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2026年7月25日

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岩手県の令和8年5月有効求人倍率1.11倍、製造業29.4%増で採用競争はどう変わるか

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令和8年5月の岩手県正社員有効求人倍率0.87倍と正社員採用の課題

令和8年6月30日、岩手労働局は令和8年5月分の一般職業紹介状況を公表しました。県内の雇用情勢については、求人が求職を上回って推移しているものの、弱さがみられるとの判断が示されています。受理地別の有効求人倍率は季節調整値で1.11倍となり、前月の1.10倍を0.01ポイント上回りました。3か月ぶりに前月を上回ったものの、全国平均の1.17倍、東北平均の1.15倍を下回っており、岩手県の採用市場は求人超過の状態を保ちながらも、強い回復感までは見えにくい状況です。中小企業の採用担当者は、この1.11倍という数字を「求職者より求人が多いから採用は難しい」と単純に捉えるのではなく、地域や業種によって採用環境に大きな差があることを前提に、自社の募集条件や採用導線を見直す必要があります。

令和8年5月の有効求人数は23,842人で、前月より201人増え、前月比0.9%の増加となりました。一方、有効求職者数は21,549人で、前月より8人増え、前月比ではほぼ横ばいです。求人の増加幅が求職者の増加を上回ったことで、有効求人倍率はわずかに上昇しました。ただし、前年同月比で見ると、有効求人数は757人減少し、3.1%減となっています。一方、有効求職者数は586人増え、2.8%増加しました。つまり、前月比では求人が増えているものの、1年前と比べると求人は減り、求職者は増えています。採用担当者にとって重要なのは、短期的な上昇だけを見て採用市場が改善したと判断しないことです。求人倍率が上がっても、前年からの求人減少が続いているなら、企業側の採用意欲や事業環境には慎重さが残っていると考えるべきです。

新規求人倍率は1.79倍となり、前月の1.74倍から0.05ポイント上昇しました。2か月ぶりに前月を上回っています。新規求人数は8,905人で、前月より366人増え、前月比4.3%増加しました。新規求職者数も4,964人で、前月より54人増え、前月比1.1%増となっています。新たに仕事を探す人も増えましたが、それ以上に新たな求人が増えたことで新規求人倍率が上昇しました。新規求人倍率1.79倍は、直近で採用を始める企業同士の競争が続いていることを示しています。特に、早期に人材を確保したい企業は、求人を出してから応募を待つだけでは十分ではありません。応募があった後の初回連絡、面接日程の調整、選考結果の通知までを速やかに進めなければ、候補者が他社へ流れる可能性があります。

岩手県の有効求人倍率は、全国の中では31位に位置し、同じ1.11倍の大阪府と並ぶ水準です。東北各県では、青森県が1.08倍、宮城県が1.09倍、秋田県が1.14倍、山形県が1.29倍、福島県が1.22倍となっており、岩手県は東北平均をやや下回ります。企業が県内だけでなく近隣県からの採用も視野に入れる場合、こうした地域差を理解しておくことが大切です。特に技能職や専門職、医療・福祉、製造業などでは、県境を越えて求人を比較する求職者もいます。給与水準や休日数だけでなく、通勤、住まい、移住支援、地域での暮らしやすさを含めて求人情報を整えることで、応募者の検討対象に入りやすくなります。

地域別に見ると、岩手県内の採用環境は一様ではありません。令和8年5月の原数値では、県計の有効求人倍率は1.02倍でしたが、内陸計は1.07倍、沿岸計は0.80倍となり、大きな差があります。安定所別では、北上が1.66倍と高く、花巻が1.31倍、水沢が1.12倍、弘前ではなく県内の一関が1.03倍となっています。一方、盛岡は0.95倍、釜石は0.82倍、宮古は0.86倍、大船渡は0.78倍、久慈は0.70倍、二戸は0.85倍と、1倍を下回る地域も多くみられます。特に沿岸部は有効求人数が前年同月比5.0%減、有効求職者数が2.6%増となり、倍率は0.80倍にとどまりました。中小企業の採用担当者は、県全体の1.11倍だけで判断せず、自社の勤務地に近い地域の倍率を確認しなければなりません。

