労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 北海道の令和8年5月有効求人倍率0.97倍、求人の弱さが示す採用活動の見直し方

2026年7月25日

労務・人事ニュース

北海道の令和8年5月有効求人倍率0.97倍、求人の弱さが示す採用活動の見直し方

広告

令和8年5月の北海道有効求人倍率0.97倍と主要8産業減少の影響

令和8年6月30日、北海道労働局は令和8年5月内容の道内の雇用失業情勢を公表しました。今回の基調判断では、道内の雇用情勢について「求職に対し求人の動きに弱さがみられる」とされ、引き続き物価上昇などが雇用に与える影響に留意する必要があると示されています。令和8年5月の有効求人倍率は、就業地別の季節調整値で0.97倍となり、前月から0.01ポイント低下しました。求人が求職を下回る状態に近い水準で推移しており、採用市場はこれまでのように求人側が強い一方通行の状況ではなくなりつつあります。中小企業の採用担当者にとって、この0.97倍という数字は「応募者が増えて採用しやすくなった」と受け止めるだけでは不十分です。むしろ、求人の動きが弱くなる中で、求職者がより慎重に職場を選ぶ局面に入っていると考える必要があります。

有効求人倍率は、仕事を探す人1人に対して、企業からどれだけの求人があるかを示す重要な指標です。北海道の令和8年5月の有効求人倍率0.97倍は、求職者数に対して求人数がやや少ない状態を表しています。全国や他地域と比べた高低だけでなく、前月から低下している点にも注意が必要です。採用担当者は、倍率が1倍を下回ったからといって、自然に応募が集まると考えるべきではありません。求職者は、仕事内容、賃金、休日、勤務時間、通勤条件、職場の雰囲気、将来の働き方を比較しながら応募先を選びます。特に中小企業は、大企業に比べて知名度で不利になりやすいため、求人票や採用ページで会社の実態をわかりやすく伝えることが重要です。条件面だけで勝負するのではなく、地域に根ざして働ける安心感や、経営者や上司との距離の近さ、仕事の幅広さ、柔軟な働き方など、自社ならではの魅力を具体的に示す必要があります。

道内の常用計の有効求人倍率は0.81倍で、前年同月から0.08ポイント低下しました。10か月連続で前年同月を下回っており、前年と比べても求人環境が弱含んでいることがわかります。常用計の有効求人倍率が0.81倍という水準であることは、安定した雇用を求める人に対して、常用の求人が十分に伸びていないことを示しています。中小企業が正社員や長期雇用を前提とした人材を採用する場合、単に「常用」「正社員登用あり」「長期勤務歓迎」といった表現だけでは応募者に安心感を与えにくくなっています。雇用形態の安定性を伝えるなら、入社後の業務内容、研修体制、昇給の考え方、賞与の有無、残業時間、休日取得の実態、配置転換の可能性などを丁寧に説明することが必要です。求職者が入社後の働き方を具体的にイメージできれば、応募への心理的な壁は下がります。

求人の動向を見ると、就業地別、季節調整値の新規求人数は30,582人で、前月比4.1%減少しました。2か月ぶりの減少です。常用の原数値では23,478人となり、前年同月比13.9%減少しました。これは11か月連続の減少であり、企業側が新たな求人を出す動きに慎重さを強めていることがうかがえます。月間有効求人数は87,326人で、前月比1.2%減少し、こちらも2か月ぶりの減少となりました。常用の原数値では73,461人で、前年同月比8.7%減少し、11か月連続で前年同月を下回っています。採用担当者が注目すべきなのは、新規求人と有効求人の両方が弱くなっている点です。求人市場全体が落ち着く局面では、採用を控える企業が増える一方で、必要な人材を確保したい企業にとっては、求人内容を見直す好機にもなります。競合企業が求人を減らしている時期に、求職者に伝わる求人情報を整えられる企業は、限られた応募者との接点を成果につなげやすくなります。

一方、求職者側の動きを見ると、新規求職申込件数は季節調整値で18,196人となり、前月比1.1%増加しました。3か月連続の増加です。ただし、常用の原数値では15,548人で、前年同月比5.9%減少し、3か月ぶりに前年を下回りました。月間有効求職者数は89,831人で、前月比0.1%減少し、3か月ぶりの減少となっていますが、常用の原数値では91,009人で、前年同月比0.8%増加し、9か月連続で前年同月を上回りました。ここから読み取れるのは、求職者の動きが一様ではないということです。直近では新たに求職申込をする人が増えているものの、前年との比較では常用の新規求職者が減っています。企業側から見れば、求職者の数だけに期待するのではなく、求職者がどのような働き方を求めているのかを見極めることが欠かせません。

