2026年7月25日
労務・人事ニュース
青森県の令和8年5月有効求人倍率1.08倍、宿泊・飲食58.4%減から考える求人改善
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最終更新: 2026年7月24日 15:35
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最終更新: 2026年7月24日 15:35
令和8年5月の青森県正社員有効求人倍率1.02倍と正社員採用の課題
令和8年6月30日、青森労働局は令和8年5月分の青森県の雇用情勢を公表しました。県内の雇用情勢については、求人が求職を上回っているものの、持ち直しに一部弱さがみられるとの判断が示されました。物価上昇や中東情勢などが雇用に与える影響にも留意が必要とされており、景気や事業環境の変化が採用活動にも影響しやすい局面にあるといえます。受理地別の有効求人倍率は季節調整値で1.08倍となり、前月と同じ水準でした。3か月連続で同じ倍率となっており、求人が求職を上回る状態は続いていますが、令和8年1月の1.12倍から見るとやや低い水準で推移しています。中小企業の採用担当者は、この1.08倍という数字を「まだ人手不足が続いている」と見るだけでなく、「求人数の伸びが弱く、求職者の動きも慎重になっている市場」として読み解く必要があります。
令和8年5月の有効求人数は季節調整値で24,363人となり、前月から34人、0.1%増加しました。一方、有効求職者数は22,583人で、前月から45人、0.2%減少しています。求人はわずかに増え、求職者はわずかに減ったものの、有効求人倍率は1.08倍で前月と同水準にとどまりました。数字の動きだけを見ると安定しているように見えますが、原数値では月間有効求人数が24,032人で前年同月比1.7%減、月間有効求職者数が23,644人で前年同月比1.3%減となっています。求人も求職者も前年より減っているため、採用市場全体の動きは活発化しているとは言い切れません。採用担当者にとって重要なのは、倍率が1倍を超えているかどうかだけではなく、求職者と求人の双方がどのように動いているかを確認することです。
新規求人倍率は季節調整値で1.75倍となり、前月から0.11ポイント低下しました。2か月連続の低下です。新規求人数は8,420人で前月比4.3%減少し、新規求職者数は4,811人で前月比1.9%増加しました。新たに出された求人が減る一方で、新たに求職活動を始める人は増えたため、新規求人倍率が低下しました。これは中小企業にとって、採用競争が少し落ち着く可能性を示す一方で、求職者が企業をより慎重に選ぶ局面でもあります。求人を出せば自然に応募が集まると考えるのではなく、仕事内容や勤務条件、職場環境をわかりやすく伝え、応募者に「この会社で働く理由」を感じてもらうことが重要です。
原数値で見ると、令和8年5月の新規求人数は7,554人で、前年同月比12.2%減少しました。新規求職申込件数は4,616件で前年同月比8.3%減、就職件数は1,459件で13.7%減、充足件数は1,392件で14.4%減となっています。求人も求職申込も就職も前年を下回っており、採用市場では企業側、求職者側の双方に慎重な動きが広がっていると考えられます。中小企業の採用担当者は、応募数だけを追うのではなく、応募から面接、内定、入社までの各段階で離脱が起きていないかを点検する必要があります。せっかく応募があっても連絡が遅い、面接日程の調整に時間がかかる、仕事内容の説明があいまいといった対応では、限られた候補者を逃す恐れがあります。
主要産業別の新規求人を見ると、産業計では前年同月の8,605人から7,554人へ1,051人減少し、12.2%減となりました。建設業は1,268人で前年同月比2.9%減、製造業は611人で12.7%増、卸売業・小売業は997人で2.5%減、宿泊業・飲食サービス業は273人で58.4%減、医療・福祉は2,007人で14.0%減、サービス業は979人で19.8%減となっています。製造業では増加がみられるものの、多くの主要産業で求人が前年を下回りました。特に宿泊業・飲食サービス業の減少幅は大きく、観光や外食関連の人員計画に慎重さが出ている可能性があります。一方、医療・福祉は減少しているものの、2,007人と求人数の規模は大きく、県内の雇用を支える重要な分野であることに変わりはありません。