地域差は求人票の作り方にも影響します。北上のように倍率が高い地域では、求職者が複数の求人から選びやすく、企業は待遇や働きやすさをより明確に伝える必要があります。工業系や製造関連の求人が集まりやすい地域では、経験者採用の競争が強まり、未経験者を育てる仕組みを示せる企業が有利になります。一方、沿岸部や一部の地域では倍率が1倍を下回っていますが、それは採用が簡単であることを意味しません。通勤手段、勤務時間、賃金相場、家庭との両立、地域に残って働きたい人の希望など、応募の判断材料は多岐にわたります。地方部では、車通勤の可否、駐車場、冬季や悪天候時の通勤配慮、転勤の有無、地元で長く働ける安心感を求人情報に盛り込むことが重要です。

産業別の新規求人を見ると、令和8年5月の新規求人数は8,011人で、前年同月比7.1%減少しました。建設業は767人で7.6%減、製造業は1,294人で29.4%増、運輸業・郵便業は452人で12.7%増、卸売業・小売業は995人で19.8%減、宿泊業・飲食サービス業は438人で36.1%減、医療・福祉は1,571人で10.7%減、サービス業は1,337人で8.3%減となっています。製造業や運輸業・郵便業では求人が増えており、人材需要が強まっていることがうかがえます。特に製造業では、はん用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業などで増加が目立ちます。採用担当者は、こうした業種で人材獲得競争が強まりやすいことを前提に、求人条件の見直しを早めに行うべきです。

一方で、宿泊業・飲食サービス業や卸売業・小売業、医療・福祉では新規求人が前年を下回っています。求人が減っている業種では、企業が採用を控えているように見えますが、現場の人手不足が解消されたとは限りません。特に医療・福祉は求人数の規模が1,571人と大きく、介護や福祉、医療関連の人材需要は引き続き重要です。中小企業や小規模事業所がこの分野で採用を進める場合、資格や経験の有無だけを強調するのではなく、入社後の教育、勤務体制、夜勤の有無、利用者数、チーム体制、身体的負担への配慮を具体的に伝えることが求められます。宿泊業・飲食サービス業では、シフトの柔軟性、休日の取りやすさ、繁忙期の働き方、未経験者へのサポートを明確にすることで、応募者の不安を減らすことができます。

正社員有効求人倍率は0.87倍で、前年同月から0.04ポイント低下しました。全体の有効求人倍率1.11倍に比べて低く、正社員求人では求職者に対して求人がやや不足している状況です。正社員の新規求人数に占める割合は46.0%で、前年同月より1.3ポイント低下しました。一方、就職件数に占める正社員の割合は39.1%で、前年同月より2.8ポイント上昇しています。これは、正社員としての就職につながる動きが一定程度ある一方で、新規求人における正社員割合はやや弱いことを示しています。中小企業が正社員を募集する場合、「正社員募集」と書くだけでは応募者の安心感にはつながりません。入社後の仕事内容、教育期間、昇給や賞与の考え方、残業時間、休日、転勤の有無を丁寧に示すことが必要です。

求職者の動向を見ると、令和8年5月の新規求職者数は季節調整値で4,964人、有効求職者数は21,549人でした。原数値では新規求職者数が4,788人で前年同月比5.0%減、有効求職者数が22,749人で1.5%増となっています。新たに求職活動を始める人は減っている一方、求職中の人全体は前年より増えています。態様別では、常用でパートを除く新規求職者のうち、在職者が1,042人で前年同月比9.2%減、離職者が1,631人で6.5%減、無業者が162人で19.0%減となりました。離職者のうち事業主都合は395人で13.0%減、自己都合は1,135人で4.5%減です。転職を積極的に始める人が減っている中では、求人掲載だけに頼る採用活動は限界があります。在職中の潜在層に対して、今の職場と比較しても応募したいと思える理由を伝える必要があります。

令和8年5月の岩手県の雇用情勢から、中小企業の採用担当者が取るべき方向性は明確です。有効求人倍率1.11倍は求人が求職を上回る状態を示していますが、前年同月比では有効求人数が減り、有効求職者数が増えています。地域別では北上や花巻のように求人倍率が高い地域がある一方、沿岸部では0.80倍にとどまっています。産業別でも製造業は大きく増加し、宿泊業・飲食サービス業や医療・福祉は減少するなど、採用環境は一律ではありません。採用担当者は、自社の業種、勤務地、雇用形態に近い数字を見たうえで、求人内容を具体化することが大切です。仕事内容は抽象的にせず、1日の流れや担当範囲を示し、給与や休日、残業、教育体制、職場環境を誠実に伝えることが応募につながります。人手不足が続く中、求人募集では掲載媒体の選定だけでなく、応募者管理や採用業務の効率化も重要になっています。採用活動をより円滑に進めたい企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社までご相談ください。

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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