2026年7月23日
労務・人事ニュース
2026年7月から9月まで農作業の熱中症対策を強化 声かけ運動で事故防止と安全意識向上を推進
「夏の熱中症等対策声かけ期間」が始まります(農水省)
2026年6月30日、農作業中の熱中症や作業事故を防ぐため、新たな取り組みとして「夏の熱中症等対策声かけ期間」を7月から9月まで実施すると発表しました。キャッチフレーズには「いのちをうばう、夏のひとり作業」が掲げられ、全国で農業者への声かけ運動を展開し、安全意識の向上と事故防止を目指します。
近年は夏季の気温上昇が続いており、農作業中の熱中症リスクが高まっています。2024年には農作業中の熱中症による死亡者数が59人となり、前年の37人から22人増加しました。さらに、5月から9月にかけては熱中症だけでなく、高所からの転落や草刈り作業中の事故も多く発生しており、安全対策の強化が重要な課題となっています。
こうした状況を受け、農作業中の事故防止に向けた取り組みをまとめた「農作業における熱中症対策総合パッケージ」の一環として、新たに「夏の熱中症等対策声かけ期間」が設けられました。実施期間は2026年7月1日から9月30日までの3か月間で、この期間に集中的な啓発活動が行われます。
期間中は、さまざまな方法で熱中症予防の情報発信が進められます。広報媒体やSNSなどを活用した発信に加え、7月には広報誌で毎週水曜日に熱中症対策に関するコラムを掲載する予定です。また、農作業中に役立つ熱中症対策アイテムを紹介する動画も公開し、暑さ対策を分かりやすく伝える取り組みが行われます。さらに、政府広報などを通じた情報発信も予定されています。
全国の農業者へ注意喚起を行うため、約1,000,000枚の啓発チラシが全国の市区町村へ配布されました。あわせて、各自治体では広報誌などを通じて農作業中の熱中症対策を呼びかける予定となっており、地域全体で安全確保に向けた機運を高める取り組みが進められます。
今回の取り組みでは、「熱中症等対策声かけ隊」として活動に参加する団体や組織の募集も実施されています。募集期間は2026年8月末までとなっており、農業関係団体だけでなく、教育機関や販売店、地域の農業者など、幅広い組織が参加対象です。すでに25件の応募があり、6月には先行して実施された事例も紹介されています。
声かけ活動では、一人で作業する農業者に対して休憩の状況や家族との連絡手段を確認したり、熱中症の初期症状に注意を促したりすることが想定されています。また、集会や職場では熱中症警戒アラートの発表状況を共有し、水分や塩分の補給を呼びかけるなど、日常の作業の中で実践できる取り組みが期待されています。
参加を希望する団体や組織は専用の申込フォームから応募でき、必要事項を入力するだけで登録できます。活動内容はそれぞれの地域や団体の実情に応じて工夫することが可能で、現場での見守り活動や販売店での声かけ、広報誌や防災無線などを活用した情報発信など、多様な方法が想定されています。
農作業中の事故は、一度発生すると重大な結果につながるケースも少なくありません。特に夏場は高温環境の中で長時間作業を行う機会が増えることから、こまめな休憩や水分・塩分補給、体調管理に加え、一人で作業する場合でも周囲との連絡を確保することが重要になります。今回の取り組みでは、日頃から互いに声を掛け合う習慣を広げることで、熱中症や作業事故の未然防止につなげることが期待されています。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ


