人で7.2%減、サービス業が3,535人で9.3%減となりました。一方、運輸業・郵便業は1,387人で0.7%増、学術研究・専門・技術サービス業は468人で1.3%増、教育・学習支援業は239人で4.4%増となっています。多くの主要産業で求人が前年を下回る一方、一部には増加も見られます。採用担当者は、県全体の有効求人倍率だけではなく、自社の業界や職種に近い求人動向を確認し、採用競争が強い分野なのか、求人活動が慎重になっている分野なのかを見極める必要があります。

製造業は広島県の雇用を考えるうえで重要な分野です。令和8年5月の新規求人数は1,968人で前年同月比0.1%減と横ばいに近い動きでしたが、業種別では差があります。輸送用機械器具は179人で前年同月比35.6%増、電気機械器具は73人で28.1%増、繊維工業は187人で29.0%増となりました。一方、食料品は198人で19.2%減、化学工業は64人で40.7%減、金属製品は133人で13.6%減、電子部品・デバイス・電子回路は15人で42.3%減となっています。中小製造業が採用を進める場合、「製造スタッフ」や「工場内作業」といった表現だけでは、求職者に仕事の実態が伝わりません。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、未経験者への研修、安全対策、交替勤務や残業の実態を具体的に示すことが大切です。経験者採用が難しい場合は、未経験者を育成できる工程と、経験者に任せる工程を分けて求人を作ることで、応募の入口を広げられます。

医療・福祉は新規求人数が4,274人で、主要産業の中でも大きな求人規模を維持しています。前年同月比では7.2%減ですが、職種によっては人材需要が依然として強い状態です。介護、福祉、医療関連の求人では、資格や経験の有無だけでなく、夜勤の有無、勤務体制、利用者や患者への対応内容、教育担当者、資格取得支援、身体的負担への配慮、職員同士の連携を丁寧に伝える必要があります。求人票に「未経験歓迎」や「資格者優遇」と書くだけでは、求職者の不安は十分に解消されません。入職後にどの業務から始めるのか、誰に相談できるのか、研修期間はどの程度かを具体的に示すことで、未経験者やブランクのある人も応募を検討しやすくなります。

職業別の有効求人倍率を見ると、フルタイムでは保安職業従事者が7.32倍、建設・採掘従事者が5.94倍、サービス職業従事者が2.53倍、販売従事者が1.86倍、生産工程従事者が2.74倍となっています。一方、事務従事者は0.41倍、運搬・清掃・包装等従事者は0.67倍となっており、職種によって採用難易度は大きく異なります。パートタイムでも、サービス職業従事者は1.53倍、生産工程従事者は1.90倍である一方、事務従事者は0.35倍、運搬・清掃・包装等従事者は0.67倍です。中小企業の採用担当者は、県全体の1.36倍だけで採用戦略を決めるべきではありません。事務職では応募が集まりやすい可能性がありますが、選考基準を曖昧にすると対応が長引き、応募者の不信感につながります。反対に、保安、建設、サービス、製造、販売などでは、求職者に選ばれる理由を求人票で明確に示す必要があります。

地域別にも差があります。令和8年5月の公共職業安定所別の有効求人倍率では、広島が1.66倍、広島東が1.46倍、福山が1.42倍、尾道が1.24倍、三原が1.19倍、庄原が1.16倍、安芸高田が1.09倍となっています。一方、可部は0.54倍、廿日市は0.36倍、大竹は0.56倍、広島西条は0.92倍、呉は0.97倍、竹原は0.71倍、府中は0.81倍となりました。県全体では1.36倍ですが、地域によって求人と求職者のバランスは大きく異なります。広島や福山のように倍率が高い地域では、企業間の採用競争が強まりやすくなります。倍率が1倍を下回る地域でも、求職者の希望職種や勤務条件と合わなければ採用には結びつきません。勤務地周辺の通勤事情、車通勤の可否、駐車場、勤務開始時間、転勤の有無、家庭との両立のしやすさを求人票に明記することが重要です。

正社員採用については、令和8年5月の正社員有効求人倍率が1.13倍となり、全国の0.94倍を上回りました。ただし、前年同月より0.05ポイント低下しています。正社員有効求人数は28,597人で前年同月比5.6%減、常用フルタイム有効求職者数は25,283人で1.5%減となりました。正社員求人は求職者を上回る状態ですが、求人は減少しています。中小企業が正社員を募集する場合、「正社員募集」「未経験可」といった表現だけでは応募者の関心を十分に得られません。求職者は、給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係を総合的に見ています。入社後にどの仕事を任せるのか、研修期間はどの程度か、将来的にどのような役割を期待しているのかを具体的に伝えることが、信頼される求人につながります。

求職者側の動きでは、令和8年5月の常用新規求職者は年齢計で、フルタイムの男性が4,845人、パートタイムの女性が2,496人などとなり、多くの年齢層で前年同月を下回りました。55歳から59歳ではフルタイム男性が前年同月比5.8%増、フルタイム女性も13.6%増となっており、中高年齢層の一部に動きも見られます。在職者は8,385人で前年同月比7.8%減、離職者は5,573人で8.1%減、無業者は868人で5.3%減でした。転職や再就職へ新たに動く人が減っているため、経験者採用を考える企業は、求人を出して待つだけでは十分な応募母集団を作りにくくなっています。在職者に応募してもらうには、今の職場と比較しても魅力を感じられる情報が必要です。残業時間、休日の取りやすさ、通勤しやすさ、仕事の裁量、職場の雰囲気、地域で長く働ける安心感を具体的に示すことで、潜在的な転職希望者にも届きやすくなります。

令和8年5月の広島県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.36倍は求人が求職を上回る市場を示していますが、新規求人数は13か月連続で前年同月を下回り、持ち直しの動きには弱さが見られます。一方で、新規求人倍率は2.43倍、正社員有効求人倍率は1.13倍であり、採用競争は続いています。採用担当者は、必須条件と歓迎条件を分け、未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、中高年齢者やブランクのある人が活躍できる業務を整理することが大切です。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。採用競争が続く中で、求人募集を効果的に行うには、求人情報の発信に加えて応募者対応や採用管理の仕組みづくりも欠かせません。求人募集や採用サイト(ATS)の活用をお考えの企業様は、当社までお気軽にご相談ください。

⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ

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