正社員の有効求人倍率は0.75倍となり、前年同月から0.06ポイント低下しました。正社員採用を考える企業にとっては重要な数字です。0.75倍という水準は、正社員を希望する求職者に対して、正社員求人が少ない状態を示しています。しかし、これを「正社員なら応募が集まりやすい」と単純に考えるのは危険です。求職者は、正社員という雇用形態だけで応募を決めるわけではありません。むしろ、物価上昇が続く中では、賃金の見通し、生活との両立、職場の安定性、長く働ける環境への関心が高まっています。中小企業が正社員を採用する際には、給与の総額だけでなく、昇給の仕組み、各種手当、休日数、残業時間、教育体制、評価基準をわかりやすく示す必要があります。特に未経験者を受け入れる場合は、入社後に何から始めるのか、誰が教えるのか、どのくらいで一人前になることを想定しているのかを具体的に書くことで、応募者の不安を減らせます。

今回の資料では、新規求人数が主要8産業すべてで減少したことも示されています。これは北海道内の幅広い産業で、求人の動きに弱さが出ていることを意味します。主要産業すべてで減少している状況では、特定の業界だけの問題として片付けることはできません。物価上昇によるコスト増、人件費の上昇、先行きの不透明感、地域ごとの人口動態などが、企業の採用判断に影響していると考えられます。中小企業では、採用したい気持ちはあっても、利益率や受注見通しを考えて求人を控えるケースもあります。しかし、人材不足が慢性化している企業ほど、求人を止めることが将来の事業継続に影響する可能性があります。採用人数を増やせない場合でも、求人票の改善、採用ページの整備、応募者対応の見直し、既存社員の定着支援は進めるべきです。

北海道の採用市場では、地域特性も無視できません。道内は広域で、都市部と地方部では通勤手段や賃金相場、求職者の働き方への希望が異なります。札幌圏のように求人の選択肢が多い地域では、応募者は複数の企業を比較しやすくなります。一方、地方部では通勤距離、冬季の移動、勤務時間、住環境が応募の判断に大きく影響します。中小企業の採用担当者は、求人票に勤務地名だけを書くのではなく、車通勤の可否、駐車場の有無、通勤手当、勤務開始時間の柔軟性、転勤の有無などを具体的に記載することが大切です。地域で長く働きたい人に向けて、地元の顧客との関わりや、地域に貢献できる仕事であることを伝えるのも有効です。

有効求人倍率が0.97倍に低下した今、中小企業が採用活動で優先すべきことは、求職者から見た「わかりやすさ」と「安心感」を高めることです。求人票では、企業が求める条件を並べるだけではなく、応募者が知りたい情報を先回りして示す必要があります。仕事内容は「一般事務」「現場作業」「営業」だけで終わらせず、1日の流れや担当する業務範囲を説明すると伝わりやすくなります。給与は幅がある場合、どの経験や資格で上限に近づくのかを明記すると納得感が出ます。休日や残業についても、実態に近い数字を示すことで入社後のミスマッチを防げます。応募者は求人票の小さな曖昧さにも不安を感じます。採用担当者は、自社では当たり前になっている情報ほど丁寧に言葉にする姿勢が求められます。

また、応募後の対応速度も重要です。求職者は複数の求人を同時に見ています。応募後の連絡が遅い、面接候補日が少ない、選考結果の連絡が曖昧といった対応は、企業への信頼を下げます。中小企業では採用担当者が他の業務を兼ねていることも多く、応募者管理が属人的になりがちです。しかし、せっかく応募があっても連絡漏れや対応遅れがあれば、採用機会を逃してしまいます。採用活動を安定させるためには、応募者情報を一元管理し、社内で選考状況を共有できる仕組みを整えることが必要です。求人倍率の数字だけでなく、応募から採用までの流れを整備することが、これからの中小企業の採用力を左右します。

令和8年5月の北海道の雇用失業情勢は、有効求人倍率0.97倍、常用計0.81倍、正社員0.75倍という数字から、求人の動きに弱さが出ていることが読み取れます。一方で、求職者が必ずしも大きく増えているわけではなく、採用したい人材に出会うには、これまで以上に求人情報の質と応募者対応が重要になります。採用担当者は、倍率の低下を受け身で眺めるのではなく、自社の求人が求職者に選ばれる内容になっているかを点検するべきです。必要な人材を確保するには、採用条件を見直し、育成前提の採用や短時間勤務の活用、シニア人材の受け入れなど、採用の間口を広げる視点も欠かせません。採用競争が続く中で、求人募集を効果的に行うには、求人情報の発信に加えて応募者対応や採用管理の仕組みづくりも欠かせません。求人募集や採用サイト(ATS)の活用をお考えの企業様は、当社までお気軽にご相談ください。

⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム