2026年7月27日
労務・人事ニュース
岐阜県で令和8年5月の有効求人倍率1.46倍、正社員1.30倍から読む人材確保
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最終更新: 2026年7月26日 04:53
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最終更新: 2026年7月26日 15:36
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令和8年5月の岐阜県有効求人倍率1.46倍と産業別求人動向の違い
令和8年6月30日、岐阜労働局は令和8年5月分の一般職業紹介状況を公表しました。岐阜県の有効求人倍率は季節調整値で1.46倍となり、前月から0.07ポイント上昇しました。10か月ぶりに前月を上回り、全国の有効求人倍率1.17倍を大きく上回っています。全国順位は前月の7位から4位へ上がり、近隣県では愛知県が1.23倍、三重県が1.20倍、静岡県が1.09倍となっているため、岐阜県の求人需要は東海地域の中でも比較的強い水準にあるといえます。ただし、県内の雇用情勢については、求人が求職を上回って推移しているものの、求人活動に慎重さがみられるとされ、物価上昇や中東情勢などが雇用に与える影響に注意が必要とされています。中小企業の採用担当者は、この1.46倍という数字を「採用が難しい」という一言で終わらせるのではなく、求人数が伸びた一方で求職者数が減っている市場として、応募者に選ばれるための準備を進める必要があります。
令和8年5月の有効求人数は季節調整値で41,353人となり、前月比3.9%増加しました。一方、有効求職者数は28,405人で、前月比0.5%減少しています。求人が増え、求職者が減ったことで、有効求人倍率は大きく上昇しました。原数値では、月間有効求人数が40,026人で前年同月比0.5%減、月間有効求職者数が29,905人で前年同月比1.4%減となっています。前年同月と比べると、求人も求職者も減っているため、市場全体が急に拡大しているわけではありません。採用担当者にとって重要なのは、前月比では求人需要が強まったものの、求職者の数は限られているという点です。求人を出せば自然に応募が集まる環境ではなく、求人票や採用ページで自社の仕事、働き方、待遇、職場環境を具体的に伝えなければ、求職者の比較対象に入ることすら難しくなります。
新規求人倍率は季節調整値で2.82倍となり、前月から0.42ポイント上昇しました。3か月ぶりの上昇であり、新規求人数は15,240人で前月比10.9%増、新規求職者数は5,402人で前月比5.6%減となっています。直近で採用を始める企業の求人が増えた一方、新たに求職活動を始める人は減っているため、企業同士の人材獲得競争は強まったと考えられます。原数値では、新規求人数が14,121人で前年同月比1.2%増、新規求職者数は5,302人で前年同月比10.3%減です。新規求人は前年を上回りましたが、新規求職者は大きく減っています。この状況では、採用担当者が応募後の初回連絡を遅らせたり、面接日程の候補を少なくしたりすると、候補者が他社に流れる可能性が高まります。採用の成否は、求人を掲載する前の情報設計と、応募後の対応速度の両方に左右されます。
正社員の有効求人倍率は原数値で1.30倍となり、前年同月から0.04ポイント上昇しました。正社員有効求人数は20,268人で前年同月比1.4%増、正社員有効求職者数は15,580人で1.7%減となっています。正社員求人は4か月連続で前年同月比上昇となり、安定的な人材を確保したい企業の動きが見えます。一方で、求職者は正社員という雇用形態だけで応募を決めるわけではありません。給与、昇給、賞与、休日、残業、転勤の有無、評価制度、教育体制、職場の人間関係まで確認しています。中小企業が正社員を募集する場合、「正社員募集」「未経験歓迎」といった表現だけでは不十分です。入社後にどの仕事を担当するのか、最初の研修はどのように進むのか、どの程度で独り立ちを想定しているのか、将来的にどのような役割を任せたいのかを具体的に示すことで、応募者は安心して応募しやすくなります。