産業別の動きは、採用活動の設計に直結します。製造業のように求人が増えている分野では、同業他社との人材獲得競争が強まりやすくなります。未経験者を育てる体制や、勤務時間、休日、作業環境、安全面への配慮を明確に示すことで、応募者の不安を減らせます。建設業や医療・福祉、サービス業のように求人が減っている分野でも、人手不足が解消したとは限りません。むしろ、事業環境の不透明感から求人を絞りながらも、現場では必要な人材を探し続けている企業も多いはずです。採用担当者は、求人件数の減少を「採用しやすくなる」と受け止めるのではなく、求職者がより厳しく企業を比較する時期だと考えることが大切です。
正社員の有効求人倍率は原数値で1.02倍となり、前年同月より0.05ポイント上昇しました。正社員の月間有効求人数は13,737人で前年同月比2.7%増加し、新規求人数は4,218人で9.6%減少しています。正社員求人全体は前年より増えている一方、新たな正社員求人は減っているため、採用市場には強弱が混在しています。中小企業が正社員採用を進める場合、安定雇用を訴えるだけでは十分ではありません。応募者は、給与、昇給、賞与、休日、残業時間、転勤の有無、教育体制、職場の人間関係を細かく見ています。求人票では、入社後に任せる仕事、最初の研修内容、独り立ちまでの目安、評価の仕組みを具体的に示すことで、応募前の不安を和らげることができます。
ハローワーク別の有効求人倍率を見ると、令和8年5月の原数値では局計が1.02倍、青森が0.95倍、八戸が1.18倍、弘前が1.08倍、むつが0.90倍、野辺地が1.61倍、五所川原が0.63倍、三沢が0.97倍、十和田が1.14倍、黒石が0.79倍となっています。県全体では求人が求職を上回っているものの、地域ごとに状況は大きく異なります。野辺地は1.61倍と高く、求人が求職を大きく上回る一方、五所川原は0.63倍、黒石は0.79倍で1倍を下回っています。中小企業の採用担当者は、県全体の有効求人倍率1.08倍だけで判断せず、自社の勤務地や通勤圏の倍率を確認することが欠かせません。地域によって、応募者が重視する条件も変わります。車通勤、駐車場、冬季の移動、勤務時間の柔軟性、地元で長く働ける安心感など、地域事情に合った情報発信が重要です。
求職者側の状況を見ると、パートを除く常用の新規求職者数は2,710人で前年同月比6.4%減少しました。在職者は807人で5.7%減、離職者は1,711人で8.0%減、無業者は416人で4.6%減となっています。離職者のうち自己都合は1,210人で10.6%減、事業主都合は85人で21.4%増となりました。自己都合で転職する人が減っていることは、在職者が転職に慎重になっている可能性を示します。一方、事業主都合の増加は、事業環境の変化が一部の雇用に影響していることを示唆します。採用担当者は、求職者の背景を一律に見るのではなく、在職中の人には転職する理由を、離職中の人には安心して再就職できる材料を、それぞれ丁寧に伝える必要があります。
令和8年5月の青森県の雇用情勢から、中小企業が採用活動で重視すべきことは明確です。有効求人倍率1.08倍は、求職者より求人が多い状態を示していますが、新規求人は前年同月比12.2%減少し、就職件数も減っています。つまり、採用市場は単純な売り手市場でも買い手市場でもなく、企業と求職者の条件が合うかどうかがより問われる局面です。求人票では、自社が求める条件だけでなく、応募者が知りたい情報を具体的に示す必要があります。仕事内容は抽象的に書かず、1日の流れや担当範囲を明確にすることが有効です。給与に幅がある場合は、経験や資格でどのように変わるのかを説明すると納得感が生まれます。応募後の連絡や面接調整も速やかに行い、候補者に誠実な印象を与えることが採用成功につながります。有効求人倍率の動向からも、採用活動においては求人情報の出し方や応募者との接点づくりがより大切になっています。人材募集を検討されている企業の方は、日本全国どこでも対応できる採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までお気軽にご相談ください。
⇒ 詳しくは青森労働局のWEBサイトへ