産業別の新規求人を見ると、令和8年5月は総計で14,121人となり、前年同月より168人増加しました。増加が目立ったのは卸売業・小売業で2,844人、前年同月比19.3%増、製造業で2,202人、7.8%増、生活関連サービス業・娯楽業で649人、19.5%増です。運輸業・郵便業も727人で6.3%増、教育・学習支援業は175人で14.4%増となりました。一方、医療・福祉は3,577人で8.5%減、宿泊業・飲食サービス業は354人で26.1%減、金融業・保険業は104人で50.0%減、複合サービス事業は75人で30.6%減となっています。求人が増えている産業では、同業他社との競争が強まりやすく、求人が減っている産業でも、人手不足が解消したとは限りません。採用人数や募集時期を慎重に見直している企業がある一方、現場では必要な人材を探し続けているケースも多いはずです。
製造業では、食料品製造が484人で19.2%増、プラスチック製品が139人で21.9%増、窯業・土石製品が178人で19.5%増、金属製品が212人で11.0%増、生産用機械が116人で41.5%増、電子部品・デバイス・電子回路が47人で74.1%増、電気機械が118人で57.3%増となりました。岐阜県は製造業の求人需要が比較的強い地域であり、中小製造業は求人票の具体性が採用成果を大きく左右します。「工場作業」「製造スタッフ」といった表現だけでは、応募者は仕事の内容を想像しにくくなります。扱う製品、担当工程、機械操作の有無、必要な資格、未経験者への研修、安全教育、交替勤務の有無、残業時間の目安を明記することが大切です。経験者採用が難しい場合は、未経験者を育成する前提で、最初に任せる作業や教育担当者の存在を示すと応募の入口を広げられます。
職業別の求人・求職バランスを見ると、事務職では有効求人数3,234人に対して有効求職者数6,424人となり、有効求人倍率は0.50倍でした。一般事務では求人1,989人に対して求職者5,414人で、倍率は0.37倍です。一方、建設等は6.54倍、保安の職業は5.94倍、介護関連は4.69倍、販売は3.70倍、サービスの職業は2.65倍、輸送・機械運転は2.33倍、専門的・技術的職業は2.04倍となっています。同じ岐阜県内でも、職種によって採用の難しさは大きく違います。事務職では応募が集まりやすい可能性があるため、応募者対応の遅れや選考基準の曖昧さを避ける必要があります。反対に、建設、保安、介護、販売、サービス、技術系では求職者に選ばれる理由を明確にしなければ、応募そのものが集まりにくくなります。採用担当者は県全体の倍率だけでなく、自社が募集する職種の倍率を見て、求人内容と選考スピードを変えるべきです。
求職者側の状況では、常用の新規求職者数が5,292人となり、前年同月比10.1%減少しました。在職者は1,400人で11.2%減、離職者は3,381人で9.5%減、無業者は511人で10.8%減です。離職者のうち、事業主都合は710人で11.3%減、自己都合は2,390人で9.6%減となっています。年齢別では65歳以上が1,191人で構成比22.5%を占め、60歳から64歳も600人で11.3%となっています。若年層だけに採用対象を絞るのではなく、シニア人材や経験豊富な人材をどの業務で活用できるかを考えることも、中小企業にとって現実的な採用策です。短時間勤務、補助業務、教育係、顧客対応、現場支援など、年齢や勤務可能時間に合わせて仕事を分解できれば、採用対象は広がります。
令和8年5月の岐阜県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.46倍、新規求人倍率2.82倍、正社員有効求人倍率1.30倍という数字は、求人が求職を上回る市場であることを示しています。一方で、新規求職者数は前年同月比10.3%減となっており、採用市場に新しく動き出す人材は限られています。まずは、自社が本当に必要とする人材像を整理し、必須条件と歓迎条件を分けることが重要です。未経験者を育成できる業務、短時間勤務でも任せられる業務、シニア人材やブランクのある人が活躍できる業務を切り分ければ、応募の入口は広がります。求人票では、仕事内容、給与、休日、残業、教育体制、職場環境、選考の流れを具体的に示し、応募後は迅速に連絡することが採用成功につながります。採用競争が続く中で、求人募集を効果的に行うには、求人情報の発信に加えて応募者対応や採用管理の仕組みづくりも欠かせません。求人募集や採用サイト(ATS)の活用をお考えの企業様は、当社までお気軽にご相談ください。
⇒ 詳しくは岐阜労働局のWEBサイトへ


